10/20
⑽『未確認飛行物体』
⑽『未確認飛行物体』
㈠
俺は俺を疑う前に、現実を懐疑するのだが、所謂、懐疑派になろうとしていることは、長年の経験からして、自然なことだと思う。俺は懐疑する。それは、相手が騙しにかかっている、という一つの展望から来る、俺の姿勢である。
㈡
しかし、実のところ、相手は騙そうと思っていないことも多々あるのであって、俺は、思うに、懐疑するとは、もともとの俺を信用していない、ということなのだろう。ただ、自己を信用に足るものだ、と思っている人間も、少ないだろう。その少なさは、まさに、未確認飛行物体並みである。
㈢
訳の分からないことをして、自己を他者懐疑、自己懐疑に、堕落させるなんて、馬鹿らしいな。それならば、もっと、未確認飛行物体のことを考えて、健やかな眠りにつく、必要がありそうだと、思ったまで、なのである。




