どっち
85話 どっち
網切さんに出会ったおかげで、北海道の旅はスムーズに。
浜頓別から、名寄へ。そして紋別。網走まで来た。
さて、網走から知床方面に行くか、釧路を目指すか考え中の静ちゃんが。
「ユイ、どっちのコースが、面白いかな?」
「海か山かですね……」
「知床半島、私は学生の頃一度行ったわ。まあそれなりの観光地よね」
と、網切さん。
「そうですかぁ。意外とわたしたち観光地避けてるよね」
妖怪だし、人の大勢居るトコは避けてる。
「つもりだけど、美味しい物は観光地に多いわよね」
「でも、岬の方はまだ寒そう。ココもだけど」
「だから、行ったでしょ関東と同じく考えちゃダメって。あんた薄着すぎるよ」
「ええ、金沢さん。コート貸して」
「私はコレしかないから」
「天野さん、私のコート貸します」
「おおコレ、ノラクロのダウンだ。サンキュー網切さん。嬉しい。静たちって、そんな薄着で寒くないの」
「あたしら、東北で。なれてるから」
本当は、わたしたち人じゃないからよね、静ちゃん。ユイちゃんも。
「海の方は、風があるから山の方が暖かいよ」
「そうなの……暖かいのか山は」
あ、ユイちゃんの暖かいは、人とは違うよシズカさん。
「静、山行ってジビエ料理食おう。クマとかシカは美味しいユイちゃん?」
「う〜ん。あたし、食べないから」
「ユイはベジタリアン?」
「なんです。ソレ? 基本山菜ですから、あたし」
モモンガ妖怪は肉は食べないのかな。
木の実が主食かしら。
「山へ、行くとクマ出るよね。さっきもニュースでやってた」
「大丈夫、クマは友だち」
「そうらしいね。あたしたちは直接見てないけどクマと話してたと。でもクマはプーやパディントンみたいのばかりじゃないでしょ。昔凄いのが人間襲った事件あったよね」
「クマの事件の方がリアルよね。シズカ、プーは縫いぐるみだし、しゃべるパディントンとかの方がありえないから。どうする。実は取材プランでは、知床入ってるの」
「じゃ山と海で別れましょうか」
結局、釧路で合流で。
金沢さんたちは知床方面へ。
わたしたちは、北見を目指した。
つづく




