再々会
13話 再々会
「タチバナ・ツクネ!」
「ツクモです静さん」
「なんで軽井沢に居るツクネ」
「わざと間違えてます? 静さん。実は遠野で摩訶先生が、貴方たちがヒッチハイクの旅に出たと聞きボクもしてみようと。早く千葉に帰っても仕事があるわけでもないので……」
「ふーんヒッチハイクでここまで」
「はい。ここでおもしろい妖怪の話を聞いたんで見に行くトコです」
「妖怪。林道の濡れ女とか?」
「濡れ女? ソレは福島の方では。川に出る濡れ女が、なんで林道に?」
「違うのか、あたし、妖怪に詳しくないから」
「妖怪研究家じゃなかったけ」
「黙れ醜女!」
「え、綾樫さんを醜女は可哀想ですよ、そりゃ静さんよりは落ちますけど綾樫さんも可愛いです」
「妖怪美女ナンバー3だぞ」
「はいはい……醜女の3位さん」
「なんだ、そりゃ」
「じゃ……。ナニよツクネ。妖怪って?」
「夜鳥火とか、いう。林道を歩いてると昼間でも薄暗い場所だと現れるらしいですよ」
「『火』形の妖怪ねきっと」
わたしは、こそっと静ちゃんに。
「昼間っから火の妖怪かぁ。見てどうすんの?」
「カメラにおさめようと。妖怪好きの妖田先生に見せようかと、みやげ話に。あ、静さん写真撮らせてもらえますか?」
妖怪には写る妖怪と写らない妖怪がいる。
映画に映った妖怪は、ほぼ普通のカメラに写る。わたしたちもカメラとの相性みたいなものがあるみたいで確実に写るわけじゃないみたいだ。
以前プリクラで写らなかったコトがあった。
橘九十九は、首にかけた高そうなカメラをわたしたちに向けた。
「あ、コラッまだ、撮ってイイとは言ってないよ!」
「あ、ごめんなさい」
「撮るのなら一緒に撮ろ」
橘九十九は、通りかかったオジさんに、頼んで三人並んで撮ってもらった。
「あんたもカメラ小僧?」
「たまにアイドル撮影会に行く程度です」
そういうのをカメラ小僧と言わないのかしら。
「これからどちらへ?」
「その辺、美味しい物探しに」
「あ、そうですか。ボクは明るいうちに林道の方に。では、また何処かで」
「明るいうちにって、矛盾してない。火妖怪撮るんでしょ」
「昼間でも出るって言ってたよね。夜鳥火……知らないなぁ」
「別名かも、同じ妖怪でも場所により違う名の妖怪も多いから」
「特に火妖怪はね」
「あら、お久しぶり。こんなとこで会うなんて二口姐さん」
「うん? 妖怪だと、わかるけど……あんた誰?」
つづく




