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「俺」が生まれた理由
人のココロが分からなかった。
理解出来なかった。
何故、笑うのだろう。
何故、泣くのだろう。
感情がない訳ではない。 けれど、共感出来なかった。
これでは僕が人間の皮を被った化け物みたいじゃないか。
そんなの、嫌だ。
こんなの、違う。
こんなのは、僕じゃないよ。
そうして、「俺」が生まれた。
名は嘘落。
僕とは反対で、
感情が欠落していて、
己の醜さを悟らないために嘘をつく、
最低で、
孤独で、
人を信じない、信じることが出来ない、
可哀想な「俺」にふさわしい名だ。