緊急クエスト5
~前回のあらすじ~
緊急クエストでダンジョン潜入するエルートとリール。中層までモンスターに引きずり込まれた。
モンスターを倒している内に、モンスター化したリールの父ダットスと交戦する。リールが首飾りを壊そうとすると、モンスター化したダットスは人間の頃の姿に戻った。再会の喜びも束の間リールはダットスに自分を殺してくれと頼まれたのであった。
~ダンジョン中層・平原~
平原に不気味な風が流れる中リールは絶望していた。
リール『イヤだよ・・・パパを殺すなんてできない・・・できないよ・・・』
ダットス『リール・・パパはもう人間じゃない。バケモノなんだ。地上にも戻れない。お前もそのためにここに来たんじゃないのか?』
リール『・・・パパを討伐するなんて思っていなかったよ・・・』
ダットス『・・・今のうちに教えておく、私の倒し方は・・・』
リール『何言ってんのパパ!他に方法がないか探そうよ!そうだ!ここに恩人いるの!力になってくれ・・・』
ダットス『リール!!!もう意識がなくなりそうなんだ!』
リールは悔しそうな、悲しい顔で黙った。
ダットス『私の倒し方は左腕、右足、左足、右腕、頭の順に切断してくれ。さぁリール。人間の今のうちにやってくれ。』
ダットスはエルートが持っていた小刀をリールに渡した。
リールは黙って小刀を受け取る。
リールはダットスの左腕に標準を定める。
ダットス『そうだ。』
ズバ!!!
ダットス『・・グゥ!』
リール『パパ!!やっぱり私・・・私・・』
リールの顔には大粒の涙がこぼれ落ちていた。
ダットス『リール大丈夫だ。今の私には痛覚はない。次は右足だ。』
ダットスは噓をついてリールの心理的負担を少しでも和らげようとしていた。
リールは実の父親に対しての行為に気が狂いそうになりながらも、歯を食いしばってこなしていった。
そして最後の頭。
ダットス『・・・・リール・・は・・や・・く・・・れぁあp』
リールは涙で前がよく見えない程、泣きじゃくっていた。
リール『・・・もう・・ムリだよ・・パパ・・』
最後にとどめを刺そうとするリール。しかし躊躇したのが失敗だった。ダットスの意識はもうなくなっていた。
ダットス『あs・・・リール・・やめて・・dcsくれあd』
リールはその言葉に戦意喪失して小刀を手から離してしまった。
ダットス『・・・いい子fdsだね・・・殺してあpぇldあげる・・・あだあdf』
ダットスだったものは、元の肉塊に戻った。しかし肉塊モンスターはダットスの姿を維持していた。
ダットスの姿の方が有利と判断した結果だった。
肉塊モンスターは戦意喪失しているリールに襲い掛かる!その瞬間。
颯爽とリールを抱えて、距離を取るエルート。
エルート『お前って意外と泣き虫だよな!』
リール『・・・バカエルート!・・・ってあんたなんて格好してんのよ!』
エルートは先ほど本体に吸収されかけたため、パンツ1枚になっていた。
エルート『しょうがねーだろ!死にかけたんだから!早くピアスになれ!』
リールはピアスに擬態してエルートの耳にくっついた。
リール『・・あんたがバカで良かったわ。』
エルート『そりゃどうも!さ!来るぜ。』
エルートは小刀を持ち、臨戦態勢になった。リールは先ほどのモンスターの弱点をエルートに伝えた。
エルート『だからさっき左腕の再生が遅かったのか・・・。それにしても的が小さくなったな。』
リール『あのモンスター・・あの姿が有利と学習してるわ。気を付けて!』
肉塊モンスターが腕を剣に変形させて、エルートに切りかかってくる。エルートは腕を突き出し衝撃波で
剣を吹き飛ばそうとするが・・・
キン!!!
衝撃波がはじかれた。
エルート『マジかよ!!さっきは効いたのに!』
リール『小さくなった分密度が増しているわ!』
エルートは切りかかってきた肉塊モンスターの攻撃を何とか避ける。
エルート(もう攻撃は受けれねぇ!・・衝撃波の威力をどうにかしないと!・・・あ!)
エルートは小刀を持ったまま衝撃波を繰り出した!
シュ!
肉塊モンスターの左腕が吹き飛ぶ。
リール『効いたわ!』
エルート『よし!このまま右足も!』
シュ!・・・キン!!!
リール『・・・・ウソ・・・』
肉塊モンスターは攻撃より防御を重点的に補強していた。
グジュグジュ
エルート『・・再生しちまったか。このままだとジリ貧だな・・。もうこれしかねぇ。』
エルート(今の俺は一度に左腕と右足をぶった切るのが良いところ・・・。問題はそのあとの三か所を・・・やるしかねぇ!)
肉塊モンスターは剣を構えて、一撃をいれようと狙っている。
リール『・・あの構えはパパの・・・エルート!次の攻撃気を付けて!』
エルートは頷き、肉塊モンスターの攻撃がきた。
肉塊モンスターは単純に縦一文字で剣を振り切ってきただけだった。
ブン!!!
エルート(こんなの簡単に避けれるぜ・・・!!??)
一振りしかしていないはずなのに、エルートには剣が何十にもに振られた気がした。
エルートは十分に避けたつもりだった。
しかし、脇腹に深く剣が刺さっていた。
エルート『グハ!』
エルートは距離を取るが、肉塊モンスターがすぐに距離を詰めてくる!
リール『エルート!!!』
エルートは瞬間的に小刀で衝撃波を二つ繰り出した。
シュ!
衝撃波は肉塊モンスターの左腕と右足を吹き飛ばした!
リール(そうか!瞬間的に切断すればはじかれない!でもあとの左足、右腕はどうするの?)
エルートは怯んでいる肉塊モンスターに向かって走り出した!
エルートは右腕に向かって小刀で衝撃波を出したが、はじかれた!
リール『やっぱりもう効かない!』
エルート(・・・やっぱりな!これでムリだったらしょうがねぇ!)
エルートは右腕、左足の順に衝撃波と何かを一緒に繰り出し、投げた!!
ブシュ!ブシュ!
肉塊モンスターの右腕、左足が切断される!
足がなくなり、倒れ込む肉塊モンスター。
エルート『ウォォォォォ!!!!!!』
地面に倒れ込む前にエルートが最後の力を出し、頭に一撃を入れた!
ドコ――――ン!!!!!・・・・・・
辺りには数メートルのクレーターが出来ていた。そして肉塊モンスターの肉は地面に帰っていき、ダットスの姿に戻っていた。
リール『パパ!』
リールが人間化して父親に駆け寄る。
ダットス『・・・・よくやった・・お前の友達は強いな。』
リール『・・・へへ。私の契約者なんだ。』
ダットス『・・良い相棒を見つけたな・・・。・・・だがな・・・』
リール『なに!?パパ!』
ダットス『・・・交際は許さん・・・。』
リール『・・・もう!バカ!!』
ダットス『・・・フフフ。最後にお前の笑顔が見れて良かった・・・リール・・愛してる・・後は頼んだぞ・・・。』
そう言うと、ダットスの肉体は白い粉のようになり天空に舞って消えていった。
リール『・・・パパ。私も愛してる。またね。』
ダットスが居た場所には首飾りと、不気味な丸い種が残った。
リールは首飾りを自分に付けて、種を拾った。
リールはエルート倒れているエルートを起こす。
リール『エルート!帰るわよ!』
エルート『・・痛いって!俺は腹に穴が開いてんだぞ!』
リール『あんたなら軽傷でしょ。ありがと。』
エルート『・・・帰るか。』
エルートはロシーアからもらった巻物を破り、地上に転送された。
~転送中~
リール『そういえば、右腕、左足はどうやって切断したの?』
エルート『あ~アレは小刀の刀身を2つに割って投げた。』
リール『え!?外れてたらどうすんのよ?』
エルート『当たったからいいだろ。』
リール(外れてたら全滅だったのね・・・。)
緊急クエスト達成




