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新たな客

65話 新たな客


「おじゃまするよ。ほら、芋をもらったから」


「また、得体の知れないのが来てるぞ河バア。おかっぱ頭に角を生やした子鬼だ」


「おお、邪邪娘(じゃじゃめ)のヤツ、もう来てるのか」


 河ババァの後から現れたのは久慈姫だ。

 まえは和服だったが洋服スカート姿。

 ますますババァとは言えなくなってる。

 ドコかのアイドルグループのひとりみたいになってた。


「マカ、私に見とれてるな。今度、妖かし坂42でも作ろうかと思ってな」


 42って。どこから?


 たしかに可愛いのだが、ババァなんだよな。

 大分テレビに毒されている。


「あがるぞ。マカ、抱くのは和服のあたいと洋服。どちらが好みじゃ。邪邪娘に見せてこよ〜」


 久慈姫は、オレの返事も聞かず階段に。

 オレも久慈姫と二階に上がると。

 コタツに入ってお茶してた邪邪娘が。


「誰だおまえは?!」


 モデルのようなポーズを決めた久慈姫が。


「邪邪娘、私だ久慈だ。わからぬか」


「久慈姫ババァ……本当か?」


「本当だ、この乳を見ろ」


 久慈姫がオッパイを出した。


「おお、我が幼春のオッパイ」


「わかったか邪コ!」

「そんな風に呼ぶな」

「邪邪コより、楽な邪コだ。イイ名だな。マカ」


「たしかに呼びやすい……」


「天野の家の邪コならアマノジャコだなハハハハハ」


天邪鬼あまのじやく)みたいに呼ぶなよババァ」

「ババァ!」


「相変わらずじゃのぉ。腐れ縁のおふたりさん、こんなんでも仲がいいんじゃふたりは」


 いつの間にか河バアが上がっていた。


「マカのオッちゃん。いつになったらテレビが見れる」


「勝手に見てろって言ったのに……」

「どうやって見るんだ?」


 オレはコタツの上のリモコンを取りスイッチを押した。


「おお、キレイだな。昔見たテレビとは大違いだ」


「昔、いつ頃だ」


「よく、覚えてないが。げっこーなんとかっつーのを見た」


「なるほど昭和。戦後だな」


「そうなのかマカ」

「月光仮面だろ、テレビを庶民が見出したのは戦後だから昭和の三十年頃かな……オレは生まれてない」


「マカとやらは妖怪じゃないのか。なんでまた人間のウチに集まってテレビを見てるんだ久慈バァ」


 久慈姫は河ババァを見た。


「二口と二面のおかげだ。そやつらが人間と友になった。で、この家が開放された」


「友までは、あってるが開放は違うぞ!」


 そこへトントンと窓を叩く音が。

 一反姐さんだ。窓の鍵をおろした。


「北海道まで行ってきた。あそこは広いから静たちを見つけられなかった」


「そうか、ご苦労さん。中に入ってお茶でも飲んでけよ」


               つづく

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