忘れたよ
99話 忘れたよ
「日本海も、見たことだし、帰るか。静たちの取材は予定なかったから大幅に日数オーバーだ」
「ゴメン」
「あ、イヤ、こっちが勝手に決めたから。ね、金沢さん」
「静は気にしないで。私たちは帰って仕事があるから高速乗るわ。貴方たちは、遠野へ行くのよね」
「はい、お世話になりました」
と、頭を下げた時に。
「アレ、アヤ。今チラッと」
ヤバ、見えた。あんた出てたの引っ込んで。
悪いちょっと。
「あ、見えました。ちょっと……」
「アヤ、十円ハゲが出来るほど気を使ってたの?」
「いや、まあいろいろと、悩みがあって」
「おい、静。アヤを困らずなよ、仲良くね。じゃあ」
「静、また電話するわ。アヤ、網切さん元気でね」
「またねっ!」
顔とは思わなかったようだ。良かった。
高速入口近くのコンビニでわたしたちは、別れた。
わたしたちは、岩手へ。遠野を目指した。
「どのくらいで着きます」
「朝調べたら3時間くらいかなぁ寄り道しないで……でも、それはないよね」
網切さん、わたしたちの行動パターンをよめてきてる。
運転しっぱなしの網切さんも休まないとね。
わたしたちは、運転出来ないから。
お昼を食べようと泊まったレストランの駐車場で。
「出たな。スパイ!」
静ちゃんが上を見て。
一反姐さんだ。
幸い網切さんは、気づいてない。
「ああ、お腹すいた。早く店に入りましょ!」
「どうしたの? スパイとか、言ってなかった?」
「ほら、すぱいしぃな、カレーだって。北海道のスープカレーと、どう違うのかなぁと」
「そうか。カレーもいいけど、オムライスも食べたいな」
「あ、カレーオムライスってのあるよ」
岩手に入り遠野へと簡単には行かない。
と。
「バアさんと姐さんにおみやげ忘れた!」
「静ちゃん、今更だよ。東京なら、東京駅で買えたけど、この辺じゃ……岩手みやげしか、買えないよ」
「静、その辺でナンパしてこいババァのみやげだ」
「醜女、バカなコト言うな!」
「仲よさそうなのに、たまにケンカするわよね。まあケンカするほど仲が良いとは言うけど。どうしたの?」
「あ、聞こえた。ケンカじゃないのよ。知人におみやげ買うの忘れたと」
「摩訶先生とか?」
マカさんのコトも忘れた。
「私の少し分けようか?」
「いいよ、何処かで適当なの買って行きます。連中細かいコト気にしないから、ジンギスカンセットでも買います、アレなら北海道でも遠野でも」
さすが静ちゃん、食べ物のコトは。
でも、北海道のとは、ちょっと違うらしいぞアヤ。
気にしないよ、連中北海道の知らないもん。
遠野近くまで来た所で。
「なんか、音がする。救急車?」
「違います、アレはパトカーですね」
「マイクで、なんか言ってる。前からだ」
カーブを曲がって猛スピードのクルマが、曲がりキレなかったのか、スピンして横転した。
そのクルマがこっちに。
「ええっ!」
つづく




