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悪魔の子に花を  作者: 藤原エイジ
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出会い

出会い



「面倒くせぇ...」

「まぁまぁそんなこと言うなって」

これから英語の講義だ。英語なんてものは巷ではやっている人工知能に任せておけばいいものをなんでわざわざ勉強しなければならないのか、一はそんなことを考えながら席についていた。

今回の講義からグループを適当に割り振られて何時間かに分けて探究活動的なことを行うと通知されていたため一層憂鬱な気分になる。

「さあグループは決まりましたね、では発表を楽しみにしておりますよ。」

グループが決まると教授はすぐに教室にもってきた自分のパソコンをいじりだしてそのまま授業放棄してしまった。

一は男子2女子2のグループに割り振られた。

「薄情な教授だ。グループだけ適当にくじで決めてテーマは自分たちで決めろだなんて...グループづくりが一番大事じゃあないか...」一は小声で文句を言う。幸いなことに同じ班には真也がいた。

「でも今回のグループは神だろ?女の子2人もいるし。」

だから嫌なのだ。周りの男子からはうらめしそうな視線を向けられるが、こちらとしては女子なんてどんなことを考えているかもわからない得体のしれない生き物よりも単純バカの男子だけが集まったグループになったほうが100倍マシだ。

「私高橋真紀です。よろしくお願いします。これから頑張ろ!」

そんなことを話しているうちにグループの女子がやってきた。焦げ茶色のサラサラとしたロングヘアの少し小柄な女の子。初対面の人ともカジュアルに話すことができるコミュ力がある一方言葉遣いは丁寧なため教養の高さを感じる。それに加えて身だしなみは整っていて清潔感がありスタイルも良い美人だ。下手なアイドルや女優よりも美人だろう。

「私は石崎彩香!よろしくね!かわいいでしょぉ真紀ちゃん!」

もう一人は元気っ子だった。ショートヘアのいかにも活発そうな子で自己紹介が終わるやいなや次の話題に入っていった。こちらの方はスタイル抜群、ショートヘアの元気っ子陽キャ、いかにも男性諸君が好みそうな見た目、性格をしていた。美人二人が同じ班にもなれば周りの男子がうらめしそうにこちらの様子を伺うのもうなずける。

「真也です。よろしく!で、こっちが」

「一です。よろしく」

自己紹介くらい一人でできるわと真也を小突くと真也はニヤニヤしながら肩を叩く。

「ふふ、仲が良いんだね」真紀が不思議そうに言う。

「こいつ人見知りなんで仲良くしてやってください」と真也がいう。

「余計なこと言うな」

なにかと面倒見が良いのか気にかけてくれているようだったためあまり強くは言わないでおく。

「ところで二人も仲良いんじゃないの?」真也も女子二人の関係が気になったのか質問していた。

「ううん、さっきはじめましてしたばっかだよ。でももう友達になった!」

「そうなんだ」一は適当に相槌を打ったが内心ではあんなに仲良さげに話していのに初対面だったなんて、流石は陽キャだなんて思っていた。

「早速だけど何について調べる?」真紀が切り出す。

「私、料理がいい!」彩香が答えた。

民族料理やら郷土料理くらいならどこにでもあるだろう。それなら面倒くさくなくていいと一は考えていた。

「俺も料理良いと思うな」真也も答える。

「一さんは何か調べたいものとかある?」

「あ、うん。僕料理でいいと思う」びっくりした。今までこうゆうものは流れに身を任せて勝手に決まったものをとりあえず迷惑がかからない程度にやっていたため、いざ自分に話題が振られるとは考えも知なかった。

「じゃあ料理で決まり!どんな料理がいいかな?」

「国の料理でしょ?うーん...あ、そうだ東南アジアとかアジアの料理!前からちょっと気になってたんだよね。」

「東洋料理良いね!俺も気になる!」

「じゃあそれも調べよう」

真紀が仕切ってくれるおかげでサクサクと事が進んでいく。愛想が良くて美人でその上リーダーシップもある非の打ち所がない彼女にモテない要素が見当たらない。

「他に何か調べたい料理とかある?一さんどう?」

「僕は料理あんまわからないから任せるよ」

「りょーかい。他になにかあるかな?」

「ううーん...東洋の料理調べるんだったら西洋料理とかはどうかな?」

「良いねそれ!真也くんなかなかやるじゃん!」

彩香と真也はお互いいい感じに打ち解けてきたのでいい感じに事を進めることができるだろう。

「じゃあその2つで決定!どんな感じで調べる?」

「やっぱり食べることじゃない?」

「俺も食べたい!」

二人共調べることよりも食べることのほうに興味があるようだ。

「まあまずはどんなものがあるか調べてから行こ!」

「そうだね」適当に相槌を打っておく。外食するとなると多少なりともお金が必要になるため時期を延ばすことには一も賛成していた。

「これ二手に分かれて作業したほうが良いんじゃない?」彩香がふと呟いてそれから

「いいね!そのほうが早く終わるかも」と真紀もその案に賛成した。

「どう分かれる?」

「グッとパ!!」

突然彩香が大きな声を出して真ん中にじゃんけんでいうとパ―を出した。それにつられてほか三人も手をだしてしまった。

一がグー、真也がパー真紀がグーだ。

「やべっ釣られた!」一は思わず呟いた。

「でもすぐ決まったよ」彩香が自慢気に答える。

「そうだね」興味のない感じに答えたが、内心パーを出さなかった自分を恨んだ。

「じゃあ私と一さん、彩香ちゃんと真也さんの二手に別れようか」真紀が苦笑いしながら仕切った。

「役割分担どうする?」

「私、東洋料理やりたいんだけど良い?」彩香は東洋料理に興味があるようだったため自分から申し出た。

「私は良いけど一さんは?」真紀が一に振る。

「僕も別に良いよ」

「じゃあ私と一さんは西洋料理だね」

「うん」

女子と二人で調べ物をするなんて一体いつぶりだろうと思ったがそれ以上にこれから会話が続いて行くのかがすごく不安で仕方なかった。

「では今日のところはこの辺にして帰ってくださいね。発表楽しみにしておりますよ。」教授が授業を終わらせようとしていた。

「そうだLINE交換しよ!連絡とかしたいし」彩香が言う。

結局その日のうちに一は女子二人のLINEを手に入れ、男子2女子2のグループLINEに所属し、チャット上でよろしくお願いしますのLINEを交わした。

中学生以来の女子のLINEに戸惑う一であった。

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