内山田健太郎の帰路
89話 内山田健太郎の帰路
帰りは歩く気がしなくて、ワゴンに乗せてもらい札幌に帰る事にした。
UFO写真は撮れなかったが妖怪写真が撮れた。
が、確かめるつもりで再度見たら、無い!
あの「一反姐さん」とかいう妖怪が写っていた画像が一枚も無い。
やられた。心霊現象とか、研究してるとよくあることだ。仕方ない。
でも、彼女らは。
一緒に画像を見てる証人はいる。
「オジさんって、UFO研究家なんですってね。聞いたわ。あたしも、UFO見たことあるよ」
デジカメの画像を見てたら隣の席の若い娘が話しかけてきた。
このワゴン車は、なんでも北海道の自然愛好家たちのサークルの会員たちだと。
ちょっと、原宿あたりをフラついてる娘ぽいっ。
「そうですか、よかったらその話聞かせてもらえません」
「いいよ、ねぇコレ本に載ったりするの?」
「体験しだいだね。最近じゃ発光体スマホで撮ったくらいじゃね。よくテレビでも見るでしょ」
「体験……宇宙人に拉致されて解剖されたり」
「そんな、体験してたら本どころじゃないな世界中から出演依頼がくるよ」
「ホントに! 一度さらわれて見ようかな」
「で、どんなUFO見たの?」
「それがさ、クラゲみたいなヤツでさ、脚みたいなのが、いっぱい垂れ下がってて、ゆらゆらと」
「クラゲみたいの……それは珍しい。そいつはUFC、未確認飛行生物だな」
「UFOじゃないの」
「未確認飛行物体だから、UFOだよ。でも、珍しいタイプだから、見た日時と場所教えて」
意外な収穫だ。
「UFOなら、わたしも見たよ」
「宇宙人を見た」
「熊の霊を見たよ」
周りから続々と超常現象情報が。
北海道まで来たカイがあった。
あの妖怪といい、モデルの静さんといい、良い収穫が得られた。
たとへあの画像が消えても。
札幌に着き。空港へ行くタクシーで。
「お客さん、北海道へは旅行で?」
「まあ仕事みたいなもんだが……」
「そうですか」
「運転手さんは不思議な事とか体験した事あります。あ、私ねそういうの聞き集めて本書いたりしてるんです」
「そういうお客さん、たまに乗せますよ」
同業者だ。最近、多いからな。タクシーの運転手さんなんかは、いい相手だ。ネタも多そうだし。
「できれば、人に話さなかったのを」
「なら、この前乗せた客が河童でした」
つづく




