13話:新装備
ー 昨日は色んな事があった。ミランダの不正が発覚して追放されたり
私はAランク冒険者になったり、エメクが孤児院で大好きだったお兄ちゃんだったり‥
頭が混乱していて整理がつかない。
しかも!明日はエメクと実質デートではないか!!
「あぁー!眠れねぇ」
どんな装備があるかな?エメクはどんな装備を着るのかな?騎士様っぽくなったりしたら、もっとモテてしまうんじゃ‥。心配。
心配?なんで?別にエメクがモテたって私には関係ないじゃないか。
まるで‥エメクを他人に取られたくないみたいな気持ち‥
独占欲!
いやいや、私は過去のエメクが好きだったのであってだな‥。
今のエメクが好きとか…
好き?
いやいやそんな訳ないんだよ。たった数日で恋するなんて‥
恋?
わぁあああ!!違う!断じて違う!気のせいだ。
寝よ!早く寝よ!
待って、明日何着ていく?
馬鹿か私は、いつもの格好に決まってる。いつ戦いになるかわからないのだから、いつでも戦闘できる格好をするのは冒険者として当然の事だ。
私、顔熱い‥、胸もドキドキする。
冷静になろう。
だってエメクは好きだとか何とか言う女が嫌いだし、きっと私の事も眼中にないだろうさ。
そうだよ。エメクはただの過去の知り合い。割り切らないと‥きっと
傷つく。
ー いつの間にかルビナは眠っていた。
朝日が顔に射す。
「うっ!眩しい!」
「おはよー、ルビナちゃ~ん」
「ちょ!エメク!なんでここに居るのよ!普通デート当日というのは、身支度に時間を掛けてだなぁ」
「ほーん。『デート』ね」
「あー!違う!言い間違いだ!断じてデートとは思っていないが、男性と買い物に行くのだから男性への配慮だ!!…で、なんで居るの?」
「餌持って来た。一緒に食おうかなぁと思って!」
ー 焼きたてのパンの香りがする。
「気がきくな!…って今餌って言った??」
「言ってしまったな。生意気な猫に見えて…心の声が出てしまった。」
「私を猫だと?!」
ぐぅぅ…ルビナの腹の虫が鳴いている。
「貰う!」
「ここのパン美味いよなぁ」
「うん!大好きだ!」
ー キラキラした笑顔のルビナにエメクは思わずドキドキしてしまった。
昔、あんなに可愛い無邪気なルビナちゃんがこんなに美人になって‥。孤児院ではみんなに愛されて育ったのに、冒険者になって、ずっと一人で戦ってきたんだと思うと不憫で‥。
ギルドで見るルビナは、いつも冷たい顔をしていて、笑った顔なんて見たこともなかった。
出会ってから時折笑顔を見る事が出来て…お兄ちゃん嬉しい!
「沢山お食べ」
「だから私は猫じゃない!…エメク、今日は中の胴着は来てないんだな。」
「あぁ、あの胸当てはただの革だったからな。今日新しいのを買うから着て来なかった。」
「ふーん」
ー 楽しみだ。
エメクには先に行ってもらって、私は着替えて待ち合わせの噴水まで駆け抜ける。
「おう!やっと来たか。」
ー きゃっこいい…エメクに群がる女達みたいに同じ事感じるとか!これは私にとって屈辱だ。
見た目に惑わされんぞ!こいつはただのドS男で世話焼きで、無神経だ!たぶん。
「どこから行く?」
「防具屋に行こう!」
ー 防具屋に入った。男性用、女性用、様々な職業の防具が沢山揃っている。
「私も革の胸当てだから、もっと強いのにした方がいいかな?」
「そうだなぁ…お前は双剣士だから、動きやすさも考えた方がいい。これなんかどうだ?この下に革の胸当てを装備すれば防御が上がるぞ!」
「ボディースーツ…でも黒のボディースーツかっこいいし、動きやすそうだ!無駄なラインが無いから、隠密にも向いていそう。これにしようかな!」
「おう!いんじゃないかな!おれは甲冑にしようかな」
「ははは!怪しさ満載!顔隠したら誰も寄って来なくなっていいんじゃない?」
「まーこういう装備がいいのだが、視界が見えづらいのはちょっとな」
「私、これ着てくる!」
ー 黒のピタッと体に密着しているボディースーツ。
ひゃあ、これエロくないか?でも、すっごく動きやすい!全身に目が付いてるみたいに研ぎ澄まされている!後は靴と手袋かな。どうせだから黒にしよう。
「じゃーん!どうかな!」
ー ぶっふ!!エロい!可愛い!エメクは知らなかった。ピーピー泣いてたルビナちゃんの体がけしからん事になっている事を。
「わぁービックリした。すげぇ似合うよ。けしからんな。」
「けしからん、とは?」
「いや、こう、全身きちんと筋肉も付いて引き締まっているのに、出てる所は出てるし、とにかく‥に、似合ってるよ!採用!」
「そう?じゃあ買ってくる!」
ー エメクはどんなの選んだのかな!
「!!」
王国の騎士様の様なぁぁぁぁぁ!!
気品と高潔さ!なんと美しい!美しいお顔が更に美しく見える!
防御が上がると顔面偏差値も上がるのですかぁぁぁ???
「これ、いいな!ちゃんと動きやすい!」
ー エメクは合金の胸当てと肩にピラピラの付いた王国騎士っぽい赤いマント、合金のアーマーガントレットを装備している。
「いいじゃん!似合ってる!」
「そうか?じゃあこれにしよう」
ー 鼻血が出るかと思ったルビナであった。
こうして二人は防具を新調し、防御力、スピード、攻撃力も上がった。
「おやじさん!二人分の会計お願い。」
「え!駄目だよ!私が払うって!そのつもりで買い物に来たのに!」
「誘ったのは俺だからな。っていうか、お前そんなんじゃダメ男に引っかかるぞ。男を駄目にするタイプだな!」
ー やだぁ、エメク、イケメンじゃん。イケメンなのに、イケメンなのか?
「じゃあ、お昼は私がご馳走する…」
「おう!」
ー いい笑顔しやがって。惚れるだろうが!
この後私達は武器も新調した。Aランク冒険者らしく良い装備を身に着ける事が出来た。
もっと強いモンスターを狩る事が出来る。もっと色んな依頼を受ける事も出来る。
世界が広がったみたいで嬉しい!
二人は買い物も済ませ、昼食をすべく露店を廻っていた。
「ふわぁー!どれも美味しそう!」
ー 私はバケットに食いついた。固いパンの中に、加工肉、野菜が入った物。
ルビナに合わせてエメクも同じものにした。
「美味しい!ねぇ!エメク。私、世界が広がった気がする。私の邪魔をする人も減ったし、エメクと出会ってから良い事ばかりだ。依頼の幅も増えたし。本当にありがとう!感謝してる。」
「なぁ。俺、考えてたんだけどさ。」
ー え?告白される?トゥンク…
「お前と一緒にゴブリンキングの討伐、いい連携が出来たと思ってる。凄く闘いやすかった。二人でパーティー組まねぇ?」
ー おう。ビジネストーク!
「確かにそれは私も感じてた。いいよ!だってエメクお兄ちゃんだもん!」
ー ソースを頬に付けて無邪気な笑顔とか!俺のハートが疼くだろうが。可愛い!
「お兄ちゃんはやめろ。んじゃこの後パーティー登録しにギルドへ行くぞ!」
「私がパーティー組む日が来るとは思わなかったよ。」
こうして二人はギルドに向かった。
二人の恋はいつ始まるのだろうか‥
※後からイメージイラストを載せたりしています。宜しければ前の話しも遡ってもらえると嬉しいです。
※誤字脱字あるかと思いますが、見つけて下さったら教えて下さると有難いです。
※素人ですので、伝わらない部分あるかと思いますが、引き続きストーリー、イラスト共に愛して下さると嬉しいです。宜しくお願い致します。




