出会い
「で、なんでこうなった?」
このセリフはシュウである。
掲示板の管理者に依頼を受ける旨を伝え、
依頼主と会うはずだったのだが
「こんな依頼知らなーい~。ぼくちん、
みたことな~い。」
と、管理者(たぬぽん、こと 狸の
魔物)に言われてしまった。
本来、依頼すべてを把握しているのだが。
「どゆこと?」
こちらはヒノリ。
「たぬぽんの管理者としての力を
かるーく超える奴が貼ったんだろう。」
シュウがそう言うとたぬぽんは
かなりショックだったようで、
ぼくちん、強いのに
とかつぶやいていた。
「とにかく、依頼主に会いに行ってほしいのよーん。」
ここで冒頭につながる
なぜか、最強クラスのたぬぽんを
超える力の持ち主に会うことになった。
なんでも、自分より強い者を把握したい
そうで。自分で行けと言っても
仕事がどうとか言って、
結局丸め込まれてしまった。
会うのが怖いだけだろ!
「二人が依頼を受けたのか?」
数分待つと依頼主がきた。歳は12歳ほどだろう女の子だった。白かった。髪も肌も。耳&尻尾も。
ただ、瞳だけが碧だった。
「獣人?白いのなんて……」
ヒノリは呆然としてつぶやいた。
それもそうだろう、この国の
童話には白い殺人鬼が登場し、
そのモデルは、100年前に仕留められた
突然変異の白い殺人鬼、
獣人だったのだから。
「どうかしたのか?」
獣人が言った。