進まない話の晩御飯
エルシーと2人無言のまま数十分、いやもっと短い時間かもしれない
あまりの静けさに耐えれなくなってきた僕は席をたとうとした、その時
「そういえば腹が減ったのう、もう夜になっておったのか」
「なら先にご飯にするかい?君たちも食べていくだろう?」
どこかに行っていた2人が帰ってきた。その後すぐに
「晩御飯できましたよー」
とアリシアちゃんも鼻歌歌いつつ鍋を持って戻ってきた
あれ?お茶いれに行ってたんじゃなかったけ?
「今日はシチューなんですよー」
「はよ いれてくれ、わらわ腹ペコで死にそうぞ」
「そのまま死んでくれればいいのだがな」
「すっ、すぐいれますから喧嘩しないでくださいー」
やっぱり賑やかなご飯タイムはいいな
「はいっ!佐上様もどうぞ!」
皿いっぱいにシチューが入ってる
とてもおいしそうで思わず腹がなった
「ありがとう でも様づけはいらないよ」
「えっと、じゃあ佐上さん?」
「なんか呼ばれなれないなぁ…透でいいよ」
「そそそそんな呼び捨てだなんて…できませんー!」
えっ 全力で走って行くくらい僕の名前呼ぶの嫌なの!?
「アリシアはそういう子なんだ慣れるまで待ってあげてくれ」
「はぁ そうですか」
まぁ嫌われてないならいいんだ せっかく入れてもらったし冷めないうちに食べようっと…
「って違う!」
何故ほのぼのとした雰囲気に飲みこまれて、のんきにご飯を食べようとしてるんだ僕は!
まだこの状況についてなんにも教わってないし、やっと教えてもらった自己紹介すら済んでないぞ!!
「貴様!ご飯は静かに食べろと教わらなかったか!」
「あっごめんエルシー、でもね!!」
「どうせ下らぬことを考えておるのじゃろ?そんなのは後回しじゃ、今はご飯ぞ」
確かにそっちにとってはくだらないことかもしれないけど…僕にとっては重要なんだけどなぁ
「あぁ、そうか すまない自己紹介終わってなかったね」
よかった男の人は僕のこの気持ちを理解してくれ・・・
「でもお腹すいたからね、ご飯が先だ」
「少しでも期待した僕が馬鹿だった!」
「だから静かにしろと言ってるだろう!」
「お前の方がうるさいことに気付いてないのか?」
ちくしょう、ここに味方がいないってことだけはよくわかったよ!
もうどうにでもなればいい、とりあえずは
「アリシアちゃんおかわり!!」
「はい!すぐにもっていきますね」
腹ごしらえしよう、腹が減っては戦もできないというしな!
なによりシチューに罪はないし、冷めてはもったいない!
この後あまりの美味しさに、やけ食いした結果、僕は倒れてしまうことになるのだった