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序章と第一章


 序 章


「痛っ」

 痛みで目が醒めた、此処は何処かと辺りを見回した、

「見慣れない木々が生い茂ってる」

 そう感じてもう一度あたりを見る、

「森?ジャングル?」

 頭の中を?マークでいっぱいにした。

「まて、整理しろ、俺は何で此処にいるのか」

 思い出そうとして目を閉じる…

 一瞬光が見えて消えていく、少し思い出してきた。

「俺の名前は松浦崎まつうらざき 真十郎しんじゅうろうそこまでは良しっ!」

「次っ某県、某市出身、これも良しっ!」

「たしか、大学の新入生歓迎コンパで先輩にしこたま呑まされて」

「う~ん、呑まされて、そうだ同じ一年の女子、名前何て言ったっけかな、よしこ?違うな、たまえ?これも違うな、まぁそのと呑んでいたんだけど、こっから記憶が曖昧だな」

 目をつむり数分考えた、思い出せない。

 仕方が無いのでそこら辺を散策にと思って、立ち上がった。

「ゴン!」っと鈍い音がして、めまいがした、何かにぶつかった、そう思ったら音のしたほうから声がする。

「ったいわね~ちゃんと前みてあるいてるのこのグズッ」

 声のするほうに目を遣った、そして観た、小さな羽根の生えたちっちゃい女の子がそこにいる。

 俺は少し後ずさりしながらソイツを見た、なんとソイツは空を飛んでいた。

 そしてよせばいいのに声をかけちまった。

「お嬢さん、どちら様」

 かなり動揺していた、羽の生えたちっちゃな女の子にどちら様もこちら様もないだろう、とか思いながら。

 そしてソイツはこう言った。

「アンタこそ、どちら様、見かけない顔ね、私はこの島の住人よロロズっていうの」

「アンタ名前は何しにここにいるの」

 ロロズと名乗る羽の生えたちっちゃい女の子は答えた。

 俺は今にも逃げ出したい気持ちを抑えながら、今俺に起こっている事を話した。

 何とか平常心で話せれたのは、ソイツ(ロロズ)が俺の良く知るゲームや漫画のキャラクターによく似ていたからだと思う、と冷静に分析してみた。

 ロロズは「ふんっふんっ」と俺の話を聞いていたが最後まで話すか、話さないかのところで話し途中に、

「よーし、村長に会いに行こう」と言い出した。

 俺には此処が何処だか解らないし、変な生き物もいそうなのでロロズについていく事に決めた。

「ロロズって」声をかけようとしたら、ロロズがえらい剣幕で怒ってきた。

「私ってあなたより年上みたいだし、私の事はロロズさんって呼んでちょうだい」ロロズが言う。

 俺ははいそうですかと苦笑いをした。

 どのくらい歩いただろうか、いつのまにやら空が白やんできた、

「もう少しよ」ロロズが言った、前方の方に村が見えてきた、これまたロールプレイングゲームみたいな農村である。俺はその農村の門をくぐった。



 第一章


 村長に会った俺は少し安心した、村長は俺と同じ人間だったからだ、そんな村長にこれまでの事を話した。

「それは難儀じゃったのぉ、しばらく此処で休んでいくといい」そう言うと手を二回叩いた。

 奥の方から村長の身内とは思えないほどの美女二人が現れて、酒宴の準備をし始めた。

「真十郎のエッチ」とロロズに言われてわれに返った。んでよほど疲れていたのだろう、そのまま村長宅で眠ってしまった。

 夢の中、新入生歓迎コンパの事を思い出していた。

「私は二年の神宮司しんぐうじ 彩夜さやよろしくね」というと空いたグラスにビールを注いだ。

 場面変わって、俺はコンパ会場を抜け出して店屋横の側溝に伏していた、そこに

「一年生君大丈夫」と彩夜先輩が背中をさすってくれた。

「先輩、すみません」と俺は言ってふらふらと立上り、立ち上がった拍子に道路に出てしまった。

「あぶないっ」先輩がかけよってきた、横を観ると車のヘッドライトが眩しかった、とそこで目が醒めた。

 俺は、全てを思い出した、顔面が蒼白になる俺は死んだのか?先輩はどうなったのか?そんな事を考えていた。 顔に手をやって震えていると、何とも間抜けな音楽?が流れてきた。

「トゥルル、トゥルル、トヒャラ、トヒャラ、ストトーン、ストトーン」と音の方を向いて見ると。

『勇者様ご一行万歳』見たいな事が書いてある。

 俺は飛び起きて村長に詰め寄った。

「どういうことだ村長」村長は笑顔で。

「私の事は、バゲベズと呼んでください」としれっと言った。

「名前のことじゃねぇ、この勇者ってなんだ、勇者って」村長バゲベズの首根っこを掴みながら言った。

 そしてバゲベズは語りだす。

「あんたは選ばれたわけ、この島の伝説に」お前が語るんかいぃってツッコミ入れたくなるのを我慢してロロズの方を向いた、バゲベズの首根っこは掴んだまま。

 ロロズの言う島の伝説とはこうだ。

『白日に現れ、全ての者を従えし魔王、黒日に現れ、全ての災厄を覆し勇者現る時、これを打ち滅ぼし島に平和をもたらすであろう』まぁこんなもんだ。

 俺がこの村に来たのが丁度、黒日だったらしいというのが理由というわけだ。

 ちなみに、俺とロロズとバゲベズのおっさんで勇者様御一行らしい。

「これからもよろしくね、勇者っ!」ロロズが小さい手で俺の手を握った、どうやら握手らしい。

 俺は泣きそうな気持ちをグッとこらえて、

「それより、俺を元の世界に返してくれ」と叫んでいた。

 かなり、叫んでいた。

 

 数時間後酒宴もクライマックスに差し掛かり、少々ヤケ気味でここの地酒をたらふく飲んでいた俺にバゲベズがまたとんでもない事を言ってきた。

「勇者様、出発は明後日でよろしいか?」

 俺は酔っていたせいか二つ返事で「OK,OK」と言ってしまった。

 後悔しても遅かった、それからあっという間に明後日だ。


「では出発しますぞ」バゲベズが村中に響き渡る声で、

「みなの者、行ってくる必ずや悪の根源を絶やしてこようぞ!」

「オー、オー」村中が声を上げている、といっても住民二百人あまりしかいないのだが。

「さーて、皆行くよー元気でレッツラゴー」少々古い言葉を使いたいロロズが先頭だ。

 その後俺で、後にバゲベズしかも徒歩だ、小さい島だとは聞いていたが、こんなことをして本当に帰れるんだろうか?不安でいっぱいです。


 しばらく歩いていると峠の茶屋があった、そこで休んでいく事にした。

「まんま、ロールプレイングだな」とブツブツ言っていると、茶屋の奥から。

「あ~らバゲベズちゃんお久しぶり~どう最近元気にしてた」やたら色気のある姉ちゃんが出てきた。

「んま~悪者退治ね、おねぃさんもついていってあげようぅかしらぁん、どうバゲベズちゃん」

「年増なんか必要ないね、ヒロインはあたし一人で十分さ」ロロズが割って入ってきた。

「どうじゃ勇者よこの娘も一緒に」言ったバゲベズの鼻は伸びきっていた。

「いらないよ、そんなことより元の世界に帰る方法をだな」とそこまで言って口を閉じた。

 何者かが襲ってきた。

「貴様が勇者か?」

「何者っ」ロロズが訊く。

「これは失礼を私はファイン伯爵一の部下マガトーニと申します」

 マガトーニと名乗った人物?は中世の甲冑を着たような格好をしていた、兜を被っていたので頭はあると思うが、体のソレは人ではないことを現していた。

 ソレというのは頭、両腕、両足はあるのだが胴体だけがなかった。

「それで勇者というのは」マガトーニは両腕を俺の方に伸ばしてきた。

「真十郎逃げるよっ」ロロズは小さいながらも俺の手を引っ張って逃げようとする。

 そんなロロズの前にマガトーニは立ちふさがる。

「逃がしはしない」

 バゲベズは茶屋のねえちゃんと一緒に店の奥に隠れて顔を出さない。

 俺が何とかしないと、そう思った間にもマガトーニは襲ってきた。

「キャァァァァ」ロロズが叫ぶ。

 俺は懇親の力を込めてマガトーニめがけて右の拳を振り上げた。

 鈍い音がする、兜の下あご部分に右の拳がめり込んだ。

 不思議と痛みはなかったが右の拳からは大量の血が流れだしていた、マガトーニの兜もヘの字に曲がっている。

 次の瞬間マガトーニは左手を空にかざした、聞き取れないくらいの小声で何かを喋ったかと思うと何もない空から短剣を取り出した。

「ゆるさんっ」そう一言言うとマガトーニは短剣を振りかざした。

 俺はとっさに右手でロロズをかばい左手で短剣を受けようとした。その時

「真十郎貴方は勇者、魔王を倒す勇者ここで終わらせはしない」

 ロロズがそう言うと、俺の右手が光りだした。その光は辺りを包んだ。

 マガトーニは目が眩み、振り下ろした短剣は俺に当たる事はなかった。

 俺は数歩後ろに下がった。ロロズの姿が何処にも見えない。

「ロロズー何処だー」俺は何度か叫んでみた。

「此処よ、真十郎あいつを一緒にやっつけましょう」やたら近い所から声がする。

「此処よここ、まだわからないの、此処だって言ってるでしょう」声は右手から聞こえる。

 なんと俺の右手とロロズがくっついてしまったみたいだ。

 恐る恐るロロズに訊いた。

「どういうことだ、何故ロロズが」とそこで言葉を切った。

「何だその腕は、勇者の証か?」マガトーニが襲ってきた。

「今はマガトーニを倒す事だけかんがえるのよ、いい」

 そう言うとロロズはみるみる右手に吸収されていった。

 よく観ると右手の出血も収まり代わりに光った三角錐みたいなものがくるくる回りながら右手についている。

「何かドリルみたいだな」俺はそうつぶやいた。

「その右手でマガトーニを倒すのよ」ロロズの声が頭に響く。

「そのようなもので我は倒せんぞ」マガトーニは空から長剣二本を取り出し短剣と持ち替えた。

「ゆくぞっ」マガトーニの長剣が真十郎を襲う。

『ガッキュゥゥゥゥン』真十郎のドリルがマガトーニの長剣を受止めた。

 それ以降も何回かつばぜり合いがあり、双方疲れが見えてきた頃。

「ロロズ何かないのか、武器とか、武器とか」俺はロロズに問いかけた。

「私にもよくわからないわ、でも念じるのよ真十郎念じることが力になるわ」

「念じる事ね、簡単そうだけどいろいろ難しいのね」

『ジィギィィオォォォンーー』鈍い音が鳴り真十郎ははじき飛ばされた。

『ズゥサァァ』真十郎は地面に突っ伏した。

 「念じる事は力」真十郎は念じていた、マガトーニがトドメの一撃を見舞いに来るそのときまで。

 長剣が空を切り真十郎めがけて振り下ろされたとき、真十郎の右手の光が、一回り、二回りと大きくなる。

「これで最後、くたばれ」マガトーニの長剣が真十郎に刺さった、確かに刺さったように見えた。

「なに!」

「マガトーニィィーこれで終わりだぁ」真十郎のドリル状の右拳がマガトーニの兜に炸裂した。

「ダッラァァ、ぶっ壊れろー」

 勝敗は決した、マガトーニは動かなくなり、真十郎は立っていた。

「やったじゃない真十郎、さっすが勇者」いつのまにやらロロズが右手から離れていた。

「ロロズ何何だ、今の、ドリルの」

「アタシもわかぁんない、ただ真十郎を助けたいと思っただけ」

 俺は困惑気味だったが、こんな世界なんだ、何でもありだ、まさにゲームな世界だと思わず納得してしまった。

「やれやれ、終わったかの」

「あら、やんだ店が無茶苦茶」

 奥からバゲベズと茶屋のねーちゃんがすごすご出てきた。


「やれ勇者旅を続けるぞよ」バゲベズが持ち前の明るさで茶屋のねーちゃんに別れを告げると。

 一行は又歩き出した、何処ぞにいると知れない魔王を探して。


 所変わって、ここはファイン伯爵邸

「マガトーニが逝ったか、惜しいことをした」

「それでは、いかが致しましょう」マガトーニの情報を持ち帰った、衛兵が言う。 

「いずれはこの屋敷にたどり着くだろう、念のためだ魔王直下のマヌビス、スプラーダ、ホンヌを我が屋敷に、呼び寄せよ」そういうとファイン伯爵はマントをひるがえし屋敷の奥へと去っていった。

 

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