ヒッチハイク
24話 ヒッチハイク
「驚いたよ。ヒッチハイカーひろったら元アシの橘君なんだもん」
「ソレは同じです。やっと停まってくれたドライバーが先生だったんですから」
こないだまでボクがチーフ・アシスタントだつた先生のクルマにひろわれるなんてびっくりだ。
先生とは、まだ縁があるらしい。
「先生は何処へ行ってたんです?」
「青森だよ。新作の取材だ」
「新作、仕事が入ったんですね」
「『アヤカ』のアニメを見た大手雑誌編集部からオファーがあってな、短編を描いてくれって。その反響次第で連載も有りだと。で、青森だ」
「青森に何が……。ネタになるもんがありました?」
「ああ、あった。面白い話が。知ってるだろう青森と言えば」
「リンゴちゃんですか?」
「そうそう天才モノマネ・ニユーハーフリンゴちゃんの一代記……の分けないだろ」
「先生がノリ突込みをした」
「青森で漫画のネタは、キリストの墓だよ。つくだ煮君」
「あのツクモですけど、先生、キャラ変わりましたね?」
「暇でな『お笑い番組』ばかり見ていたからなぁ。笑いは体に良いんだぞ。で、ホテルで一気にコンテ描きあげた! 『キリストの娘』といタイトルだ」
「キリストの娘ですか。面白そうですね」
「ああ、自分で言うのもなんだが面白い!。悪いんだが、ツクエ君。手伝ってくれ」
「ツクモです先生。いいですよ。ボクもヒマだし」
「ところで君はヒッチハイクなんかして何処へ行っていたんだ?」
「あ、行きは電車でした。先生が話してくれた二人に会いに行ってきました。遠野へ」
「遠野にか! 二人は元気だったか? 僕のこと、なんか言ってたか?」
「いえ、特に。あの二人が先生に教えた住所なんですけど、あれは友人の住所でした」
「え、そうだったの……」
「でも、その友人が幻想小説家の摩訶富仕義先生だったんです驚きました」
「そうか、やはりあのふたりは、ただ者じゃなかった。で、会えたんだな静ちゃんとも。どうだった美人だっただろう」
「はい、ホントにあの映画はケバかったですね。初めての時はすっぴんで、わかりませんでした。二人の影響みたいなもんで帰りはヒッチハイクしてみようと」
「なるほど、それでか」
「実は二人がまた、ヒッチハイクに。しかもですよボク、軽井沢で出会ったんです。縁ですかね……」
「二度会ったのか。羨ましいぞツクシ君」
「またですか先生。そうボケないで下さい。ツッコミも面倒です妖怪先生」
「妖田開だよ」
「あつ先生、変な人歩いてます。高速ですよねこの道」
「おお。だが、君も高速でヒッチハイクを」
「あそこはサービスエリアの駐車場内じゃないですか」
「しかし、和服で洋傘だぞ。高速道路だ、おかしくないか?」
つづく




