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禁忌の片鱗

前回のあらすじ


男の部屋に食料が届くようになり、暇になる。

ダンジョンの掃除をするが、貴族冒険者に嫌がらせを受ける。

それでも男はダンジョン掃除をするが、突如ダンジョンの扉が破壊される。

そこから凶悪なモンスターが出現・・・男は一撃で瀕死。

モンスターがダンジョンに帰ろうとすると、男は異形の姿になり立ち上がっていた・・・。

~ダンジョン入り口・広場~

深夜

男だった者と、モンスターはにらみ合っていた。

モンスターが先手を打ち、両腕で鋭い連打で襲い掛かった。

男は異常なスピードでモンスターの攻撃をよけまくっていた。

光る物体(なんなのこのスピード・・・。)

モンスターが剛腕で、男を吹っ飛ばそうとした瞬間。

男は軽くモンスターの手を片腕で止めていた。

そして男は信じられない力でモンスター腕を引っこ抜こうとしたように見えた。

ブチュ

あまりにも速い動作だったため、腕は引っこ抜かれずにモンスターの腕は部分的に肉が削ぎ落ちていた。

モンスターはこの事態に先ほどの悪寒の本当の意味を知った。が相手は人間・・・大したダメージではないと判断してさらに追撃をした。

この判断は間違っていた。

モンスターのすべての攻撃が男によって止められ、触れられた部分の肉が削ぎ落ちていった。

ここでモンスターは男の口周りが赤く染まっていることに気がつく。

モンスターは削ぎ落された肉はすべて、食われていることにゾッとした。

光る物体(こんなの人間じゃない・・・・)

男にとって最初からこれは一騎打ちではなかったのだ。

これは男にとって食事。

肉が向かってくるので、つまんで食べているだけの事。それ以外の何物でもなかった。

敵として見られても、獲物としても見られていない。モンスターはここで相手の力量を見誤ったことに気がつく。

その瞬間モンスターは、ダンジョンに向かって全力で逃げた。

男『ソレ・・・オイシソウ』

モンスターが持っていた鳥かごが、腕ごとなくなっていた。

一瞬で片腕をもぎ取り、鳥かごを奪われたモンスター。

モンスターは気にせずに、ダンジョンに死に物狂いで逃げ帰った。

モンスターの腕が握っている鳥かごに、男はじりじりと歩みよった。

光る物体『やめて・・・殺さないで・・・。』

男『・・・チョット・・・タベルダケ・・・・』

その目は人間のものでも、モンスターのそれでもなかった。

光る物体(なんなのこの生き物は・・・・)

男は鳥かごを両手で持つと、思いきり力を込めてこじ開けようとした。

光る物体『この鳥かごは力では開かないの!特殊な魔力を流し込まないと開かないの!あなたの魔力も吸収されちゃう!正気に戻って!!!』

男『・・・・ダケdから』

ギギギと音を立てて、鳥かごが変形していく・・・・。

男の手は血だらけになっており、それでも男はやめなかった。

男『・・・kら・・・あえ・・あ』

鳥かごは変形して、中の物体を取り出せるくらいに隙間が空いていた。

光る物体『いやああああああああ!!』

ガシャン!!

光る物体(え・・・何が起きたの?)

男は力尽き、鳥かごを握りながら倒れていた。

光る物体(助かったのね・・・)


~掃除部屋~

夕方

男(う~~~ん。体中が痛いなんだ筋肉痛か??おいおい!マジで指一本動かせねえ・・・あの後どうなったんだ。俺は助かったのか?)

男(そういえば、バケモンに食われて・・・食われて!?腹!腹!を確認しないと・・・って動けねぇ・・)

男(それにしてもここはどこだ?あーーー掃除部屋か・・ン!あいつは誰だ!!銀髪美少女がいる!!俺と同い年か少し上かな・・・やべーー動悸が・・コミュ症が・・・とりあえず寝たふり、寝たふり・・・)

銀髪美少女『この男は一体何者なの・・・。あの凶悪をモンスター相手に子ども扱い。再生能力・身体機能・・』

男『グ―――、スピーーーー』(子ども扱い!?俺があの・・バケモンを!?記憶全くないぞ・・・。)

銀髪少女『起きてるのわかっているんですけどーー』

男は動揺して目を開けてしまった。

男『な!!なんですと!!!』

銀髪美少女『やっぱり起きてたか・・・。』

男『お前誰だよ!!』

銀髪美少女『せっかくここまで運んでやったのに~~酷い言い草ねぇ~~確かに自己紹介していなかったけど』

男の耳を引っ張りながら、すごむ女。

リール『私の名前はリール。あなたは?』

男『名前はない・・・』

リール『それだと面倒だから、名前付けてあげる。う~~~ん・・・・エルートっていうのはどう?』

男『え!それはちょっと・・・』

リール『なんで!?エルートカッコイイじゃん!はい決定ね。』

エルート『・・はい・・・。ってだからあんた誰!?』

リール『あんた昨日の光る物体覚えてる?』

エルート『・・・まあ覚えているけど・・・それが何?』

リール『それあたし。』

エルート『はあああああああああああ!?あの玉がお前!?んなわけあるか!』

リール『論より証拠ね。』

そう言うと、リールは呪文を唱えだした。ビカっと光ると昨日見た光る物体になっていた。

エルート『うわ・・・まんまだ・・・』

リール『だから言ったのに。あんたはわからないと思うけど私はプラチナスライムなの。』

エルート『え!?モンスターなの!?』

リール『半分正解だけど、半分不正解。詳しいことはまだあなたには話せない。ごめんね。』

リール『単刀直入に言うわ、エルート・・・私と契約しない?』

エルート『契約???契約ってなんの??』

リール『経験値保証契約よ!!』

エルート『経験値保証契約!!ってなんだ???』

リール『あんた経験値も知らないの??』(そんな人間がそこまで強いなんてこの子・・・もしかして・・忌み子?だとしたら合点がいく。)

エルート『知りません・・・・。』

リール『まあいいわ。この世界のことを教えてあげる。あんたはどこまで知ってるの?』

エルート『ここが王国のダンジョンって事と、俺が禁忌の子だということくらい。』

リール『!!?禁忌の子!?あなたそれを誰から聞いたの!?』

リールは血相を変えて、エルートに聞いた。

エルート『冒険者一行のエルフ・・・』(殺されそうになったのは黙っておこう・・・。)

リール『エルート!禁忌の子は王国の災いそのもの!何とかしないとあなた打ち首になるわ!』

エルート『え・・・俺死刑になんの???』

リール(なぜ忌み子を嫌うエルフが禁忌の子を生かしているのか腑に落ちないけど・・・。そんなことはどうでもいいわ。この子大当たりね・・・。)


リール『話がそれたわ。あと今後一切自分が禁忌の子って口外しないこと。忌み子で通しなさい!』

それから、エルートはリールから経験値のことレベルのこと、王国のことや、世界情勢の簡単な説明を受けた。

エルート『とりあえず・・・ロールプレイングゲームみたいな感じにレベルUPして強くならないと、殺されちゃうってことね。』

リール『う~~~~んまあ今はそれでいいわ。』

リール『ここからこの王国の闇について教えるわ』

リール『確かにこの国は成人して、ダンジョンに入ってレベルを上げることができるわ。でもそれはほんの一部しか許されていない。』

エルート『許されていないってのはどうゆうこと?』

リール『あのダンジョンは未経験者1人で入ったら、ただでは帰って来れない。つまり一緒について来てくれるサポーターが必要になるの。』

エルート『仲間を探せばイイじゃん』

リール『そうなの!それが問題になるの。仲間を作れば低層のダンジョンくらいは攻略できる。でも中層、深層になると一気に難易度が高くなるの。レベル上げも難しくなる。』

エルート『低層でずっとレベル上げできないの??』

リール『できないの・・・この世界では指定モンスターっていうのがいて、それを倒さないとレベルが上がらない仕組みになってる・・・だからどんなに頑張ってもレベル20が限界ね。』

エルート『じゃあさ。すごい強い奴に一緒に行ってもらえばイイじゃん。』

リール『そこがこの国の汚いとこなの。大体の高レベル冒険者は貴族や元騎士に限られてくるの。』

エルート『一緒に行ってくれないの??』

リール『一緒には行かない・・・彼らは貴族階級冒険者は一般冒険者とはつるまない。なぜかと言うと、貴族は一般冒険者が貴族冒険者を超えることは許されない、高レベル冒険者が増えると貴族冒険者の価値が落ちるとまで考えている腐った奴ら。簡単に言うと普通冒険者はレベル20で限界で、貴族冒険者はそれ以上のレベルに簡単になれるシステムになっているの。ギルドも別々になってるから普通冒険者は高レベル冒険者と接触する事自体が難しいの。』

エルート『正義感の強い貴族冒険者とか騎士はいないのかよ!』

リール『いたわ・・・でも良くて追放・・・悪くて死刑。そんなんで今の王国は腐ったやつらしかいないわ』

エルート(そういえば昨日の貴族っぽいやつも腐った男だったな・・・)

リール『貴族冒険者なんて、ちょっと中層行って帰ってくるだけで満足するような奴ら。冒険心なんてこれっぽっちもない。クズよ。しかも騎士を同行させて自分は何もしないんだから!』

リールの顔はどんどん赤くなっていった。

リール『しかも一般冒険者は1レベル上げるのに約半年かかるなんておかしいわよ!貴族冒険者は高レベルサポーターがいるから2~3年あればで20レベルなんてすぐに行ってしまう。クズ野郎ども~~~~!!』

リール『でも私が居れば、経験値はすぐに貯まるわ!指定モンスターをちゃちゃっと倒して、しっかり体力をつけて、戦闘経験を積めばすぐにレベル20はいくわ!・・・・・あなた寝てたわね!!!』

エルートの頬を引っ張るリール

エルート『へてないよ!痛いってばーーー起きてる起きてる!』

リール『じゃあ契約するのね!!!いいわね!』

エルート『しまふ~~~しまふから~~はなひて~~~』


こうして、ダンジョンの夜はふけていった。


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