猫女
79話 猫女
百夜モデル事務所。
「おはよう」
「おはよータマ、映画のオーディションの結果来てるよ」
社長が、白い封筒を私に。
「どう?」
「あせらない、あせらない。今開けますから」
紙が、一枚。
「合格、連絡して。って」
「足洗らしいわね。電話するよ」
うけたオーディションは、今度の新作妖怪映画のキャラクター。
猫妖怪だと、社長が私を推薦した。
顔見せオーディションだからと先日行ってみた。
「タマ、つながったよ。あんたはイメージ通りだとさ。あ、今、代わるわよ。はいタマエ」
都内、飛縁魔邸。
凄い雨だ。
「びしょ濡れだ。傘なんて役にたたない」
「よく拭いて上がってよ」
「は~い」
普段ろくに掃除しないのに。濡れるのは心配するんだな。
もう暖かくなったのにまだ、コタツに入ってる。
「たこ焼き買ってきた。雨だと買物に行けなくて、昨夜からナニも食べてないの」
「買ってきましたよ。あそこ雨でも並んでますから濡れましたよ。最近雨にやられるな。『濡れ濡れ』は、祓ってもらったのにな」
「濡れ濡れ?」
「妖怪です」
「いやらしい名の妖怪ね」
「そういう意味ではなく、雨に濡れる」
「そういう意味とは、どういう意味だ高田くん」
と、飛縁魔みずちは笑いながら。
からかわれてる。まあいつもの下ネタだ。
「高田君、今は梅雨だし、近くに台風もきてるらしいじゃないの雨を妖怪のせいにしては、ダメよ」
「あはは。ですね。このまえ赤名めじろ先生のとこで妹さんに会いました。そっくりだったから先生と間違えちゃいましたよ」
「あのエロモデルまだやってるのね」
「あの、飛縁魔先生の次の作品の挿絵を描きたいと。あの二口女の話をえらく気に入ったようで赤名先生」
「挿絵……。勝手に」
「で、いつもより早めに原稿を」
「面倒なジイさんだなぁ」
つづく




