たこ焼き三昧
23話 たこ焼き三昧
「なるほど、それで……」
飛縁魔先生と静ちゃんは、たこ焼き食べまくり。
編集の高田さんが買ってきたのを合わせて九箱。
飛縁魔先生は、原稿を書いてて最近、何も食べていなかったらしい。
「二人共よく食べるなぁ」
「あ、高田君。原稿は、ソコに。適当な袋に入れて持ってて。私は彼女たちと話があるから」
と、いうことで高田さんには帰ってもらった。
とりあえず、妖怪というのは、ふせてある。飛縁魔先生も、らしい。
妖怪の話なので、ここはわたしたちだけで。
「二口女さぁ映画より綺麗だね。あの厚化粧はバケモノに見えるよ。あ、バケモノか」
「バケモノはやめてよ。飛縁魔もノーメイクとは思えない美貌だね。あの妹とよく似てる」
「双子だからね。しかし、あんたよく食べるね」
「そちらもね」
「でも4箱でもういっぱい。初の4箱だ。3箱じや物足りないと思ってたが、4箱食べたら……。この、たこ焼きホント美味いだろ」
「うん、買う時に食べてわかった」
「買う時にも食べた……」
「コレ、冷めても美味い。あの編集が、帰ったからいいよね」
静ちゃんの髪の毛が楊枝を取り後ろの口が、たこ焼きを食べ始めた。
「ほお、実際に見るのは初めて……」
「あまり人には見せたくない」
「一応私も妖怪だ、人じゃない。でも映画じゃ大勢見たろ」
「あれは出血大サービス!」
「あんた、好きになれるタイプだな。小説に書いてもいいか?」
「いいけど……」
「あ、わかったよ。今晩は、飲食会やろう。妹も来るからみんなで食いまくろう!」
って、たこ焼きでお腹いっぱいになった飛縁魔先生は寝袋に入った。
「じゃ夜になったら……」
あ、寝ちゃたよ飛縁魔先生。疲れてたのね。
わたしたちは、鍵はどうするのかと?
そのままにして出た。
バス停まで歩いてると、やけに立派な和服の老人が。
「おや、また東京に」
「ええ」
「楽しんでいくと良い」
「ああ、飛縁魔のトコ、行くなら寝てるよ」
「そうかい。茶を飲みながら、あの美貌の寝顔を見てるのも癒やされる……」
「変なコト、しちゃダメだぞ爺さん」
「フォフォフォフォフォ。たまにはしてみるか」
お爺さんは帯の扇子をひろげて言った。
飛縁魔先生があぶないかも。
お爺さんは笑いながら行ってしまった。
「ぬらりひょんだよな。実物はじめて見たよ。あいつ百鬼夜行に居たっけ?」
「居たのかもね。あんなのだから百鬼夜行は後の方に……。映画に出てたかな?」
「あたしは、あんなのに寝顔見られたくないな。どうする池袋へ帰って夜まで暇潰そうか」
池袋駅前。
「おや、あんたらは」
「ムジナ男!」
「まえは、みっともないとこ見せちまった」
「また、尻子玉ドリンク売ってるの?」
「尻子玉ドリンク……あれなぁ、カッパに尻子玉抜かれて腑抜けになった人間に効くのがわかって、あるスジに売れてんだ」
「そう。よかったね。なんでも商売になるんだなぁ。まさか、あのカッパのジイさんと組んでアコギな商売してない?」
「え、なに……おお! その手があったか。ありがとう。ジイさんトコ行って来る」
「ああ、まずいこと言っちゃたよ」
「どういうコト?」
「カッパとグルになって、売り上げのばす気だ。カッパが、尻子玉を取り、その尻子玉で薬を作り腑抜けた人間に売る」
「ソレは酷い商売よね」
「尻子玉事件が多発したら、奴が犯人だ」
つづく




