2話:冒険者エメクと冒険者ルビナの出会い
俺はエメク。子供の頃から容姿端麗、頭脳明晰、身体能力も高く、魔法も使える超天才だ。
モテるのも分かる。だが、俺の見た目だけで「きゃーきゃー」言ってる女は滑稽としか思えないな。
俺はショーウィンドウの高級バッグじゃないし、新製品でもない。
群がって来るし、道を塞ぐし、あいつらときたら「弊害」でしかない。
冒険者でも活躍してる男もいる中、なんで俺なんだよ。
他の冒険者には嫉妬されるし、パーティー組んでも妬まれてダンジョンで放置とかいう子供みたいな事をされるし。
俺、強いし、一人で冒険者やれるし、気にしてない。好奇心というか、固定概念でパーティー組んだ俺が悪い。放置した奴らはボコったし、報酬も全額頂いた。ついでにギルドに報告して追放してもらった。
俺は、他の人間に何もしていないが、俺に害を及ぼそうとする奴は倍返しだから。
人と関わると、ろくな事がない。ただただ面倒臭い事になる。なら、俺はソロでいいんだ。
もう討伐依頼も終らせてギルドに戻るとこだ。何も困らない。
ギルドが見えてきた。
「きゃーエメク様よぉー」
始まった。耳がキンキンする。鼓膜が破けそうだ。道を塞ぐな。周りも見えない奴が冒険者やってんのか?辞めちまえ。いっそ殺すか?そうだ。目で、言葉で殺す。
「邪魔だ!メス豚!」
「きゃぁー!」
なんで喜ぶんだコイツら。脳みそ湧いてんな。暴言が逆効果になるとは。その手の性癖の女は粘着してきそうで、あー嫌だ嫌だ。
ールビナはギルドの中に入るべく、男の群衆を掻き分け歩く‥そしてルビナはこう言い放った。
「どけ!ゴミ。臭いから近寄んな。」
そういえば最近男が群がる女冒険者を見かけた。あいつも大変だな。俺の様な気分なのだろうけど。女だともっと大変なんだろうな。可哀相に。
この女、群がる男が暴言で離れてくれればいいのだが、逆効果にならないだろうか。
恨み買って、闇討ちでもされなきゃいいが‥。
さて、依頼をこなした後の酒は美味いんだ。今日はいい酒が呑めそうだ。
またあの店に行こう。
ールビナもエメクの暴言を聞いていた。
ふっ!言うじゃん。でも恨み買って、闇討ちされても文句は言えないよね。
それはそうと!依頼を完了したら美味しいご飯を食べよう!
早く報告に!
「お疲れ様です。ルビナさん。相変わらずルビナさんのファン、凄いですね。」
ギルドの受付嬢のミランダはとってもいい笑顔で言ってくる。殺してやろうかこのアマ。
「そうなんだよね。何とかしてくんない?」
「そうですねぇ、ギルドとしては何か依頼に支障が出たりしない限りは、問題事への介入はしないんですよねぇ」
ギルドのマニュアルでしか動かない、いけ好かないタイプだわ。嘘くさい笑顔も癪に障る。
後ろから一人の男が口を開いた。
「早く」
まるで気配を感じなかったがコイツはさっきのモテ男。
私もギルドの受付嬢に愛想振り撒くつもりもないし、誰かと馴れ合うつもりはない。この女も信用できない。
「報酬お願い。」
「はい。討伐完了、確かに確認しました。報酬の10万ジェルドです。」
討伐の報酬で10万ジェルド儲かった。半分は孤児院の為に。
「エメク様!お疲れさまですぅ~」
ギルドの受付嬢がウキウキで対応している。
はぁ??この女声高くなった‥。私の時と態度が全然違う。きもーい。
さて、孤児院に寄ってから飯屋行くか。
「ルビナ様ァ!」
男が数名私を見ながら、近くの男が名前を呼んだ。
「きもい!」
男は悲し気な顔を浮辺ている。私に何を求めてるんだよ。愚民がッ。足早にギルドを後にした。
孤児院に着いた。教会が管理している孤児院ではあるが、寄付や匿名の支援もあり、建物の管理も行き届いていて、食べ物もあり、孤児達は明るく元気に暮らしている。
「あ!お姉ちゃん!」
キラキラした眼差しで子供たちが飛び寄って来た。
「おお!元気か?三日ぶり!」
ルビナは依頼をこなす度に足を運んでは、資金援助をしている。
孤児院を管理している修道院の長が近寄ってきた。
「ルビナ、お前はお前の人生がある。何も無理しなくていいんだからな。お前のしたい事をしなさい。」
そんな事は分かっている。
「大丈夫だよ!私は好きでやってるんだから。みんなの笑顔が見られてよかったよ。また来る。」
5万ジェルドもあれば一週間は腹いっぱい食えるだろう。さて、飯屋に行くか。
飯屋に近づくと、炭で焼いた肉の香ばしい香りが漂ってきた。街は様々な露店が多く賑わっている。
甘い香り、フルーツや、海の香り、森の湿気た香り。この街には沢山の香りがある。私の育った街。
最近私はまだ行ったことのない穴場を探すのにハマっている。まぁ本当は私のファンがくっ付いて来るのを防ぐ為に、毎回店を変えているのだ。お陰で「隠密スキル」を習得してしまった。
少し薄暗いがお洒落な飯屋を見つけた。とりあえずカウンター席に座った。
「おすすめを。」
は?さっきのモテ男と被った。
私が黙っていると先に注文しやがった。
「あの私も、おすすめを」
「真似すんな」
男がつぶやく。
「は?真似じゃないし。同時だったでしょうが。」
「話しかけるな」
「はぁ??おめえから口出ししてんだろうが。舐めんな!」
血管切れそうだ。何?この性格悪い男は。あーギルドでも暴言吐いてた男か。
「口の悪い女だな。さぞ粗悪な環境で育ったんだろうな。」
こういう奴は相手が切れるとヒートアップするから冷静にならなきゃ。
「冒険者に育ちの良い人っているの?貴方はさぞお金持ちの家で育ったんでしょうねぇ。お金持ちの偉い人がこんな所で油売ってていいのかしら。」
男は酒を飲んでいる。こちらを一切見る事もなく、口を開かなくなった。
むかつく。
ー ルビナとエメクはこれが「運命?」の出会いである事に気づきもしないのである。
私も酒飲むか‥
「マスター、私もお酒下さい。」
ー ルビナは酒が弱い事を忘れていた。
何かが起こるかもしれないというフラグが立った。
※後からイメージイラストを載せたりしています。宜しければ前の話しも遡ってもらえると嬉しいです。
※誤字脱字あるかと思いますが、見つけて下さったら教えて下さると有難いです。
※素人ですので、伝わらない部分あるかと思いますが、引き続きストーリー、イラスト共に愛して下さると嬉しいです。宜しくお願い致します。




