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タコパとマカ

30話 タコパとマカ


 飛縁魔みずちのトコに二人が。

 オレは酔った勢いで二人が妖怪と言ってしまった。

 のは、まさか高田が会うとは考えてなかったからだ。

 あいつらうまくごまかしたんだな。妖怪のこと。


 飛縁魔が、映画で静を見てモデルに作品を書くのか。

 大丈夫だよなバレないよな。

 絵じゃないから、モデルと言ってもずっとそばにいるわけじゃないだろし。



 飛縁魔邸。


「ありがとう静、また買ってきたのね」


「もぐもぐ、こいつハマるよね。アヤも食べて、この前はあたしと飛縁魔が食べちゃたから、食べてないでしょ」

「大丈夫、買う時に一箱食べたから。お腹一杯」


「アヤちゃんは、東北じゃないよね。いつから静と一緒に?」


「わかります? もとは、千葉でした。妖怪の里と言われた遠野にあこがれて。静ちゃんが来たのはわたしより後です」

「たまたまね、同郷だったんで同居したってわけ」


「なに、それヘタなダジャレ」


「そうだ、この前帰る時にぬらりひょんに会ったよ。あんたんチに行ったけど。寝てたよね」


「そうなの。よく来てお茶して帰るんだ」


「あの日、鍵とか開けっぱなしで帰ったけど大丈夫なの? ここは東京だし」


「心配ない、ココはヤナリやノブスマなんかが居るから泥棒とかは入らない」


「ヤナリやノブスマ……ホント、東京って、そんな連中も妖気感じないのね。でも、あのむっつりスケベそうなぬらりひょんに寝顔見られてヤじゃない?」


「あ〜そう言われると」


「なんか、あのジジィいたずらとかしてそうだよ」


「やめてよ〜昼寝出来なくなるじゃない。時々油すましも連れて来るのよ……あの顔もスケベそうだし」


「まあ妖怪はカッパを代表にスケベなの多いからね。キツネやタヌキだって」


「東京には、狐狸たちが人間になりすまして住んでると聞きました」


「ああ、たまに外の塀の上を歩いてる」


「妹はもう北海道に帰ったの?」


「ああ。よろしくと」


 と、デンデンデンと太鼓の音が。


「あ、スマホ! 電話だ。 ん非通知だ。面倒だなぁ」


「はい、あんた誰だ?! マカ? ナニモノ?」


「マカ先生? 知り合いなの。同じ雑誌の作家よ」


「私、自分のも読まないから、他人のはよけいに。静とアヤは来てるかだって。出る?」


 静ちゃんが飛縁魔さんからスマホを渡される前、もう一度飛縁魔さんがスマホに。


「あんた、静たちのストーカー? なんで私の電話番号知ったの?!」


「編集の高田が。あいつ個人情報勝手に。あとでいたぶってやろうかしら……はい静」


「もしもし」


〘あ、オレだマカだ。静か。いつ帰るんだ〙

「未定。マカさんには関係ないでしょ」


〘いや、おまえたちがい居ないからか、一反姐さんとババァが毎日テレビを見にくる。ババァは洗濯機まで使ってる〙

「あら、あたしらと変わりないじゃない」

〘オレはおまえたちだからいいんだ〙

「じゃハッキリそう言えば」


 電話のマカさんの声、まる聞こえ。


「静ちゃん、ちょっと……でもまあ。代わっていいかな」

 

 わたしはスマホを渡され。


「マカさん、ごめんね。あきたら帰るから。姐さんと河ババァによろしくね」


〘おい、アヤっよろしくって。あ、来た〙


「はい、飛縁魔さん。きれたよ」



 天野邸(マカさんチ)


 ホントに飛縁魔のトコに居た。


 河婆さんは、入って来るなり勝手に二階に上がった。話し声が聞こえる。

 おそらく窓を開け一反姐さんを入れたのだろう。


 二階には、二間ある。オレの仕事場けん書斎とお茶の間だ。

 テレビはこの部屋のみだから、妖怪たちが寄り合うのは二階の茶の間だ。


 よく考えると変だ。

 映画で静を見たのは、わかるけど。

 飛縁魔はどうやって静たちと知り合えた。

 そこんところよくわからん。


 カギは編集部の高田だ。ヤツが、からんでる。あいつは、いつ何処で静たちと知り合ったんだ?


 名前は妖しいが、飛縁魔みずちは人間だよな。

 妖怪が作家なんてな。

 たしか、何号かに本名が載ってたな。


 これかな? 巻頭だし。


 飛縁魔みずち、本名小島華江。年齢不詳。出身地 東京か、こいつは妖怪かな?


 オレはナニをしてるんだ。

 はじめてのヤツにストーカー? なんて言われるわけだ。


「マカの旦那さま。お湯を沸かしていいかな」


「ああ、いいよ。静かにテレビ見ててくれ。仕事中だから」


「悪いのぉ耳が悪くてな、小さい音は」


 ホントかよ妖怪でも老化で聞こえが悪くなるのか? 


「テレビの下のボックスにヘッドホンあるから、それ使って」


「ああ、アレな。ワシはいいが一反はどうする」


 ふたりいたのを忘れてた。


「わかったよ。外へ行って書くから。留守番しててくれ!」


 と、玄関を出ると。

 目の覚めるような美女が立っていた。


「すみません、ここは摩訶富仕義先生のお宅でしょうか?」


              つづく

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