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エルフの指輪

前回のあらすじ


ダンジョンの扉が壊され、ざわめくダンジョン入り口。

王都の役人がエルートを怪しむが、なんとか誤魔化す。


リールはエルートと経験値保証契約を結ぶ。

エルートはリールの命を守ることになった。



エルートとリールが本契約して数時間後


~ギルドの酒場~

夕方

ガヤガヤ・・ワイワイ・・

『おい、ダンジョン封鎖されたの知っているか?』

『おーーー聞いたよ。扉が壊されたことなんてあったか?』

『とりあえず、今月は封鎖らしい。今月中には直す予定だとよ。』

『国の対応は遅いからな~~大丈夫かよ。』

『貴族のダンジョン散策の暇つぶしがなくなって、王都の役人が死に物狂いで働いているらしい。だから今回は信用できそうだ。』

『こんな理由がないと信用されない役人ってなんだよ(笑』

『死にそうな役人どもにカンパ――イ!』


戦士『やることなくて暇だぁ~~』

魔法使い『とか何とか言って、今日も遅刻してた癖に。』

僧侶『ま~いいじゃないですか~魔法使いさん。』

戦士『エルフは?』

僧侶『用があるって言ってましたよ。』

戦士『ふ~~ん。用ね。・・・・男か!!!』

ゴン!!

ジョッキで戦士の頭をどつく魔法使い。

魔法使い『詮索はしない!』

僧侶『それにしても、神聖な扉が壊されるなんて・・・』

魔法使い『500年前にもあったらしいけど、詳しくは知らない。』

僧侶『そんなことが・・・。500年前っていうと、あの戦争と何か関係が?』

魔法使い『偶然でしょ。』

魔法使い(ん?500年前の戦争と数百年前の禁忌の子の災害・・ダンジョンの扉の崩壊・・・何か関係が・・・?あるわけないよね・・・。)

僧侶『それより、魔法使い・・・戦士がのびてるよ・・・』

魔法使い『まぁコイツなら大丈夫でしょ♪』


~ダンジョン入り口・掃除部屋~


リール『これで契約は終わったわ。』

スライムの姿に戻るリール。

エルート(あぁ・・・美少女が・・・)

エルートはガッカリしていた。

リール『これからは、修行ね!鍛錬あるのみ!私がコーチしてあげる!感謝しなさいよ!』

エルート『え!!!レベルはすぐ上がるんでしょ!そしたら何もしなくても強くなるんじゃ・・・』

リールは一喝した。

リール『何言ってんの!!!昨日のレベルの話しっかり聞いてた!?』

エルート『ゲームみたいな感じに、無条件に強くなるんでしょ・・・?』

リール『んなわけないでしょ!!!!!』

リールは一息ついて、ゆっくりとした口調で話し始めた。

リール『エルートよく聞いてね。あなたの知ってるレベルと違ってこの世界のレベルはあまりに信用しちゃいけないの。確かに基礎能力は上がるわ。体力、筋力、防御力。スピードその他もろもろ。』

エルート『だったらいいじゃん。』

リールはため息をついて話を続けた。

リール『じゃあ、例えばレベル60の男がいる。その男にレベル20の男が急所にナイフで一突きしたらどうなると思う?』

エルート『う~~~ん。大ダメージだけど耐えられる。』

リール『即死よ。即死。』

エルートはたじろいだ。

エルート『いやだってレベルが3倍も違うんだよ!はじくとかないの?』

リール『その男は鱗でもあんの!?確かに現実だったらまず当たらないけど、結局は普通の人間なの!レベルが高いからってなんでもありにはならない。』(スキル・魔法のことは黙っておこっと。)

エルート『なんだ~現実ならまず起こらないんじゃん。』

リールはさらにため息をつき

リール『じゃあ暗殺は?寝ているときにやれば一発よ。あなたは命を狙われる存在なの。十分あり得ることよ。』

エルートはリールの伝えたいことがわかったような、悟ったような顔をした。

リール『そんな顔しないの。あなた自身の身体が強化されることによってレベルの効果は増幅されるから。』

エルート『そうなの!?』

リール『当たり前でしょ。貴族はレベル30、良くて40だけど。あいつらはレベル20の冒険者より少し強いだけよ。だってあいつらお遊戯しかやっていないし。』

リール『本気でやりあったら冒険者が勝つことも十分あり得るわ!ま・そんなことしたら斬首刑だけどね。』

エルート『レベル20でそんなに戦えるならダンジョンの中層もいけるんじゃないの?』

リール『無理よ。レベル20だと中層は攻略できない。最低レベル30はいる。人間相手なら耐えられる攻撃でも、モンスターはそれを遥かに上回る。手加減もしない。多分一発でも当たれば即死。小突かれるだけで肉が吹き飛ぶわ。レベルは信用するなとは行ったけど、基礎能力の向上はバカにできない。』

リール『なんにせよ修行は必須項目。楽に強くなるなんてありえないのよ。』

エルート『う~~~~ん・・・修行かぁ~~』

リール『はい!話は終わり!じゃあランニング行ってきてね。まず3時間くらいかしら♪』

エルート『エエエええぇ!!!』

リール『これ以上うだうだ言うと、締めるわよ。今は私の方が圧倒的に強いし。私に逆らったら経験値もあげない。』

エルート『イエス!ボス!』

リール『樹海を走ってきなさい!注意力がつくわ。』

エルート『樹海は結界があるし、エルフが・・・』

リール『大丈夫結界は簡単に通過できないわ。結界の近くにいくと忌み子は頭痛や目眩が起こるから。体調に異変があったら引き返しなさい。あと、あの樹海にエルフは住んでいないわ。』

エルート(そうゆう意味じゃないんだよなぁ~~~)

リール『はい!GOGOGO』パンパン

リールは手を叩いてエルートを煽った。

エルート(くそ、ただでさえ腹減ってんのに・・・)

エルートは苦虫を嚙み潰したような顔をして、掃除部屋から樹海に向かった。

リール(今月が終わるまでにあと半月。ダンジョンの扉が修理されるまでに早めに強くしないと・・・。早くあの子を助けるためにも・・・)


~樹海~


日が落ちかけ、樹海は夕陽が森を照らしていた。

そしてダラダラと走るエルートの姿があった。エルートは泥だらけで、何回か転んだ跡があった。

エルート『ハァ・・・ゼエ・・・ハァ・・・』

エルート『どこまでいけば結界があるんだよ・・・この森・・・広いな・・・。もう1時間は走ってるぞ。』

樹海から結界までおよそ7~8kmエルートは半分もいっってなかった。

そして果てしなく体力がなく遅かった。

エルート『こんなんじゃ、頭痛が来る前に倒れちゃうよ・・・。』

ガサガサ!

木陰からあのエルフが姿を現した。

エルートは少し驚き、ビビる。

エルート『なんだよ。殺さないんじゃなかったのか?』

エルフ『安心しろ・・殺しはしない、1つ確認しておきたくてな。』

エルフ『お前は禁忌の子にも関わらず、なぜ殺戮衝動がない?』

エルート『ハァ!?そんな物騒な衝動あるわけないじゃん。何言ってんだよ』

エルフ(やはりおかしい・・・なぜこいつは正気を保てているのだ・・・。忌み子ならわかるが禁忌の子は魔物同然の行動をとるはず・・・。中のものが目覚めてないのか。)

エルフ『いや・・・ないならいい。』

エルート『じゃあ、、もう行くぞ。』

エルートが走り出そうとした瞬間。

エルフ『待て!』

ズコッ!!!

エルートは意表をつかれこける。

エルート『なんなんだよ!!!』

エルフは銀色の指輪を倒れているエルートに投げ渡した。

エルフ『これを持っていけ。エルフ族の指輪だ。それでお前は私に対してテレパシーを使えるし、通信距離も広くなる。何かあったら連絡しろ。』

エルート『へーへーどうもありがとうございます~。付ければいいんだろ、付ければ。』

エルート(コイツには従っていないと、何されるかわからん。アレ?リールとかエルフに俺って従ってばっかりじゃね?)

エルフ『ところでお前何してるんだ?』

エルート『しゅ・・きのこ取りだ!きのこ取り!飯がねえからな!』

エルフ『そうか・・励めよ。』

そう言うと、エルフは突風と共に身の前からいなくなっていた。

エルフ(食料品は最低限は送っているはず・・・服も泥だらけ・・・何が目的だ・・・?)

エルート『フゥーやっぱりいたよ。あのストーカーエルフ・・指輪渡してきたり、詮索されたり・・待てよ・・・。』

エルートは小さなガッツポーズをした。

エルート(俺に気があるのかも!!胸も触ったし!)

エルートはアホなポジティブだった・・・。

エルート『っしゃ!!!走るか!!』

やる気がでたエルートはさっきよりほんの少しだけ速いペースで走り出した。

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