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深夜のラーメン屋台

43話 深夜のラーメン屋台


 銀座に深夜しか現れないラーメン屋台の噂が。


 ラーメンに、こりだした静ちゃんは、噂に聞く深夜ラーメンを食べたいと。

 深夜の銀座に。


 銀座と言っても、銀座のドコに現れるかもわからない。

 幸い有楽町駅近くにヘビヅカヤが、あるので、泊まり。

 昼間いろいろ食べたのに、深夜ラーメン屋台を探しに銀座に出た。


 田舎と違い深夜一時すぎでも明るい。

 街灯だ。べつに太陽が出ているわけではないのは、わかるよね。

 ろくろ首姐さんのトコは稼ぎ時じゃないのかなぁ裏アヤ。


 だろうね。

 閉まる直前に顔出しとこうか。


 それがいいかも。



「らくろ首姐さんなら、なにか情報知ってるかも」

「この時間は忙しいから悪いよ」

「まあね……噂だと妖怪じゃないかと、ラーメン屋台」

「え、屋台自体が?」

「朝、偶然会ったネコが言ってた。昭和にも出た『夜泣き麺車』じゃないかって」

「夜泣き麺ぐるま……」

「ラーメン作ってるオヤジも麺ぐるまの一部だってさ。江戸にも居たよね。そば屋台の妖怪」

「『燈無蕎麦(あかりなしそば)』ね」

「『消えずの行灯(あんどん)』だな。タヌキのいたずらという話もある」

「醜女、知ってたのか?」


「江戸近くで、会ったことがあるの」

「ああ、あの時はホントに腹が減っていたから、頭にきた。だからよく覚えてる」


「アレとは、違いちゃんと食べたヤツがいるんだ。だから、美味いと伝わってるのよ」


 江戸に出たのは、食べられなかったから。銀座のは、本物だろう。


「あれ、カメラ小僧じゃないか」

「ホントだ。女のコと深夜デートかな?」


「あの頭の面を見て。あの娘は、もしやオニ娘のメンバーじゃない」

「言われて見れば、冥土喫茶に居たよ。あの娘」「歌舞伎座の後ろの方へ行くよ、あの二人。もしかしたらラーメン屋台の出所知ってるのかも。おーいカメラ小僧!」


「こんなおそく、静姐さんじゃないですか」

「デートか、カメラ小僧。やるじゃないか」

「違います」


 カメラ小僧、娘に否定されてる。可哀想。


「わたし、ひとりで心細いので付き合ってもらってるんです」


「心細いって、あんたオニ娘だよね」

「ええ、でもオニ娘だって七頭さんみたいのばかりじゃありません」


「あ、姐さん。七頭というのはオニ娘42のリーダーでして。それはもう勇猛果敢な鬼娘で」


「それで、ナニしてんのあんたたち?」


「それは……とりあえず知らなかったコトにしてください。人喰妖怪が現れるので警備みたいなコトを」


「あんた、口が軽いな。今時、人喰いだって」


「海外から、来たヤツです」


「海外か、まえにも居たなそんなの。まあいいや、あんたら深夜ラーメン屋台のコト知ってる?」


「ああ、あの噂の」


「あれ、ドコに現れるんだ?」


「さて、妖怪という噂も……」


 チャララ〜ララ


「あの音は、行ってみる。アヤ、こっち!」


 静ちゃんの後を追った。さっき音がした。

 チャルメラ。

 ラーメンの屋台だ。


「いた、ラーメン屋台だ。まだ誰も客は居ない。さっきのチャルメラは開店の合図かな? おーい。ラーメンちょうだい!」


 屋台の椅子に座り片足を隣の椅子に置いた。


「アヤ、ココ!」


 わたしが屋台に駆け込むと、静ちゃんが注文した。


「メニューは?」


「ウチはラーメンだけよ」


 オジさんかと思ったら、二十代のおねえさんだ。


「じゃソレニ人前!」


 席から立つと静ちゃんが。


「おーい、カメラぁ来いよラーメン、おごるよ!」



「ごっそうさま〜。美味しかったよ」


 食べ終えて、席をたった。


「噂にたがわぬ美味さ、三杯食べたけどまだ、いけたかも」

 

 屋台から50メートルくらい離れた頃。


「キャー!」


 悲鳴が聞こえた。


「ラーメン屋さんの声だ!」


 なにか、大きな影が。


               つづく

 

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