札幌に来た
66話 札幌に来た
今、わたしたちは黒い服の二人のクルマに乗って札幌へ向かってる。
「シズカ、金沢さんにLINE入れた方がいいよ。現在、札幌へ進行中って」
「ああ」
前の席には男たち。後ろはわたしたち三人で乗ってる。幸い大きいクルマなので余裕で乗れた。
「姉さん、高速入ります?」
「普通の道路でもいいわよビンボー旅だから」
「大丈夫です。料金は私が」
「そう。ありがとう」
高速へ入って約二時間ちょとで札幌に。
「では、姐さん。お気をつけて」
二人の黒い男たちは私たちを降ろすと、室蘭方面に帰った。そのクルマをシズカさんがデジカメで撮ってる。
「静ちゃん、けっきょくあの二人はなんだったの?」
「なぁんてことない古ギツネよ」
「キツネだったの。ケモノ臭いとは思ってたけど」
「ケモノだけにあたしらより先に向こうが気がついたのよ。シズカの声で来たんじゃなかったのよ」
「クルマに乗ってて拉致されるんじゃないかとハラハラしてたわ。静は奴ら何者だか、わかってたの?」
「北海道の化けキツネよ。なんでも知人の葬儀の帰りだったそうよ。で、あんな格好で」
「キツネ……。葬儀? でもさぁなんで静を姐さんって言ってたの?」
「あれね。あたしがキツネと見やぶったから、どこかの巫女さんだと思ったみたい」
もちろんウソだ。
「巫女……」
「稲荷巫女とか。まあでも早くこれて良かったわね」
「静ちゃん、あれ見て!」
「え、あれは、ヘビヅカヤ。北海道にもあった」
「ああ、ヘビヅカヤホテルね。あそこ何処でも大きな都市ならあるはずよ知らなかった?」
「東京だけだと思ってた。あそこ素泊まりならただで泊まれるんだ」
「ええ、そうなの」
「でも、あたしらだけなんだよ」
「なんで?」
まさか、妖怪だからとは言えない。
「東京で長居したからカードを一枚づつもらったんだ。でも泊まれるのは別館で、お風呂や食事は有料なんだ」
「そうなんだ。じゃソコに予約しとこー」
さすが静ちゃん、うまいことごまかした。でも、あそこにも別館あるかしら?
予約を入れにヘビヅカヤへ行って見た。
新しいホテルだ。キレイなロビーだ。
シズカさんが受付に行ってる間に別館の受付を探したが見あたらない。
「あそこに小人がいる。聞いてみよう」
「あなたコロボックルね?」
「ああ、そうだよ。おいらが見えるあんたらは妖怪だね」
「ココに泊まってるの?」
「そうだよ」
「ここ、妖怪タダの部屋あるよね」
「ああ、受付でカード見せれば部屋に案内されるよ」
「ガード?! そんな物ないわよ」
「なら、受付でもののけ部屋と言えば」
「ありがとうコロちゃん」
「コロちゃん……」
「あ、シズカ。あっちで待ってて予約してくる」「まだしてないの」
「すみませんトイレに行ってたから」
受付は男の人だ。
「もののけ部屋なんですけど空いてます」
「もののけ……ですか。カードはございますか」
「いえ、北海道は、はじめてだから」
「おつくりしますかカード」
「ソレ、どこでも使えます。東京にはなかったわ」
「最近出来たんですよね。東京も今ではあるはずです」
「じゃふたり分」
話を聞くと。北海道は旭川、稚内、釧路にもあるそうだ。
何処からでも札幌の部屋へ戻れるのだが。戻ると札幌にしか出られないそうだ。
だから、他のホテルはソコの部屋に泊まるよう言われた。
しかし帰る時は一瞬で札幌に帰れるので便利だ。
手続きが、済んだので札幌の街へ出た。
つづく




