縁がない?
56話 縁がない?
ここね、「百夜モデル事務所」。
ネットで調べた「静」の所属事務所だ。近くまで来たので寄ってみた。
事務所に行けば会えるというわけじゃないけど。
「なにか御用ですか?」
女の子、いや背が低くて童顔の女性だよね。
「あの、ここの方ですか?」
そこへドアが開いて女性が。
「カサちゃん、お弁当買ってきた? あら、お客さん?」
女性は、このモデル事務所の社長さんだった。
用件を言うと。
「静ね、田舎に帰っちゃたの。まあ細かい個人情報はね、言えないから」
当然だ。
東京には居ないらしい。
縁がないのか。
「田舎……遠野に帰ったんですか?」
「だからね……」
「わたし、知人で。会いに来たんです。遠野では東京じゃないかと」
「そうなの……また、何処かで会えるんじゃない。ごめんね。忙しいから」
仕方がない帰ろう。今日はバイトだ、またお金貯めて遠野に行ってみるか。
バイト先に行くのに地下鉄に乗ったら。
あ、「地下鉄のサリー」。
白いロリータ・ファッションの少女。
「地下鉄のメリー」とか、「深キョン」とか呼ばれてる稀な人。
わたしは二度目の目撃。
最初見た時に友人の沙莉に似てたからサリーと呼んだ。
髪がショートの茶髪の巻毛で、昔の漫画でアニメ化された魔法少女にも似ているのもある。だからサリーとわたしは呼ぶ。
彼女がコツコツと日傘をついてわたしの前まで来て止まった。
「あなた、キレイな青い目ね。その瞳に映ってるの、妖怪? 最近、変なもの見た?」
え、最近。一反姐さん見たのは、もう大分前だ。
最近とは言えない。
わたしは、首をふった。
女の子よね。近くで見たら、厚化粧の子供に見える。が、なんだか威圧感がある。
この子が妖怪ではないのか。
彼女は歯を見せて笑うと。
「最近の妖怪はさ、人間とくべつが、つかないから会っても、わからないのよね」
「あなたは、人間?」
「人間よ。あんたがあった妖怪は、害はないから大丈夫」
と、言って次の車輌に行ってしまった。
くべつがつかないって、会ったのは、モデル事務所の人とあんただ。
あんたが一番妖怪ぽいっ。
さて、次のフィールドワークは、何処へ行こうかな。
コロボックルとか、見てみたいし北海道でも行ってみるか。
つづく




