JKとネコ
3話 JKとネコ
「姐さーん」
わたしたちを姐さんと呼ぶ高校生とネコ耳の子供は。
マカ邸。
マカさんが古書店の仕事から帰ってきた。
「マジかよ~。家に帰ってみれば、見知らぬオタクとなんちゃてJKに猫耳」
「ごめんなさい、マカさん。みんな急に来たから」
「すみません。ボクはお邪魔ですよね。帰ります」
と、元漫画アシスタントの橘九十九は出ていった。
「いーじゃん。一泊くらい。かわいそうだよ。あの子」
「あの子って、あいつはいくつなんだ。子供には見えなかったぞ」
「さあ。仕事してたんだからぁ。いくつアヤ?」
「まあ普通は高卒なら……あの子も妖怪みたいでわからない。マカさんくらいにも見えた」
「歳なんていくつでもいいじゃない」
「万年、JKのおまえが言うな」
マカさんとケイや猫っ子は原宿で会っていて妖怪だと知っている。
「あんた、なんでそんなにいばってるニャ。あんた、この中で一番年下ニャ〜」
「あ〜ネコはいくつなんだ?」
「ん〜と。忘れたニャ」
「化け猫は、けっこういってるから、少なくともマカさんよりは上じゃない」
「歳とか、そういう問題じゃないだろう。ここはオレのウチだ。おまえら金持ってんのか? どうやってここまで来た?」
「まあソコソコあるよ。スマホ代払ってるし」
「あ、ゴメン、ケイ。ズーッと借り放しだった」
「ああ、いいですよ姐さん。使ってて下さい。あたしら姐さんたちみたくヒッチハイクして来ました」
「えーそのかっこうで。二人で。大丈夫だった? 悪いのに会わなかった?」
見た目は二人共子供じゃない。ヒッチハイクなんかしてよくここまで。
「お婆ちゃんが危篤とか、言ってたら思った以上に早く着きました」
「婆さんが危篤で、普通ヒッチハイクして帰るか……。乗せてくれた連中はそうとうのバカかお人よしだな」
「そうだニャ乗せてくれた人は老夫婦とか、オジさんオバさんだったニャ」
「祖母おもいのけなげな姉妹とかにおもわれたんだな、おまえら。ん〜日本は平和でよかったなぁ」
「運が良かっただけよ、あたしらすぐに悪いおっさんに乗せられ、危うく強姦されそうになったもん。ね、アヤ」
「あ、そんなこともあったね」
「強姦! 初耳だぞ。大丈夫だったのか?」
マカさんは、わたしたちが強いのを知らない。
「もちろん。悪人はまとめて河ババァに送ってやったわ。後で聞いたんだけどさ、もっとイケメンで若いのが良かったとか。贅沢よねババァ」
「よくわからんが、あの婆さんも妖怪だったんだよな。まさか喰ったりしたのか?!」
「喰う……河ババァは好色だからね、あいつら、どうなったか」
「河ババァのウチで飼われてるかもね」
「飼われてる?! そんな恐ろしいのか、あの婆さん」
つづく