表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/100

信楽ふくろ

60話 信楽ふくろ


「一条、マイちゃんの様子はどうだ」


「はい、おかげさまで。まえと変わらずに学校も行ってます。ホントに河童っていたんですね。娘が尻子玉抜かれるなんて驚きました」

「実は俺もだ。あの紫咲は、信用できる人だ」

「人……。あの人、本当に人なんですかね。ああ話は変わりますが私、マイが卒業したら引っ越すつもりなんです」


「そうなのか。場所は決まってるのか?」

「はい。私の実家です母が一人で暮して居るんで。あ、実家は千葉ですから会社はやめませんよ副編」



 都内某高校。


「部長。姉はもう部活はひかえると、受験勉強に集中したいから、あとはわたしに任せると……」


「任せる? そうなんだ高野先輩はけっこう熱心に妖怪研究してたもんね。多分妖怪知識は部で一番よ」


「いやいやいや、ボクも負けてません、小学生の頃に妖怪アニメにハマってからは……」


「姉は幼児の頃から妖怪を研究してました」


 と、高野ひじりは、カバンからノートを取り出した。古いサンリオのノートだ。

 だが、今のとキャラが少し違うような。

 偽物かしら。


「コレは姉が小学生の時に書いた妖怪分布図です」


 ノートには折込みページが作ってあって、かなり雑だが、日本地図が書いてあり、各県に妖怪の名が書いてある。


「似たようなのボクも作りました。小6の時に」


 復路、やたらと張り合うな。


「姉が言ってました。北海道に『ルルコシンプ』という妖怪が……コレは偶然ですか? 妖研に同じ名の部員がいると」


「ルルコシンプ。あ、アイヌに伝わる妖怪ね。ウチの両親は北海道だから、シャレでつけたのかも。たまたま姓が新婦だったから……。あ、それより。まえから気になってたんだけど。こいつ複路。ふくろさかりって、名前は袋下がり、『袋さげ』みたいだよね」


「なんですソレ?」

「知らない?」


「ボクは聞いたことあるけど……ふくろさげは」


「ウチのジイさんが言ってたんだ。信楽焼きのタヌキは知ってるよね」

「はい」

「アレは『袋さげ』がモデルなんだよ。復路は多分妖怪だぬきだよ」


「ルルコ、ボ、ボクの玉袋はあんなに大きくない! それに、『ふくろさげ』はタヌキじゃないと……ジイさんの作り話だよきっと、ソレは」


「ほら、下品だろ。こいつの正体はタヌキなんだ。どう思う」


「そうかも……」


「そんな、わけないでしょ。タヌキが東京の高校通えますか? 戸籍もちゃんとある。それに高野さんまで、そうかもって」


「なに、そんなにあわててんのよ。やっぱりタヌキ。体型なんか信楽焼きじゃない。明日から『信楽ふくろ』と改名しなさいよ」


               つづく

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ