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54話 共通点


「ねえどうする。高速乗って一気に行っちゃう。それとも」

「取材も兼ねてるから静たちのルートで行こうか」


「行きは高速入ったけど、帰りはゆっくりと国道よ。まあ早いのもいいけどゆっくり旅の方が面白かったわ。マレビトとか福助にあったよねアヤ」


「そんな、普通の人じゃ出会わないよ。静ちゃん」


 わたしは前の二人に聞こえないように言った。


「福助ってあの頭がでっかい。マレビトって、ナニ?」


「マレビトは自分でもナニもわからない変なヤツで歌いながらフラフラしてんのよ」


「静さんは、霊感とか強いんだね。私の知ってる霊感小説家に会わしたいわ」

「あのオバさんは静と合わないよきっと。暗いもん」


 金沢さんの知り合いの霊感小説家オバさんって。


「オバさんは、可哀想よ。あんたと同じだって」

「いや、一度会ったけどさ。聞いて静。あの人、同窓会とか行ったら先生にしか見えないよ。二十代には見えないよ金沢さん」


 歳の話は静ちゃんにふらない方が。


「逆にいい歳してても子どみたいのもいるから。アヤなんか高校生の頃まで電車とか、子供料金よ」


「静ちゃん、わたし高校とか、いってない」

「しっ、人間として話合わせてるだけだから」


「でもさ、童顔は得するけど、子どもの頃、老顔とデカいヤツは損するよね。小六の時にいた、デカいクラスメートは、何でも大人料金取られてた。でさぁそいつ坊主頭だったから『見上げ入道』ってあだ名だった」


「見上げ入道かぁ。昔会ったかな」


「え、本物に!」


「うん、あいつ見かけによらず真面目なヤツでさ」


 ソレはいいの静ちゃん?


「ねえ、金沢さん。美女ヒッチハイク旅より、『美女妖怪旅日記』も面白そうだよ」

「ええ、私もそういうの好きだな。別の出版社に企画持ち込んで出してみたいね」


「ああ、そういうの出すなら、『幻想文学エンタ』とかいう雑誌出してる……。アヤ、あの会社なんてー名前だっけ?」


「幻想エンタなら隠里(かくれざと)社よ。そうねぇあそこはいいかもね。幻想エンタ読んでるの」


「いや、あたし活字苦手だから。アヤは読んでたよね」

「気が向いた時だけ、だけど」

「知り合いが書いてるの」


「そうなんだ。さっき言ってた霊感小説家の知人もたまに書いてるのよ」


「読んだコトないけど、あたしの叔父さんもそれに書いてるとか親父が言ってた。興味なかったから名前とか聞かなかったけど」


「へえ〜なんか面白いね。そんなトコにあたしらの共通点があったのね。あ、ちなみに知り合いは、飛縁魔みずちって」

「静ちゃん、マカさんも」

「あと、摩訶富仕義っていう遠野在住の作家」


「あら、二人共レギュラーじゃない。私の知人は文車草子(ふぐるまそうこ)っていうの。本名なのよ」


「倉庫……。なんか妖怪文車妖妃みたいな名ね。ごめん、その人、知らないわ」


「いいのよ。ほんと、たまにしか載ってないから」


「あ、わたし読んだことあります。その人。たしか『文車妖かし手帳』とかいうエッセイ書いてましたよね」


「そう、そのエッセイはレギュラーで載せてるの。小さなコーナーよ」


「『あやかし』ってタイトル入ってるから目についちゃうんです」


「それ、やっぱりレーカンネタ?」


「まあそうね。短いからシズカたちも読んでみて」


                つづく

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