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倒れて、寝ぼけた朝の事件

「あっあの、おはようございます」


ん、これは夢かな

三つ編み瓶底メガネでメイド服っぽいのを着た女の子が僕を起こしてくれるなんて

こんな二次元みたいな女の子、夢じゃなければおかしいよな


「えっと、朝ごはんが・・・」


朝ごはんか、匂いまではっきり感じれるなんてリアルな夢だ


「あっあの、まだ寝てらっしゃるみたいなので出直しますね」


うん、まだ眠たいなぁ

でもせっかくの女の子が・・・


ぎゅー


「きっ・・・きゃぁああああああああああああああああ」


!!!???


「アリシア、何事だい!」

「どうした敵襲か!?」

「朝から騒がしいのう」


なっなんだ!?さっきまで気持ちよく寝てたのに、悲鳴がきこえ・・


「貴様、アリシアに何をしている」

「何って、僕は寝てただけで」


ん?エルシーの声は聞こえるのに、目の前に何かあってみえな


「ぎゃぁあああああああああああああああああ」

「きゃああああああああああああああああああ」


僕が叫んだと同時にアリシアちゃんもまた叫んでいた

なんてこった、僕は寝ぼけてアリシアちゃんに抱きついて胸に顔をうずめていたのだ

リアルな夢かと思ったら夢じゃなかった!でもこの世界夢であってほしいけど

この感触は夢じゃなかった!


「うわぁああアリシアちゃんごめん!本当にごめん!!!」


僕は咄嗟に土下座した


「アッアリシアちゃん・・・?」


返事がないもしかして本気で怒らせてしまっただろうか

それもそうだろう、ただでさえ男が苦手なアリシアちゃんが、

あって間もない男に抱きつかれなんかしたら悲鳴を上げて当然だし、

ここはとりあえず謝り続けよう


「ほんとうにごめんなさいアリシアちゃんみたいなかわいい子が起こしてくれるなんて僕の世界ではありえないことなので夢だと思ってつい抱きしめてしまいましたとてもフカフカで気持ち良かったですほんとうにごめんなさい殴ってくれていいですとりあえず何か言ってくれないと顔をあげることができないですほんとにすみませんでした」


やばい、ここまでいっても何も言ってこないぞ・・・どうすれば!


「おい、貴様、途中から謝ってないぞ」

「え?なんだいエルシー僕はいま顔を上げることを許されてないんだ」

「うーん、許すまえにアリシア気絶してるしなぁ」

「今ならわらわのコレクションにできるかのう」

「やめてくれ、アリシアは僕の大事な弟子なんだから」


あっまだコレクション勧誘するんだ、いやいやそこじゃないぞ僕


「アリシアちゃん大丈夫!?」


ガバッ


僕は床に埋まるほど押し付けていた顔をあげた

そこには寝ころんだままピクリとも動かないアリシアちゃんと、それをつつく魔王に見守る男の人、そして僕に向かって剣を構えているエルシーがいた


「とりあえず、アリシアを部屋へ運んでくるよ。君たちは先にリビングにいっててくれ」

「そうじゃ、朝ごはんはまだか」

「そうだな、話はそれからだな」


なんかエルシーが怖いです。アリシアちゃんには後でもう一回謝っておこうと誓い

そして僕はエルシーに後ろから剣を突き付けられたまま、昨日の場所へ向かったのだった



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