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恋に落ちたアシ2

29話 恋に落ちたアシ2


「ごめんなさい。わたし、ツクモさんとは付き合えないの」


「好きな人が他にいるんですか」


「ええ、でもそれだけじゃないの。わたしは人間じゃないの。わたしにはもう一つ顔があるの」


 と、彼女は後ろを向いた。


 「見て、コレがもう一つの顔よ」


 と、お尻を突き出しGパンをおろした。


 可愛いアヤさんのお尻が現れたと思ったが彼女が開いたお尻の割れ目に顔があった。

 丁度肛門のあたりに丸い目が一つ。

 キョロっと動きボクを見た。

 その下に二つの小さな鼻の穴。

 そして横に避けた大きな口が。

 長い舌を出しケケケと笑った。


「ヒイッ!」


「ん、橘君。おきた」


 はあ、夢か。

 ボクはデスクの上で。


「あまり寝ていないの? 12時まわったら、コックリ、コックリしてたよ。君は徹夜につよかったよね」

「あ、最近「二面少女アヤカ」を見返していて、あまり寝てなかっもので」


「なんでまた」


「なんとなく見たくなって……あれ、机の上に仮眠室の枕が」


「枕。君が持ってきたんじゃないの?」


「いえ、ボク今日は仮眠室へは行ってませんよ」


  トントン


 ドアを誰が叩いた。


「まだ、おきてるのね」


 先生の奥さんだ。


「こんばんわ奥さん」


「あら、橘君。来てたの。辞めたんじゃなかった?」


 先生はボクらアシスタントは、自主的に辞めたと奥さんには言ったみたいだ。

 仕事のコトは言ってないらしい。


「寝室の枕がないのだけれど……」


「知らないよ。リョー太の部屋には?」


「キャッ! 何するのよ」


「何もしてない。なんで枕持ってんだ」


「今、あなたが投げたんじゃないの」


 奥さんはボクの方を見た。

 デスクの上に仮眠室の枕が。


「ボクじゃありません。あた!」


 頭の上に枕が。コレは?


「橘君、その枕は僕のだ、あた!」


 今度は先生に子供用の枕が。


「あなたソレ、リョー太のよ」


「先生、変です。コレは妖怪の仕業では」


「なんだ、『枕返し』か?」


「違うと思います」


「妖怪『枕投げ』じゃないの」


 先生の奥さんも漫画家で、妖怪の見える少女の話を連載しアニメ化もした。

 はっきり言って先生より人気作家だ。


「あなた、青森から妖怪連れてきたの。あた、今度は、お尻に飛んできたわ」


 コレは、妖怪と関わった呪いのようなものか?

 しかし、まだ妖怪と関わった憶えがない。


               つづく

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