表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ニートで貯金3546円の絶対に働きたくない僕がtsしたら美少女JDのヒモになった件

作者: あひる3世


「おい! これぐらい自分で考えてやっとけよ! 本当にお前は使えないな」



「なんで勝手にやった! 社会人なんだからほうれん草ぐらいしろよ! そんなことも出来ないのか!」



「俺がいいって言うまで帰るなよ! お前の業務終了時間は俺が決めんだからな!」










「ハッ…!」



 あー、朝から嫌な夢を見た。

 辞めた職場での出来事を思い出すなんて最悪だ。




 新卒で入った会社は僕にとっては地獄のような場所だった。

 上司によって言うことが違うからどうすればいいか分からないし。それで片一方の言うことを聞いたらもう一方の上司に怒られるし。



 しかも、罵倒ばっかで全然褒めてくれないから凄く怖かった。

 だから萎縮して上司に意見も聞きにくかったし、勇気を出して聞いても10分後には言ってることが違ったりして最悪だった。



 だから出勤日は朝から憂鬱な気分で、会社に近づくほど胃が痛くなっていた。

 次の日が休みの仕事終わりは安心感があったけど、出勤日の前日はせっかくの休みなのに朝から少し胃が痛かったのも懐かしい。













「あ〜、幸せ」



 それに比べると今はなんて幸せなんだ。会社を辞めてニートになった僕にはサービス残業も無ければパワハラ上司もいない。



 仕事や人間で関係に悩むこともないし、時間に縛られることもなくて最高だ……




 でも…





「お金がない……」





 そう。

 僕にはお金がもう無い。



「でも働きたくない〜! パワハラも通勤ラッシュも嫌だー! そもそも8時間以上も働くのが間違ってるんだー! しかもそこからサービス残業!」



 しかもうちの会社はほとんど研修が無くて、勝手に各自で勉強しろスタイルだからそこでも時間を奪われてた!



 働きたくない! 働きたくない! 働きたくない!


「でも所持金が3546円〜」



 もういい。

 全てのことは明日の僕に任せよう!







・・・






「ふぁ〜」



 カーテンの隙間から覗く太陽の光を浴びながら僕は起床した。

 朝日に当たりながら起きるというのも中々に悦なものだ。



 こんなに気持ちのいい朝を迎えられるのは仕事を辞めてニートになったからだ。




「あれ?」



 何だか違和感を感じる。とりあえず違和感の正体を考えてみると、体のバランスがおかしい事に気がついた。



「あ!」



 さらに髪も長くなっている。元々の僕は髪を切りに行ったばかりだから、耳にかかるぐらいの長さだった。それがよく見ると腰の辺りまでの長さになっている…



 そして極めつけは服の上からでも分かる巨大な二つの果実…



「もにもに」



 とりあえず揉んでみて弾力があるのは分かった。

 別に現状確認をしただけで他意はない。ホントにホントだよ?



「良きかな! 良きかな!」



 身体確認の為にパジャマを脱いで全裸になる。

 別にこの行為にもやましい気持ちがあるわけではない。



「おー!」



 色々と観察してみたけど、女体はこんな感じになっているのか〜。

 我ながらスタイル抜群だ。胸とお尻は大きいしウエストはくびれている。



「あ、大事なことを忘れてた…」



 僕が女の子を見るときに1番に重要視している大切な部分を忘れてた…



 大事な部分…



 そう、それは顔だ!!



 僕は胸派でも尻派でもなく、顔面重視派なのだ!!



 顔さえよければ何でもいい!



 だって僕は貧乳も巨乳も好きだし、大きいお尻も小さいお尻も大好きだ!

 どっちのスタイルでも興奮できる! だからこそ顔が大事なのだ!



 派閥争いといえば学生の時にそんな話題で盛り上がっていたのが懐かしい。

 その時は美人だけど貧乳な女性か、爆乳だけど超絶ブスな女性のどっちがいいかという多数決を取った。

 


 結果はほとんどの男が美人だけど貧乳の女性を選んでいた。

 やっぱり、どれだけスタイルが良くても顔がゴリラだったらキツイよね。



 つまり僕にとっても本当に大事なのはココからなのだ!

 いくらスタイルが完璧でも顔がゴリラだったは大変だ…



 いざ参らん!!



 スマホのカメラ機能を起動してインカメに切り替える。

 


「え!? 嘘! これが僕…?」






 めちゃくちゃ可愛い!



 腰まである絹のごとく流れる銀色の髪、筋が通った小さい鼻、吸い込まれそうなほど綺麗なルビー色の瞳、薄い桃色の唇、色白で卵型の輪郭。


 

 街を歩けば10人中100人は振り返りそうな美少女だ。

 一瞬、自分が天使にでもなったのかと錯覚しそうになった。



 これだけの美少女になったんだから所持金が3546円でも余裕! 余裕!



 ビバ! 勝ち組人生!!







・・・







「はぁ〜」



 どうも、起きたら超絶美少女になった僕です…



 美少女になったからって人生はどうにかなるほど甘いものじゃありませんでした。

 なんか美少女になったら街でスカウトされたり、ちやほやされるのかと思ったけどそんな事は無かった。



 まあよく考えたら、ちやほやされると言っても、僕をちやほやしてくれる友達なんて居ないから無理な話しだったんだけど…

 あれ? なんだか自分で言ってて凄く悲しくなってきた…



 なんで僕は美少女になったら全てが上手くいくなんて思っちゃったんだろう。



 僕が美少女になってから既に2日が過ぎた。3546円だった僕の全財産はついに1000円を切った。



 別にパチンコとかでお金が減ったわけではない。

 ただ、回転寿司に行ってたら予定よりも食べ過ぎちゃっただけなんだ!



 最初は400円ぐらいで止めようと思ってたんだ…



 でも、タッチパネルに映るメニューを見てたら食べたくなって1000円以上使っちゃった。



 残りの1000円以上はどうしたって?



 それは下着を買うのに使ってしまった。せっかく美少女になったんだからいつまでも男物を履いていたくなかったし、胸は揺れるし擦れて痛いからブラは欲しかった。



 にしても、やっぱりレディースの下着はメンズと比べて高いね。安い下着を買ったけど僕が普段使っていた下着よりも高かった。その代わり女性物の下着の方がお洒落だったけど。



 あとは、店内でスタッフに胸のサイズを測ってもらう時は凄くドキドキした。

 別に下心はないよ? だって女の子初心者の僕に胸のサイズなんて分からないからね。



 そうしてショッピングをして回転寿司を食べたら所持金が1000円切っていた…








「あー、どうしよう」



 公園のブランコを漕ぎながら考える。所持金が減る予定はあるけれど、増える予定が全くない。



 ここ2日くらいはこの公園でブランコに乗って黄昏れるのがルーティンとなっている。



「あー、お金がない…でも、働きたくないよ〜」



 もう働くのは嫌だ。

 買ってもいない宝くじが当たったりしないからなー。



「誰か僕を養ってくれないかな〜」



 冗談混じりに言ってみる。

 願いは口に出さないと叶わないって言うしね。



「じゃあ私に養われませんか?」



「え……?」



 僕の独り言に誰かが後ろから反応した。



 急いで後ろを振り返って見たら、そこには金髪碧眼の美少女がいた。

 しかも、とんでもない美少女で僕と同じぐらい可愛い。tsしてから初めて自分の容姿を見た時に、今まで見たなかで1番可愛いと思ったけど、同じくらい可愛い女の子にすぐ出会ってしまった。



 女子大生ぐらいに見える彼女は肩出しのニットに黒のデニムパンツを着ていて大人な雰囲気が出ている。

 あとは色白で綺麗な肌と鎖骨、ニットを押し上げる豊満な胸がエロい。



「え、と…どちら様でしょうか?」



 とりあえず誰なのか分からないから聞いてみる。



「私は本城寺楓と申します」



「あ、これはご丁寧にどうも。僕は北千住朝陽って言います」



 つい彼女に釣られて自己紹介を返してしまった。

 知らない人に自分の名前を教えるのは物騒なご時世だし良くなかったかも知れない。



「朝陽さんと言うんですね! やっと天使の名前が聞けました! この公園で初めて見たときから2日間も観察を続けて、やっと名前を知ることが出来ました! ああ、同じ空気を吸えているだけで幸せすぎて昇天しそうです! なんて幸福な最後!」



 うん。

 美少女だけどヤバい人かも知れない。



 2日間も僕のことを観察してたとかストーカーか何かな?

 あと、そんなアホな死にかたをしたら親が悲しむと思う。



「あの、とりあえず落ち着いてもらって…」



「は…! すいません、つい興奮しすぎてしまいました」



 とりあえず興奮状態では無くなったようだ。



「それで僕を養うとか何とか言ってませんでしたか?」


 

「そうです! こんなに私の性癖にドンピシャな女の子は初めて見ました! 朝陽さん! 私に養われませんか!」



「…」




 どうしよう…?





 今すぐにでも養われたい!

 



 こんな美少女に養ってもらえるなんて最高と思っている自分と、こんな上手い話しがあるわけないと疑っている自分がいる。



 それに、これはハニートラップかも知れない。

 いや、でも僕なんかにハニートラップを仕掛けても意味なんてない気もするし…



 うーん?

 目の前の彼女から感じる変態性は本物のような気もするし。

 それなら僕もウェルカムだし、僕に悪意を持っているわけでは無いだろう。



「私はイラストレーターとしてお金を稼いでます。だから好きなの物を毎日食べさせてあげられますし、漫画やアニメも好きなだけ見させてあげられます。だから朝陽さんは働かなくても大丈夫ですし、お金の心配もしなくて大丈夫です!」



「…」



「だから私に養われませんか?」








「不束者ですが、よろしくお願いします!」




 よく考えたらお金が無くて働きたくない僕にはハニートラップがどうとか考えている余裕は無かった。



 こうして僕は彼女に養われることになった。



 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ