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舞の復讐2

93話 舞の復讐2


 珍しい客だが、面白い。

 ボクは探偵ではないので人捜しはしない。

 今回は人ではないけど。

 そのへんの専門探偵を知っている。


〘偶然ね。その話聞いたところ、その娘を助けたのは私よ〙

「じゃ、一条舞の知人の知人は、紫咲さん!」

〘最近、河童被害なんてそうないもの。名前も一条だったわ。尻子玉を取った河童に復讐ねぇあの娘がね。わかった捜してみる〙



 一条邸。


 簡単に頼んじゃたけど、お金かかるんだろうなぁ。貯金で足りるかしら。


 タリラリラーン♪


 あっ電話だ。

 誰かな、非通知だ。


〘一条舞さんですね。ボクですわかりますか?〙


 この人は占い部屋の稲荷さんだ。


「見つけましたよ」


 ええ、ハヤッ。


〘偶然です。あなたのお母さんの知人の知人は、ボクが頼りにしている人でした。だから、あなたの事件をよく憶えてると、やった河童もすぐに。どうします行きます?〙


「そうなんですかぁ……あのお金は、どのくらいかかります。まだ高校生なもので」

〘ナニもしてないですから、占い部屋の料金+αって、トコですかね〙


 +αが微妙だけど、そんなに大金じゃないわよね。


「行って捕まえてくれるの?!」

〘実は茨城県の、ある沼に居るそうで。行く時は、居場所を知ってる貴方を助けた知人の方が同行します〙


 別の人が来るの。当然、茨城までの交通費とかも。


「あの……+αって、いかほど?」

〘ああ、それ心配なさってる〙

「はい」



 とりあえず、茨城県の取手駅まで来てくれと。

 日曜日、あたしは上野から常磐線に乗った。


 駅前で待ってたサングラスでキャプをかぶった若い娘と、近くに停めたクルマに乗った。


 ドライバーの女性が例の知人らしい。まえは、あたしが腑抜けになっててナニも憶えてない。


「マイちゃんだったわよね、元気になったわね。私、百鬼興信所のヒョン・紫咲です。隣の娘は助手のミサキちゃん」


 助手席に座ったキャプにサングラスの娘は、後ろを向き頭を下げた。


 興信所の人? かあさんは芸能関係の人とか言ってたと思ったけど。

 昨日あらためて、あたしが尻子玉取られた時の事をかあさんに、詳しく聞き出したんだ。

 大丈夫かしら。


「河童捕まえて逆さ吊りにしたいんだって」


「はい、河童は頭の皿から水を出せば弱まると」


「それから、日干しに。食べたら美味しそう。どうミサキ?」

「河童は、あまり美味くない」


「食べたんですか? 河童の日干し」


「みりん干しにした方が、いいんじゃない」

「河童は、鍋の方が」

「スッポン料理みたいな?」

「近いです」


 前の二人の会話は、人の会話?


「あの、河童って食べれるんですか?」


「あ、コレは秘密ね。知られると何処かの島の亀みたいに絶滅しちゃうから」

「亀みたいに鈍くないから。河童は、全滅しないよ」


 なぁ〜ていう話をして、走ってたら、問題の沼に。


 沼のトコに「カッパ注意!」の看板が。

 川とかでも、見たことがあるけど。


 沼の周りの林に入る小道に行くと奥に祠が。

 その前に男が。

 あれは!


「阿部川!」


 こいつだ、こいつがあたしのアナルに手を入れて。


「マイさん、ごめんなさい」


 と、安倍川は、土下座をした。

 そして、その前に紙と手が!

 よく見ると土下座した、安倍川の右手が無い。


「まえもって、連絡したの。そしたら詫び状を書くとカレ」


「マイさん、この手はあの時、尻子玉を取った手です。どうぞ、おうさめください」


「河童の手なんか、いらないわ!」


「お嬢ちゃん、もらっておきなよ。河童の手はイイお守りになるわよ」


「もうしませんから、許して下さい」


 って、安倍川の姿が、服を着た河童になっていた。はじめて生きた河童を見た。

 妖研の連中に自慢できる。


 河童の詫び状って、よく河童の文献で見たわ。

 ホントに書くんだ。


「わかったわ、あたしも死なずにすんで、元に戻れたし、珍しい貴重な体験をしました。許す。頭を上げ!」


 あたしは、詫び状と河童の手を受け取り帰宅した。


               つづく

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