犬好きですか
(ここが一目につかないところで良かった。)
というのが正直な思いだった。
白い獣人なんて魔女狩りものである。
「ひとつ、聞いていいかな?」
「なんだ?」
やたら高圧的なのだが。いやいや
仮にも依頼主だ。うん。シュウは
心を落ち着ける。
「報酬、望むものすべてってマジ?」
隣でヒノリが呆れているのは気のせいだ。
「ああ。私にできることならな。」
「ほかに聞くことあるでしょ?
なんで白いの?とか。」
ヒノリは白いことがどうしても気になるらしい。「知らん。」と一蹴されていたが。その後も質問攻めするヒノリ。
「ああもう、話が進まん!
依頼を何とかしろ!質問だ!
ここ最近妙な事件はないか?」
ぐだぐださにイライラしたのか
依頼主、白夜が言った。(質問攻めで
いい奴らしいことを知った)
「妙って?」
「だから、とにかく妙なんだ!
明らかにこの世の仕組みでは説明
できない感じの。」
ヒノリのセリフを即座に返す白夜。
「それって、羽も魔法も使わず、飛ぶ上
気配も無い紅い目の犬とか?」
俺のセリフに対して白夜は、そうそう
とうなずき、ヒノリは
「なんでそんなに具体的なの?」
といった。
「だって、後ろに居るじゃん。」
当然だろ?と付け加えて言う。
ヒノリ&白夜と向かい合っている
俺には丸見え。こいつバカ犬か?
「グルルウ(怒)」
「なんか、ヤバくね?」
「怒ってるな。」
「冷静に分析している場合ではない!
来るぞ!!」
三者三様。
「ガルアッ(怒)」
「ほいっ」
どしゃーん
………冗談みたいに犬が消滅した。
さすが俺。