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閑話 帝国偏 1

短いけど入れときます。


「馬鹿な」


突如、あらわれた四頭の竜。

それを見た帝国の宮廷魔術師であるサジュス・カンデモランは驚愕によって青白くなっていた。

このようなモンスターが現れるなど聞いたこともない。

召還の儀式は成功し、一時は神の使いと思っていたがあてがはずれたようだ。


王国(あいて)超高位魔法(オーバーマジック)を用意していることはわかっていたし妨害もしていた。

だが数十年の長きにわたってとめられないと判断された。


我々には神聖なる巫女姫がいる。カルマ・善の象徴でここから動かせぬ帝国の至宝が。動かせば国が動くようなものだ。

彼女が動くときは巡礼の旅か、祝福を授けるときだけ、困りに困った我々は、ついには避雷針のような召喚に手を出してしまった。


発動を止めさせられない、避けられない、ならどこか違う場所に当てればよい、と言う意見だ。


使用される超高位魔法(オーバーマジック)【エンドオブファンタズム】であるこの魔法は、カルマ・善に引っ張られる。

そんな欠陥魔法のようなものなのだが、発動のしやすさで現存する魔法使い達が唯一発動できる超高位魔法(オーバーマジック)と言われている。

『強力なカルマ・善を優先目標とする』これを利用し、矛先をそらすことにした。


かつて闇に葬られた召還の儀式を行い、超高位神格能力保持者(スペリオル)の召還に成功したのだ。

犠牲はあったが神格はできうる限り最高位のものになるように調整することが出来た。


現れたのは一人の少女、一瞬失敗かと思い観察したが、雰囲気で本物だと判断できた。

超高位神格能力保持者(スペリオル)は通常の人間とは違う気配を纏っている。彼女もそうであった。

我々とは違う人外の雰囲気を纏っていた。

しかし何処の【ゴット】系かは知らんが、我々帝国の礎となってもらう。そう思い、我々は時を待った。


わずかの後、【エンドオブファンタズム】がその彼女に当たると我々は驚愕を顔に張り付かせた。


なんと【エンドオブファンタズム】が迎撃されたではないか!


我々は歓喜の表情で互いを褒め称えた。


だが、それも直ぐに終わった。


四匹の竜が我々の前に現れたのだ。これは攻撃だ、少女の。

そう思った瞬間、一番弟子のモルドがドラゴンブレスで灰になった。

あの皮肉屋だが実力は弟子の中で最も高かった防壁のモルドが一瞬で。

罵倒と怒声で場は混乱し、我々と竜との戦いが幕を開けた。




長い戦いの後、我々は四匹の竜と壮絶に戦い、部下を失いながら帝国と巫女姫を守りきった。

しかし陛下にこのことをお伝えせねば、あの"少女"の危険性を。


そう口にしたが。


「がぁ!」


口を動かそうと失敗し、口から壮絶なまでの鮮血を吐き出した。

もはや体は自分のものではないように動かなくなってしまっていた。

四肢の至る所がかけており、弟子の姿もなかった。

しかし唯一の救いは、結界内で眠り続けている巫女姫が無事なことだろうか。


「みごっ……ざ」


最後の言葉を言えずにサジュスが倒れ伏し、この世を去ると、全ての竜がまるで幻のように掻き消えていた。


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