虎は虎は虎は
39話 虎は虎は虎は
「ねえ、変なニュース出てる。街中で虎に襲われるだって」
ネットニュースを見ている静ちゃんだ。
虎?! 街中で、いや街中じゃなくても変だ。日本には虎は居ない。
「ドコかの動物園から逃げたのかしら」
「一休さんが、追い出したのかな」
「静ちゃん、一休さんは、虎を追い出してはいないから」
「知ってるわよボケたの」
「静、ついにボケたか」
「コラッ醜女。そのボケじゃない!」
「本気で一休さんが出したと思ってたんじやないのか」
「違うわ、シン右衛門さんに誓って」
「裏アヤ、よけいなつっこみしないで。虎の話よ。日本には野生の虎はいないよね」
「そうだけど。虎のコトを言ってた男はさ、彼女が襲われている間に逃げて助かってるのコレ酷くない。普通は、女のコをかばって自分が食われるよね」
「最近の男のコだね。で、虎は?」
「女のコを咥えてドコかえ行っちゃたんだって。この虎はドコから来てドコに行ったのかしら。街中、ソレも新宿よ。深夜とはいえ……」
「テレビで見たけど最近は防犯カメラとかがあって、街中逃げたなら、すぐに見つかるらしいよ」
「虎が妖怪だったらカメラにうつらないかも」
「でも、咥えた人間は写るよね」
「さて、ドコヘ逃げのやら虎さん。空飛んだとか。ないか……」
「おーい、お二人さん。風呂行こ!」
「あ、飛縁魔だ。もう北海道から? このまえ帰ったばかりだよね」
「はーい。先に行っててくださーい。すぐに行きまーす。」
あ、着替えのパンツない。
「アヤ。この前買った勝負パンツ履いちゃえば」
「そうか、いいよね。どーせ勝負しないから」
ここんとこ洗濯してないからなぁ。お風呂で洗っちゃおうか。
ヘビヅカヤ 風呂場。
「アヤちゃん洗濯。『洗い木綿』に頼まなかったの」
「うっかりして……。で、着替えがなくなっちやた。妖怪別館は乾燥機ないよね。乾くかなぁ」
「ふ~ん。私は三日くらいなら平気で履いてるけど……」
「ははは……実は五日同じのを」
「そう。妖怪って、大丈夫なのよね。中には一張羅の連中多いしね。不潔とか通り越してるわよね。あ、私は違うわよ。同じジャージ、何枚もあるの」
「いるいる。毎日同じかと思ったら、同じの着替えてる。あんたの姉さんも?」
「まあね。確かめたことないけど。話し変わるけど新宿虎のニュース見た?」
「ええ、さっきスマホで」
「あれさぁ妖怪くさいのよね」
「やっぱり。一休さん、からんでない?」
「静、まだ言ってる」
「おだまり醜女! 実は、一休さんで有名になったあの屏風ね、付喪神化してるのよ」
「そうなの、じゃ屏風から本当に虎が出て」
「うんでもねぇ〜そうとは限らないわ。あの虎はおとなしくて、人を喰うとかはないと。大きな猫みたいなモノだと聞いてるわ。日本に虎だとねぇ……他に虎と言えば」
「日本に人虎が居ると聞いたわよ」
「あれねぇ創作だと聞いたわ。あるいわ……別の国から来たとか」
「YOU妖怪ね」
「アヤ、妖怪にまでYOUは……」
つづく




