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樹海散策

前回のあらすじ


事故よって異世界に転生した男。

自分が忌み子と知り、自身の置かれた状況を理解する。

彼に希望はあるのか・・・。

~ギルドの酒場~

ガヤガヤガヤガヤ

冒険者一行

戦士『今日の飲みは俺の奢りだぜ~~!パッーと行こうぜ!』

僧侶『戦士さんありがとうございます~。』

魔法使い『奢られてやるか~~』

戦士『無理して食わなくていいぞ~~大魔法使いさん~』

エルフ『こんなところでいがみ合うな。』

食事中

僧侶『それより忌み子くん大丈夫でしょうか?心配です・・・。』

魔法使い『忌み子くんて・・・あまり入れ込まない方がいいよ~~僧侶』

戦士『なんだかんだ生きていけるだろ~~~男だし』

エルフ『そんなことより、忌み子が生まれた年に大きな災いが起こるとされている・・・それが心配だ。』

魔法使い『そんなのハッタリでしょ~エルフ~。今まで何人も生まれては死んでいったじゃない~』

エルフ『違う!忌み子ならいい・・・数百年に一度に生まれる禁忌の子だったらこの国は崩壊する・・・』

僧侶『禁忌の子・・・?』

エルフ『いや!なんでもないんだ!少し酔って変な事を言ってしまったな・・・。すまん。』

エルフは取り乱し気味に発言を撤回した。

魔法使い(禁忌の子・・・?それって未曾有のダンジョン災害のモンスターのこと・・・?でもそれって数百年前にあったことだけど。何か関係が・・ま!あの子じゃないでしょ♪)

戦士『うま!うま!カレー酒おかわり!』

僧侶は戦士の能天気ぶりにため息をつきながら、夜はふけていった・・・。


~ダンジョン入り口・掃除部屋~

夜が開けて朝の光が掃除部屋のドアの隙間に入っていた。

忌み子とされる男は目が覚めていたが、麻の敷布団から起き上がる気が起きなかった。

男は考えていた。このままダンジョンの掃除夫をすればいいのか、それ以外のことをすればいいのか。

思考は堂々巡りで腹が減って、考えるのをやめた。

男はダルそうに起き上がり、ドアを開けてやるべき事をしようと前向きに無理やり考えることにした。

それしか今のところ選択肢がないから・・・。

男(大丈夫・・・前世でもこんな感じだったんだ。きっと何とかなる・・・)

男『さ!飯を取りにいくか!ダンジョンに入ったら即死だろうから・・・樹海で食えるもん片っ端から取ってくるか!』


~樹海~

男は5~10分ぐらい樹海に入って歩いた。深く行くと最悪結界に触れた瞬間アウトだからだ。帰ることができなくなるのもあるが・・・。

男『この辺で探すか~~~』

男はキノコ・草を中心に持っていた袋にしこたま詰め込んだ。芋虫も見つけた。

男(芋虫って高タンパクなんだよな・・・不味くないらしいし・・・でも・・う~~ん)

男(とりあえず、食べるどうかは置いといて持って帰るか・・。う~~ん触りたくね~~)

芋虫はぷにぷにしていた・・・。

男は数分ぷにぷに芋虫を触っていた・・・。

芋虫『ピ~~~』

男(意外と可愛いかも)

男『ふ~~けっこう取ったぜ~~帰ろっと。』

帰ろうと足を踏み出した瞬間

ビー――――ン!!

顔の数センチ前に弓矢が刺さっていた。

男『うわおおあわ!!』

男は尻餅をつき、頬から血が流れ始めていた。

男(どこだ!どこから撃ってきやがった!)

???【このまま殺してやってもいいが、あまりにも不憫でな。私の薬で楽に逝かないか?】

男『お前はあの時のエルフ!!』

エルフ(!?なぜ私とわかった!姿は見せていない・・風下にもいる・殺気も抑えた・・なぜだ!)

エルフ【なぜわかった?】

男『いやさっきまではわからなかったが、殺気を感じたら薄っすら感じれるようになった。』

エルフ(微かな殺気で対象を判断できるとは、こやつやはり忌み子ではないな・・・先ほどの弓矢も反射的に避けたか。まだ不完全だが。)

エルフ【お前を殺しに来た。お前は忌み子ではない・・禁忌の子だ。お前はこの世に災いをもたらす・・存在してはいけない人種なのだよ。】

男(禁忌の子?・・なんだよ忌み子より下があんのかよ!!)

エルフ【お前に初めて合った日は何も感じなかったが、今はわかる。お前は危険だと。】

エルフ【どうする?このまま脳天に穴を開けるか、私の薬で楽に死ぬか・・選べ!!】

男(クッソーー!普通に生きることすら俺にとっては贅沢ってことかよ!どうする!?しょうがない・・・アレをするしか・・)

男『お前の薬を飲む・・・』

エルフ【聞き分けがいいな・・禁忌の子】

そういうとエルフが男のすぐ後ろの木から姿を現した。男が予想していた場所と随分違っていた。

男(殺気を抑えて、すぐに移動したのか・・・。真後ろにいたとは・・・。ってことはさっきの声は音じゃない・・)

エルフ『ほらこれが薬だ。これなら一瞬で苦しむこともない。』

エルフが差し出した薬は、いかにもな色だった。紫のような赤のような毒々しい色をしていた。

男がそれを手に取る。

男『最後にお願いがある。』

エルフ『冥土の土産だ言ってみろ。』

男『オッパイを触らして欲しい!10秒!いや5秒でいい!!』

エルフ『ハァ!!??お前は何を言っているんだ!!』

男『だって俺そうゆう経験なかったし・・・そのまま死ぬのはあまりにも酷じゃ~~ないんですか!?』

エルフ『それは関係ないだろ!』

男『前世でも今世でもオッパイを触れず死ぬなんて・・・あまりにも不憫だ・・・』

エルフ(前世って・・・しかし噓をついている目ではない・・・)

エルフ『わかっった・・・・///』

男『え!!!いいんですか???』

エルフ『見るのはダメだ。目隠ししろ・・・///』

男『わかりました!』

男は光の速さで目隠しをした。

エルフ(これでコイツは反撃の手段はない・・・しかしこのアホさ加減・・・ホントに禁忌の子なのか??まぁあの感知能力からいって間違いではないか。)

そんなことを考えながら、エルフは上着を脱いだ。

エルフ『ほら!さっさと触れ///』

男『・・・あの10秒でいいで・・』

エルフ『5秒だ!!!』

男『・・・ですよね~~』

ではさっそく・・・

男はその感触に感動・・走馬灯を見そうになったが、男の狙いはこれではなかった。

男(1秒・・)

エルフ『・・・クッ』

男(2秒・・)

エルフ『・・・フッ』

男『3秒!!これを食らえ!!!)

エルフ『なんだと!!!』

男は左手に持っていた袋をエルフにぶちまけた!!なかから、大量のきのこ・草・・・そして芋虫がエルフに襲い掛かった!

男『ハッハーー!!!こんなとこで死んでたまるかよ!芋虫は女の弱点!泣き叫べ!!!』

エルフ『いや、森で育っているから芋虫には慣れている。こんなのがお前の狙いだったとはな。』

大量の芋虫が身体に張り付いても微動だにしていなかった。エルフは冷静に身体についた芋虫を取り払いながら、着替えを済ませた。

男(そうだよ!!女といえどエルフ!森のスペシャリスト芋虫ごときで怯えるわけないじゃん!)

エルフ『まあ胸も触ったし、思い残すことはないだろ』

エルフは弓を構えて男に向ける。

男(終わった・・・まあエルフの柔らかかったし、もういいか・・・。)

男は諦めて目を閉じて、エルフが弓矢を放った。

パン!!!

男はゆっくり目を開けた。

男(弓矢が・・・外れて・・エルフが倒れている・・・。)

予想もしていなかった状況に男は啞然としていたが、エルフが倒れているうちにすぐにダンジョンに向かって全力で走った。

男(ハァ!ハァ!ラッキーだ!何が起きたかわからないが、助かった!オッパイも触れた!(?))

男は窮地を逃れ、ハイになりながら最善の選択を取っていた。

エルフ(くそ!身体が動かない・・・なぜだ!?)

ふと周りに落ちている芋虫を見ると一匹だけ、黄色に変色した芋虫がいた。

エルフ(あれは痺れワーム!なぜここに!?ダンジョンにしか生息できないはず・・・。よく見ると異常に魔力が注がれている・・・。奴の仕業なのか??)

エルフ(こうなっては仕込み薬が効くまで約5分、あいつは逃げ帰ったか。。。まんまとやられたな。もう禁忌の子などどうでもよくなってしまった。あいつアホだし。)

エルフは微笑していた。


~ダンジョン入り口~

帰るともう夕方になっていた。洞窟は夕陽に照らされていた。

男『ハァ――――疲れだぁ~。袋にはほとんど食料入ってない・・・今晩はキノコと野菜で凌ぐしいかないか・・・。もう樹海の奥に入れないなぁ。近場の食いもんで何とかしよう。』


男『マッッッッズーーーーー!!!!!』

日も落ちたダンジョン入り口、男がいる掃除部屋から、悲鳴がこだましていた・・・。

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