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なにかの縁かしら

80話 なにかの縁


「マジで」

「行きたいとこまで行くわよ」


「それじゃ稚内まで」

「ユイちゃんは、どうする。どこまで行くの?」


「連れて行ってもらえるなら北海道一周したい」

「そうか、じゃ行けるトコまで一緒に行こうか。いいよねアヤ」

「いいんじゃない」


 まあ、本当はふたりきりがイイんだけど。

 


〘え、もう稚内着いたの。ハヤッ〙


 稚内取材中の二人と連絡とった。


 そして、ヘビヅカヤの稚内支店に。

 網切さんは、本館へ。

 わたしたちはパスのウソで妖怪別館へ部屋を取り、稚内の街へ。


 金沢さんたちとは夕食の約束で、あるレストランを予約した。

 ソコで合流。


「網切さんは、いつもかけてるの。そのサングラス」

「まあ、ほとんど」

「夜の運転でもかけてたよね」

「もうクセみたいな物で、サングラスしてないと下着つけ忘れてるみたいで」


 と、言いながらサングラスをはずした。


「あ、青い」

「私ね、ハーフなのよ。母親がアメリカ人で、ブロンドに碧眼なの。私、顔はお婆ちゃん似で、日系なんだけど目が母親似でね」

「肌も白いわ。東北の色白とは違う感じ。でも、青い目見せられると、やはり外国人ぽいっ。マリアはわかるな。ねえマリアって呼んでいい」

「いいわよ」


「ねえユイちゃんは、人間のお友達とか、いないの?」

「いるよ。森のそばの家の子供たち。よく一緒に遊ぶんだ。今はなんだかで、札幌の親戚の家に行ってる。だから寂しいんだ。やっぱり人間と遊ぶのは動物たちとは違う楽しさがある」



 一夜明けて。

 猿払方面へ。


「あの二人、いいクルマ乗ったね。面白いね、一度乗ったクルマって縁が出来るんだな」

「私たちもそうね。なぜか、何度も会っちゃたじゃない」

「なんだろな、前世とかの縁で命の恩人か、なんかで今世であたしらが恩返ししてるとか……」

「前のクルマのドライバーもかもね。あの人も静たちに縁が。なんか、一人増えたのも……梁山泊の百八人みたいな」

「それは、多いよ金沢さん。せめて、八犬伝だよ」


 猿払を越えクッチャロ湖を目指して走ってると。

前の静たちの。


「クルマが停まった」

「どうしたんだ?」


   トゥルルル


「どうしたの?」


〘前にクマが、出て来たのよ〙


「熊だって、金沢さん!」



「ヒグマね、あっ子熊が出てきた。ヤバいかも。静さん、後ろのクルマにバックするように言って!」


「大丈夫、待ってて」

「あ、ダメよ出ちゃ!」


 助手席のユイちゃんが、クルマから降りてクマの方に。


「あ、親グマがこっちに!」


 わしたの体が勝手にクルマから降りた。裏アヤが。


「どうしょう。静さん二人が」


「大丈夫よ。多分……」


 動かないでアヤ、見てユイちゃんが、クマと話してる。


 クマは子熊と森の中に入っていった。


 ユイちゃんは振り返り、わたしを見て笑った。


「道に出たらクルマが通るから、危ないと言ったの。お腹がへってるというからリックの木の実あげて森に帰ってもらったから」



「ねえ、あのコ。クマと話してたわよね……。私は何を見たのかしら?」


「ナニも見なかったコトにした方が楽よ」


              つづく

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