16話:ルーイネンの町
フェンリルを無事討伐。少しの間はヴァイゼ王国から南西の道は安全に進めるだろう。
エメクの戦い方は王国騎士の様で無駄が無く、頭を使って戦闘している。
かっこよかったぁ!おいおい、任務中だぞ。荷馬車から頭を出して風を浴びている。頭を冷やしている。
ルビナは戦いになると女王様みたいになるなぁ!エロいので、闘い中はやめてほしい。
俺だって男なんだ。いくら年上と言えども、あと三年で仙人になるレベルで童貞なんだぞ。
しかしルビナ強いな。弓をかじってると言ってたが、弓の連続攻撃や、弓を二本や三本同時に放つなんざ、誰にでもできることじゃない。本人双剣が本職で、双剣のスピードと威力は対したもんだ。
相当努力したんだろうな。すげぇよ。
「あ!見えて来ましたよ!」
商人のランドールさんが言う。ルーイネンの町が見えてきた。荒廃しているとは聞くが、こじんまりとした普通の町に見えなくもない。
初めての町。ルーイネンに入ると、ランドールさんがお礼を言って笑顔で帰って行った。
エメクと二人きりになった。
「町を見て周るか。宿屋も探そう」
こうして二人で歩き出した。
町に入って手前は普通の町に見えたが、奥へ進むにつれ、町の人の顔が死んでいる。
何か問題を抱えているんだ。飢饉だろうか?露店はいくつか出ている。名産のスパイス。肉の加工品。
野菜や果物がないようだ。
宿屋を見つけた。エメクと入ってみた。宿屋の中で飯が食えるようだ。
「まずは飯と酒だな!」
エメクが嬉しそうに言う。
「あんた、将来腹が出たハゲたおっさんになるぞ。」
「ハゲはせん!‥あー!注文いいか?」
「はい!かしこまりました」
「この町のおすすめの飯何品かと酒と水を一つづつ」
私がお酒飲めないのを理解してくれてる。でも飲めないわけじゃないんだ。飲むと隙が出るから飲まないんだ。
スパイスの効いたスープと米が来た。
「美味しい!」
「なるほど、ランドールのおやじはこのスパイスを卸しに行ってたのか。確かにこれは絶品だ!儲かるよ!」
「もっとこの町も活気が出てもいいのにね」
女将さんが割って入って来た。
「ランドールさんを知ってるのかい?あの人は聖人だよ!危険も承知で他国にスパイスを卸してるお陰で、色々と町も潤ってきてるんだ!まだまだ時間は掛かるだろうけど、この町は昔干ばつ続きでね‥
作物は取れないから時給自足が大変で飢饉に見舞われたんだ。
そんな時スパイスに目をつけて、この町を養ってくれているんだよ。」
「そんな事が‥」
「またランドールのおっさんから依頼があったら俺やる!」
「エメク、子供みたい」
「宜しく頼むよ~!所であんたたち部屋は取ったかい?」
「忘れてた!」
「んじゃ部屋とっておいてやるよ!」
「おお!宜しく」
「はぁ!食った食った!そろそろ部屋行くか?」
「そうね!」
デデーン!セミダブルの同室~!部屋を見てエメクは固まった。女将さんに言うしかない!
「こここ‥これは!女将さーん‥」
「ごめん!一部屋しか空いてなかったんだ!許しておくれ!」
どうする。俺は仙人の修行にと、こういう試練が与えられたのか??
「私先シャワー入っていいかな!」
「あ!はい!どうぞ!」
ルビナは冷静だったな。男として見てもらえているのだろうか。
ベッドに横たわって、今までの出来事を振り返った。
キスした。好きって言った。好きって言われた。両想いでー。
両想い?
本当にそうだろうか。エメクお兄ちゃんが、好きって言ったんでは?
確認せねば!もやもやするなあああ!
「エメク、シャワーいいよ」
「あ!はい!」
すぐさまシャワーを浴びる。早く話したい。
エメク、ベッドに横になってた。暖かい。今日は疲れた。楽しかったな。初めて見る景色っていいな。
「ルビナ‥寝てる‥」
話したい事あったのに。よっぽど疲れたんだな。ぐっすり眠ってる。俺も眠い。
ルビナの横で寝てもいいよね。
朝日と鳥の鳴き声で目を覚ました。
「!となりに半裸のエメク‥。無防備な寝顔。子犬みたい!」
ルビナはそっと頬にキスをした。
「大好き!エメク」
小声で囁く。
エメクは寝たふりをしていた。
「俺も大好きだよぉー!何?寝てると思ってほっぺにチューしたの??ねぇねぇ!」
エメクはガバっと起きてルビナを抱きしめた。
「うっざ!チューって!子供かい!離せ~」
「離さないよぉ~」
エメクは心配そうな顔で真剣な話しをする。
「俺とこれから一緒に居てくれないか?」
「私でいいなら‥」
「やったーー!」
「何がそんなに嬉しいだか‥」
こうしてヴァイゼ王国へ帰還するのだった。




