ヒッチハイクでゴー
61話 ヒッチハイクでゴー
北海道上陸。
函館で一泊、明日の朝出発。
このままでは面白くないと、静ちゃん。
函館からヒッチハイクして先に進むコトに。
「でさ、シズカは密着取材として、二人についてって。私は別の取材を進めるから、とりあえず目的地を決めて落ち合おう。まず室蘭目指そうか」
と、いうことで、明朝。函館の街から出るクルマを見つけて、頼んでみた。
「いざ、ヒッチハイク。同行してみると、つかまらないもんだなぁ」
「簡単だと、思った?」
「美女二人が歩いてれば、向こうから『ドコ行くの、乗る』とか、声かけられると」
「そんな、軽いヤツあぶないよ」
「三人だと、むずかしいのかなぁ」
「じゃ、あたい隠れてようか。クルマ停まったら出てって取材で〜すとか」
「そ~ゆーのテレビで見た」
「まあメジャーな番組ならね。いいけど三流旅雑誌じゃどうだか」
「おねえちゃんたち何処まで行くの?」
クルマが停まった。
「おっ来た」
顔を出したのはちょっと赤い顔した中年のオジさん。赤ら顔大丈夫なの? まさか飲酒運転じゃないよね。
オジさんはわたしを見て手招きした。運転席側の窓へ行くと人相が変わった。
「二面ちゃん、俺だよ忘れた?」
「メドチのヒュー五郎さん? あなたは、遠野出て北海道に来てたの。そういえばツガルという海峡守りがカッパが何匹か渡ったって」
わたしは静ちゃんのトコへ戻り話した。
「シズカ、前に乗って。あたしらは後ろに」
だね、後から見られたくないもんね。
とりあえず髪で隠してるが何があるかわからない。
「室蘭まで乗せてくれるって」
「オジさんありがとう」
「まだ、寒いだろう外は、三人旅かぁ。おねえちゃん、一番可愛いな。俺はあんたみたいな短い髪の娘が好みでね」
「そうなの、後の二人はロングだけど、あたしより美人だよ」
「あんたも、なかなかだよ。良かったら俺の嫁にならないか」
「あ、いや無理。あたし、結婚してて子供が二人いるから」
「そうなの! シズカさん」
シズカさんは、振り返り人差し指を口にあてた。
ウソか。
「アヤ、遠野のカッパもスケベそうだな」
静ちゃんは、前には聞こえない声で。
「旦那と子供なんて捨てちまえよ。オレと北海道で暮らさんか」
「オジさん、ストレートだね。でも無理」
「そうか……」
「後の美女はクドかないの?」
「タイプじゃないんだ」
「あたしら、カッパにフラレたよアヤ」
「オジさんは、メドチでな、津軽海峡を泳いで渡ったんだ」
メドチのヒュー五郎は、ふざけてるようで、いろいろ語ったが、すべて真実だ。
室蘭に着いて。街の大きな駐車場のあるレストランで降ろしてもらった。
「悪い人じゃなかったけど。変なオヤジだったな。ねえ、メドチってナニ?」
「東北の古い言い方のかっぱだよ」
「あのオヤジ、自分はカッパと話してたのか……変なオヤジ。あ、金沢さんに電話しないと。もう着いてるかな」
つづく




