表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/28

第二話 「げいげきはばいがえしだ」

8/13 龍の召喚に関して修正しました。

唯一可能だった短距離転移した"山猫"は辺りを見回し動植物にスキル【鑑定】を掛ける。しかし結果は。


(全く知らん種類だな。この大陸は何だ……90番目の大陸が存在しているのか?とりあえずログアウトするか)


知らない場所からは即時撤退。基本戦略にして重要な生き延びる為の知恵である。

ステータスバーを引き出してログアウトを選択する。

しかし、何度も押してもログアウトが出来なかった。

覚醒誘導パターンバーのログアウト率50%の文字で固定されていたのだ。

これを見た山猫はひとつの可能性を考えた。


(畜生!強制催眠モードで半固定してやがる。

まさか"やつら"がダイブマシンに放り込んだんじゃないだろうな!)


膨大な数のイベント管理システムを呼び出し

ある一つのイベントが俺の目の前に映し出された。


"イベント・スペリオル"


内容は文字化けだらけだが、明らかに進行形の赤文字である。


"山猫"はイベントを消化するのが大好きな人間だ。

違う言い方すれば進行中のイベントを放置できない男である。

放置できないので意図的に発生させないという手法もとる。

つまりこのイベントが今回の原因に近い。

現実世界では"やつら"が高速思考を使って俺をダイブマシンに括りつけられているのだろう。このSSOは人体実験の側面も併せ持つ。

山猫が結んだ契約書どおりの実験なら、また何ヶ月もこの世界にいる羽目になる。

もちろん事前に精神鑑定とメディカルチェックが必要なのだが。


(誰かのミスだが知らないが本当に"飛ばされた"ということか。

契約は何ヶ月単位だ?早々に現実に復帰できるとは思えない)


そんな結論を出し、現実世界の帰還を一時中断する。

元の場所に帰れないことと攻撃されたことを思い出し森を歩き出した。こういう場合素人でも絶対に【浮遊】系魔法は使わない。


このSSOにおけるPKの主な戦闘開始の合図は絶対回避不可能な【ユニーク・スキル】による不意打ちと、自分を確認しようとする探知系魔法や浮遊系魔法を標的とした多人数から繰り出される【オーバーマジック】の嵐である。

これをやられると大抵のプレイヤーは死ぬ。何故なら魔法同時発動回数やスキル同時発動回数は限度があるからだ。

むろん【種族・エルダー・ゴッド】も例外ではない。かつて【種族・ゴッド】のLV100であれば【オーバーマジック】の嵐も怖くなかった、それどころか相手を殺して釣りが来る。

だがこの【種族・エルダー・ゴッド】は現在LV18でありかつての圧倒的な戦闘力は未だ取り戻せてはいない、いや足元にも及ばないだろう。

そんなことを考えていると、LVアップを知らせる【UPベル】が頭で鳴った。先ほど送り返した魔法で誰かが死んだらしい。

ステータスを見るとキッチリLV19になっていた。それとスキルが数個上昇していた。


(あんまり嬉しくないな)


【エルダー・ゴッド】になってから一年以上たつのに未だかつての【ゴッド】に届かないのを知って悲しくなったからだ。

過去の栄光は輝いて見えるというが、それが輝きすぎている為、膨大な力を有している現状も物足りずに感じる。


「課長の話を断るんじゃなかった、システム的に強制レベルアップすれば今頃は……っと」


探知の魔法がとんできたので妨害の魔法を放ち監視の目を潰す、同時に逆探の魔法が監視の数を暴き出した。


(監視は一つ……攻撃の相手と考えるのが妥当か……)


姿が露見したことを知り鈍い汗を浮かべる。すぐに反撃できなかったことも痛い。

しっかりと監視阻害用の【マクロ】を起動していればそれも可能だったはずなのに。


(NPCである霊凪であることは確認されてしまった……有名NPCだ誰もが知っている)


だとすればこの姿で居る利点は皆無に等しい、ならば監視の目を完全に潰し、姿を変えればいい。

「いや……」とある考えが浮かんできた。この【山猫】が取れる姿は有名な人気NPCに限定される、それは魔法【イーモラルダミー】によって作られていた。

この魔法の効果によって自分の良く知るNPCに一致させることが可能である。

だがNPCを完全に把握していなければそんなことは出来ない。便利だが万能ではない魔法なのだ。

自分の知っている他のNPCに化ければ【山猫】と言うプレイヤー自体が浮き彫りされてしまうかもしれない。

そもそも化けたところで有名NPCにしか変われないのだ。正体などすぐに把握されるだろう。

街を歩けば指で指されるほど、もちろん戦いを挑むやからすら存在するだろう。

口を開けばぼろも出る可能性すらある有名NPCに見当違いも甚だしい怒りをくすぶらせながら。最後の手段に出る。


「霊凪の防壁は確か…」


逆探された場所に攻勢防壁に使っている魔法やスキルから選び、スキル【天龍・招来】を選択する。


これは指定された場所に【天龍】を召喚するスキルだ。召喚される【天龍】は自我をもたないモンスターである。

スキル使用回数限界まで【天龍】を召喚した後、近くのものを攻撃するように設定する。

このスキルによって呼び出される天龍のレベルは40程度。


(ただHPだけはゴッド系の同レベルだし再生スキルも充実しているからな。時間稼ぎにはちょうどいいか……)


もちろんこんな招来モンスター程度では、大した成果は上げられ端ないだろうが【オーバーマジック】の反撃で誰かが死んだのなら、こちらを執拗に狙う恨みを買われたかもしれない。



じっくりと息を吸い込むと一気に【マクロ】を起動した。事前に設定した警告文が目の前に表示される。

自分で書いたにもかかわらずそれをじっくりと眼で追った、そしてこれを設定したときの自分の精神状態がよほどのものだったのかと思い知らされた。

警告文には「敵対者に対して現状持てるスキルと魔法を行使しつつ、転生ボーナス減少やレベルリセットのスキルを発動する」と書かれていた。

自分だったら受けたくないトップ3に入る文言である。このゲームは異常なほどにスキルや魔法の効果が強い、課金アイテムの効果すら打ち消す手段が存在するほどだ。

圧倒的なまでのステータスもカンストしたレベルもそれを無効化するスキルや魔法の前には完全な無意味なものとなる。


(相変わらず恐ろしいゲームだな……これだから攻撃力や防御力よりも抵抗力を高めろと言われるんだ)


目の前の恐ろしい文言を無視して、とりあえず姿を変えるため、眷属作成を開始する。

願わくば誰にも気がつかれませんように。 プレイヤーらしい姿を創造しなければ。



主人公は人気キャラの姿しかなれないので新しいのを作ります。

他のプレイヤーに気が付かれないために。

もちろん幼女プレイヤーも暗躍しますよ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ