赤名めじろとモデル
36話 赤名めじろとモデル
あたしが、赤名めじろ先生のモデルになったのは。
バイトで先生の絵を取りに行った時に先生に気に入られたからなんだけど、それは。
あたしは先生にアレを見せられ、動じなかったからだ。
普通そんなマネを女性にしたら犯罪だ。
セクハラもいいところだ。
べつにあたしが、好き者で見慣れていたからではない。
ハッキリ言おう。
あたしは処女だ。
が、アレは見たことがあったし。
それを見て「きゃー!」とか「いゃー!」とか言って目をかくしたり。指の隙間から覗いたりするようなぶりっ子女ではない。
世間的には「さめた女」なのかもしれないが。
あの時、思わず「ご立派」などとクチバシッたせいなのか。
いつも笑顔の先生だが、さらに笑い。
先生はあたしに近づき言った。
「わしのモデルになれ!」
大好きな先生の絵のモデル。
多分裸を見せるのはわかっていたけど。
嫌ではなかった。
それからあたしは幻想文学エンタの編集部には、ないしょでモデルになった。
編集部のバイト代よりは全然良かったけど。
やめなかったのは。
モデルは秘密になっていて赤名作品には、いないコトになっている。
真実は知らないが、もう一人のモデル。
飛縁魔びづるが、あんな格好で出入りしてるのは、そのためか?
編集部のバイトだと、出入りは不自然ではない。
初対面時に聞いたように先生は普通の人よりは長い舌で絵を描く。
モデル時は、ほぼ裸だ。
官能小説とかAVなんかであるモデルに手を出すようなコトは先生はしない。
はじめは、しそうなスケベジジィかと思ったが、そんなコトはいまだにない。
ただ一度ボディペインティングを頼まれたが、なんせ、筆でもくすぐったそうなのに舌だ。
コレは先生の危ない趣味なのかと思ったが、コレの完成写真をなんとかという芸術祭に出し高評価をえていた。
顔もペイントされてたので、あたしだとわからなかった。
もちろん名前は公表してない。
「センセ、珍しいわね。今日はみそぎちゃんも一緒」
いつもの緑のジャージ姿の腰にグレイのパーカーを巻いた飛縁魔びづるだ。
いままでモデルが、かち合ったコトはなかった。が、あたしのコトは知っている。
「今作のテーマは女神の姉妹だ。だからふたりに、からんでもらうよ」
「センセ、そんな百合姉妹な女神なんています? センセぃの変態趣味じゃないんですか」
飛縁魔びづる、言いたいことはハッキリ言う。
あたしなんか、わかっていても大先生に変態趣味などと。
「まあ、なんとでも言いなさい。わしゃみな絵は好きで描いてるのだからの。からみと言っても抱き合うわけじゃない、身体をちょこっとくっ付けてもらえばいいんだ」
「それなら別々に描いても……つまんないわセンセ、こう足をからませたっていいわよ」
飛縁魔びづるがあたしの肩に手を置き。あたしの股の間から脚を後ろからからませた。
ファッションモデルも、している彼女はあたしより頭一つ大きいし、スタイルもイイ。
あたしはまだ幼児体型が残ってるし童顔なので、出来上がった絵は少女だ。
一応成人ではあるけと。
なんの香水だろ飛縁魔びづる、すごくイイ匂いがした。
なんだかホントに抱いてと言いたくなった。
「ねぇボディペインティングはどうだった? ジジィの舌は魔性だったでしょ。抱かれたの?」
「抱かれません」
「やっぱりね。ジジィはロリじゃないからね大人しか興味ないの」
「ロリですか。あたし。一応ハタチこえてます」
「ハタチ……まだまだ。ジジィは熟女マニアだから、私もまだネンネあつかいよ」
「なんだ、コソコソと。聴こえてるぞ。誰がねんねだって、何年生きとる。おまえさんは」
「歳のわりに地獄耳なんだから……センセ、絶対妖怪よね」
そこまで言っう飛縁魔びづる。
実はあたしもそう思ってる。
つづく




