地下鉄の深キョン
53話 地下鉄の深キョン
「アマメ。それは雨女と書く。雨の日に出る妖怪よね」
「雨女って、何処かへ遊びに行ったりすると雨になるコのことじや」
「まあ世間では今は、遊びに行く時に迷惑がられてる女よね。なかには『わたしぃ雨女なんですぅ』とか特技みたいに言う女もいるよね。アレ、ナニかしら。自分を中心に世間がまわってるとでも思ってるのかしら。雨女なんて偶然が重なっただけよね。アマネは逆で雨だから出てくる妖怪だから。雨を呼ぶ方じゃないわ」
「なるほど。ロリータは濡れ濡れはアマメの一種だと。濡れ濡れって、ヤツはナニしに現れたのかなぁ」
「ロリータのコが言ったんでしよ。雨に気をつけてって。それ言いに来たんじゃない」
「なんでボクに」
「それは、知らないわ。濡れ濡れさんに聞いてみないと。高田君に惚れたのかもね。でも、『濡れ濡れ』。はじめて聞いたわ。『ぶるぶる』みたいだね」
「そんなのも、いましたね。あと、やっぱりあのロリータのコも気になります」
「おい、なんの話だ。高田、ロリコンだったのかぁ」
奥のデスクで、仕事していた副編集長が。
「違いますよぉ。すごくキメキメのロリータ・ファッションのコに会ったんです」
「白いヤツか?」
「知ってるんですか?」
「見たことは、ねぇけどさ。噂で聞いた。最近地下鉄に現れる白いロリータの美少女」
「見たっていう友人が『地下鉄の深キョン』とか言ってたな」
「地下鉄の深キョン?」
「見てないか、深田キョーコがロリータ・ファッションの主人公演じる映画。あっただろ」
「ああ、ありましたね。なんだっけ」
「『下ネタ物語』」
「副編集長ぉソレ、わざと間違えてません。『下仁田物語』じゃなかった」
「違う、ソレはネギだろ」
「『下妻物語』ですよ。中学生くらいでしたっけ、アレ見ましたよ」
「そんな前だっけ。俺、この前DVDで見返したばかりなんだ。『地下鉄の深キョン』の話聞いてさ」
「副編集長、DVD持ってるんですか。深キョンのファンなんだ」
「昔はな」
「私の友人も見たって。「地下鉄のメリーさん」って言ってたわ」
「それは、もっと古いな。それにメリーさんは、婆さんだ」
「メリーさんって。なんですか?」
「面倒だから唐沢に後で聞け」
「地下鉄の中なのに日傘さして歩いてたって。何者かしら?」
「簡単に言うとロリータ・ファッションのレーカン美少女ですかね」
「まんま、言っただけじゃない」
つづく




