4話:ルビナの失態
冒険者とは。その時その時の依頼をこなし、報酬を貰う。
当然、危険を伴い命を落とす者も居る。皆それは承知している事。
自分の命は自分で守る。依頼中であっても、普段の生活でもだ。
こういう仕事をしていると、感覚が可笑しくなって人を殺す者も当然いるし、騙したり騙されたりし、のうのうと街中に紛れていたりするもんだ。
モンスターを相手に戦っているが、本当に怖いのは人間なのかもしれない。
気持ちの良い朝だ。天気も良い。昨日の事がなければ最高だった。
はぁ!このルビナ様…醜態を晒してしまった。
ー ルビナは昨日の夜の事を思い出した。
遡る事昨日の夜。帰り道、酒に酔っていた私は隠密行動を忘れていた。いきなり知らない男に髪を掴まれ路地裏へ運ばれた。3人の男達だった。一人は知っている。昨日ギルドで悲し気な顔をした男。
後は知らない奴。大方この気弱そうな男が依頼でもしたんだろう。
「ルビナちゃ~ん!」
髪の匂いを嗅いでいる。鳥肌が立った。
でも私は強いからこんなの怖くない。こんなひ弱そうな男達を一網打尽に出来る自信がある。
さっさと打ちのめして逃げよう。そう思ってたんだ。
「おい、ルビナ。何サボってんだ。俺から逃げられると思ったのか?」
聞き覚えのある声がした。気だるそうな顔をした‥
「エメ‥ク」
何を俺の女に手を出して感、醸し出してんだ。
男達は動揺し身体を震わせている。エメクを見ると、獣の様な目で男達を睨みつけている。
怖い。確かに怖い。男達はわらわらと退散した。
「一人でも大丈夫だった。」
あぁ、私はなんて可愛げが無いんだろう。
助けてもらったのに。
「隠密スキル忘れんなよ。特にお前は女なんだから。弱い事を自覚するべきだな。
男と女では体の構造が全然違うんだ。強い女でもゴブリンキングみたいな男には勝てるわけないしな。
要はゴブリンとゴブリンキングだったらゴブリンキングの方が強い。」
何言ってんだ。コイツ。
せっかくヒーローに見えたというのに、お母さんか何かか?ネチネチと‥
「あんたがゴブリンに見えてきた。狩ってもいいかな?」
エメクは我に返った。ただ純粋に酔ったルビナが心配でつけていただけだったのだが、どうしてこんな女を見過ごす事が出来なかったのか。疑問を感じていた。
「すまない。宿屋まで送る。」
ーはぁ?ジェントルメェーン??
ルビナはその後の出来事を思い出す。送ってくれるなんてなんて紳士なんだと見直したと思いきや。
アイツまじで女分かって無いにも程があるでしょ。
私を肩に担いで隠密スキル使うから、揺れるし、衝撃で吐き散らかしてしまった。
肩が腹を圧迫してるんだから吐くでしょ?
普通意識のある女を運ぶのに肩に担ぐか??
お姫様だっこくらいしてくれたら、ときめいたとしてもゲロったりしなかったのに!!
絶対に許さない!
「起きた?ホットミルク持ってきた」
ちょちょちょ待って待って待って!!なんでエメクが私の部屋に居るのよ!一夜を共にした記憶~~ぅ‥は無い!!信じられない!
「聞いていいかな?…どうしてあなたがここに?」
エメクはシャワーを浴びたみたいで、髪が濡れて、雨の日の捨て犬みたいにか弱く見える。
昨日は恐ろしい野獣のような目をしていたのに…装備も脱いでいて、筋肉のラインが隠しきれていない。
色っぽい‥凄く優しく見える。お兄ちゃん的な。一緒に居ると安心す‥そんな訳!
これが女に厳しく暴言吐く、毒舌ドS男か?ギャップ萌えやめろ!!
「いやぁ、昨日は悪い事してしまった。送ると言いながら雑な扱いをしてしまったから…
ルビナをゲロインにしてしまって。
お前のゲロが俺の服に付いてしまって、お前んちで洗濯させてもらった。ほんと!ゲロインにしてしまい、すまない。」
はいはい。反省してないようで。
これを訳すと、
‘’お前のせいで汚れたからお前の責任だ。あくまで善意で送ってやったんだから代償を払え!‘’
と言いたいわけだ。つーかゲロインって。
「あーそう。ごめんね。迷惑かけたみたいで。
所で昨日の事はお互い忘れた方がいいと思うんだ。無かった事にしよう!」
エメクが持ってきてくれたホットミルクを飲みながらルビナは、エメクの顔色を伺う。
エメクはポカーンとした顔で言った。
「何で?」
エメクは少しづつニヤケながらこう言った。
「なんでルビナとの思い出を無かった事にするんだ?俺笑い堪えるの大変だったんだぞ!
出荷されるマグロみたいに抱えて移動したら、お前のゲロが街中に散らばって月の光に照らされて、キラキラしてて…笑うなって言う方がおかしい。」
エメクが笑ってる!純粋そうな笑顔で語る事かね!!
「いやぁーしかし、汚されたんでね。宿賃代わりだよ。」
「どういう理屈ですか。」
ルビナは呆れてしまった。
顔面偏差値補正でコイツの性格の悪さに騙される所だった。
「まぁーいいじゃん。別に俺らソロだし、誰かに話すわけじゃないし。2人だけの秘密で。俺の運び方が悪かったんだ。ごめんな。」
なんだ…普通にごめんなさい出来る人なんだ‥。以外。
「分かった。内緒でお願いします。」
少しの沈黙の後エメクが口を開く。
「さて、俺はギルドに行くよ」
「いい依頼あるといいですね。」
「なんかのフラグっぽい言い方やめろよ」
エメクは機嫌よく部屋を後にした。
※後からイメージイラストを載せたりしています。宜しければ前の話しも遡ってもらえると嬉しいです。
※誤字脱字あるかと思いますが、見つけて下さったら教えて下さると有難いです。
※素人ですので、伝わらない部分あるかと思いますが、引き続きストーリー、イラスト共に愛して下さると嬉しいです。宜しくお願い致します。




