王都の狙い
前回のあらすじ
リールから経験値を貰い、ダンジョン広場に現れたモンスターを苦戦しながらも中層モンスター討伐したエルート。
エルートは大幅に強くなり、少しの希望を見出していた。
~城下町・ギルド~
早朝
事件から数日後・・・
あのモンスター暴走事件の中層モンスター討伐したのが、忌み子だとの噂が王国に広まっていた。
ガヤガヤガヤガヤ
『おい・・あの事件の指定中層モンスターを倒したのが忌み子って噂ほんとかよ!』
『いままでそんなことなかったよな。今回の忌み子は不気味だぜ・・・。』
『デマだよデマ。国の発表じゃあ騎士団が倒したって報告してるぜ。』
『あんなのウソに決まってんだろ。低級騎士じゃあ歯が立たない。中層モンスターを倒せるなら忌み子のレベルはだいたい・・・少なくとも40近いな・・・。』
『中級騎士レベルかよ・・・・。』
『戦士がやったって噂もある・・・』
そんな噂がまことしやかに話されていた。
~王都~
上層部『あの忌み子が中層モンスターを倒したのは本当か?』
幹部『恐らく・・・事実だと思います。』
上層部『利用価値がありようだ・・・。手配しておけ。』
幹部『かしこまりました。』
~ダンジョン入り口・掃除部屋~
モンスター事件から数日後、エルート達は修行をしてダンジョンには入らなかった。
(貴族に狙われると厄介なため)
人が多く通るようになり、修行は夜中心にやるようになった。
エルートがダンジョンの掃除から帰ってくる。
エルート『最近めっちゃ見られたり、噂されんだけど・・・。』
リール『しょうがないでしょ。あんた多分噂になってるんだから。あとコレ。』
そう言うとリールは手紙をエルートに投げた。
エルート『なんだよ・・このお堅い手紙は・・・。』
リール『王都からよ。明日に裁判所に来てほしいってさ。』
エルート『はああああああ!!!!!俺裁かれんのかよ!!』
リール『多分違うわ。あんたがあの毒蜘蛛を本当に倒したのか知りたいだけよ。』
エルート『めんどくさいなぁ~~~』
リール『行かないと多分死刑かもね。』
エルート『行く!!』
リール(それにしても、王都は何企んでのよ・・・。逆に上手く利用してやる!!)
そして次の日・・・・エルートとリール(指輪状態)は樹海の入り口まで歩いていた。
~樹海・入り口~
エルート『リール・・・俺・結界に反応しないかな。確かに頭痛はないけど。』
リール『大丈夫よ。今日はあんたの呪いは解かれているから。』
おそるおそる樹海の外に出るエルート。
エルート『おおお!ほんとだ!出れる!』
樹海の外は大きい橋がかかっていた。
そして橋の先には村があった。
~農村~
エルート『こんな農村があったなんてな。』
リール『あんたは樹海から出るのは初めてだったわね。ダンジョン→樹海→村→城下町→王都→神都となっているわ。』
エルート『へ~~~。今日はどこまで行くの?』
リール『今日は城下町の簡易裁判所よ。』
エルート『ふ~~~ん。』
エルートが歩いていると村の人間は隠れ、距離を取った。
エルート『なんか俺嫌われてない?』
リール『・・まぁ、忌み子は基本的にこうだから・・・。』
とか何とか言ってると、大きな門がみえてきた。城下町だ。
~城下町・入り口~
門番『許可証を見せろ。』
エルート『・・・これです・・・。』
門番『・・・ふん。忌み子ごときが・・・。』
そう言われると、手荒く押され門の中に入れられた。
エルート『ちょ!ちょ!!っと!!』
エルートは転びそうになった。
エルート『・・・たく、がさつだな~~~』
リール『今は我慢して。』
~城下町~
目の前には中世ヨーロッパのような建物もあり、屋台、服、武器屋、薬屋など様々なお店があった。
人々が賑わい、その光景にエルートは感動していた。
エルート(こう!!こうゆうのを求めてたんだよ!ここまで2ヶ月弱・・やっと!!!)
リール(なにこいつ感動してんの・・・?)
エルート『あそこは??』
リール『・・・あそこ・・・は!!!あそこはいいーの!行くわよ!』
リールは焦って、早く行こうとせかした。
エルート『あそこってギルドだろ!冒険者がいっぱいいる!』
エルートはリールを無視しようとしたが
リール『遅刻したら死刑よ。(噓)』
エルート『・・・・じゃあ!帰りに絶対に行くからな!』
~城下町・簡易裁判所~
エルートは中に入るとは受付の人間に一通りの説明を受け、裁判室に入った。
簡易裁判所なので、簡単な椅子と周りの傍聴席、裁判官がいた。
エルートは座ると、周りを見渡した。
周りには、噂の忌み子とあってか傍聴席には人が入りきらないくらい詰め詰めだった。
エルート(・・・人多すぎだろ・・・)
ガヤガヤガヤガヤ
『あいつか!噂の忌み子は!』
『これで本当かどうかわかる。すぐに記事にしよう。』
『おい!こんな所に貴族まで数人きているぞ。』
ガンガン!
裁判官『静粛にしてください!』
裁判官『これより広場のモンスター事件の真実を追及します。』
場は静まり、裁判官の声が響いた。
裁判官『忌み子よ。君があの事件の中層モンスターを倒したは本当かね。』
エルート『・・・本当です・・。』
裁判官『きみはダンジョンに来てからまだ半年もたっていない。なぜ討伐できた?』
エルート『・・・それは・・・色々ありまして・・・。』
低級騎士『こいつはやっぱり噓つき野郎だ!!!』
エルート(あいつ逃げ出したクズ騎士じゃねーか!!噓の報告がバレるとまずいのか。)
ガンガン!!
裁判官『静粛に!!このままだと君は虚偽の広報活動とみなされ、罰を受ける。逆に真実なら王国の市民権を得る権利を享受できる。そう王都の役人様から伺っている。』
傍聴席がざわつく
『忌み子に市民権!?』
ガンガン!!
裁判官『静粛に!!!!!』
リール(ウソなら処罰・・・ホントなら市民権。王都はエルートの事は使えたら使うぐらいにしか考えていないのね。)
裁判官『証明するものがなければ処罰の対象!と言いたいところだがその場合、君が騎士団に入れば免除しよう。』
ざわつく傍聴席
ガヤガヤガヤガヤ
『あいつが・・騎士に!?』
『忌み子が騎士なんて王国は何を考えている!』
リール(これが狙いか!最初からエルートを騎士団に入れてコントロールするつもりね!)
リール(あんな腐った組織にエルートを絶対に入れない!王都の奴らは証明するものがあるのは知らないようね!!)
リールは周り聞こえないようにエルートに何か言った。
リール『わかったわね!こう言いなさい!証拠って言われたらポケットの物を見せなさい!』
裁判官『では、騎士団に入るということでいいですかな!?』
エルート『待って下さい!騎士団には入りません!』
裁判官『じゃあ処罰でいいんだな!!!忌み子!』
エルートはポケットの中の物を取り出して見せた。
手には赤い毒蜘蛛の目玉が握られていた。
実はリールがあの時に回収して、エルートのポケットに入れておいたモンスターの素材だった。
裁判官『・・・それは・・なんだ?鑑定士!』
鑑定士『すぐに鑑定します。』
鑑定士はすぐにエルートの素材を鑑定する・・・結果は・・・。
鑑定士『・・・指定中層モンスターの素材です。・・・本物です。』
歓声に沸く傍聴席
ワァーーーー!!!
『やっぱりあいつが倒したんだ!!』
『貴族でも騎士でもないのにスゲーな!!!』
『レベル上げ手伝ってくんねーかな。』
ガンガン!!
裁判官『静粛に!!!!』
裁判官『ここより忌み子に市民権を授与する。しかし他の者とダンジョンで協力・接触することは禁ずる!!!閉廷!!!』
マーズ伯爵『・・・あいつがホントに倒したのか・・・くそガキが!!!』
~城下町~
夕方
エルート『は~~~疲れた~~~。なんかすごい盛り上がってたな。でも良くあんなのポケットに入れてたのよな。』
リール『あんたに素材の事言ってなかったしね。それと忌み子が市民権、騎士団の誘いを蹴るなんて前代未聞よ。』
エルート『市民権ってなんなんだ?』
リール『城下町や農村で住める権利。ギルド登録や労働することも許可される。だからもうあんな小屋にいなくてもいいのよ~~~』
エルート『マジか!?よっしゃー!!!早く宿借りようぜ!』
リール『お金ないわよ。』
エルート『・・・・・え?』
リール『ギルドで討伐クエストしてお金稼がないとダメね。』
リールハッとして口を抑えた。
リール(余計なこと言っちゃった!!)
エルートはガクッとしたが、、、すぐに元気になった。
エルート『そうだ!そうだ!ギルド行こうぜ!』
リールは渋々了解した。
~城下町・冒険者ギルド~
エルートがギルドにつくと、中がざわついた。
『あれってあいつじゃねか・・・?噂の忌み子。』
『ホントに来たよ・・・。』
『どんなやつなんだ??』
エルート(もうみんな俺の事しっているんだな。・・・あ!!!)
エルートが見たのは冒険者一行だった。
エルートが声をかけたが、無視された。
エルート(あれ~~~こんな人だったけ??)
リール(あんたはもう王都の厄介者、下手にかかわると罪になんの!)
エルート(あ・・そうだった。)
エルートは冒険者一行に頭を下げ、ギルド申請に向かった。
受付嬢『冒険者ギルドにようこそおいで下さいました。新規の方はこの書類をお書きください。』
エルートはてきとーに書いて申請した。
受付嬢『では仮登録を受け付けました。5日以内にクエストをクリアして報酬を得たら本登録完了となります。その際に銅貨5枚を払っていただきますね。5日以上クエストをクリアしない場合、契約違反として銀貨2枚を徴収します。ご注意ください。』
エルート『わかりました。ありがとうございます。』
エルートは軽く会釈すると、エルートはスロットマシ―ンのような古ぼけた置物に近寄った。
エルート『リール!これなんだ!面白そうだな!』
リール『えっと・・・それは・・・ごにょごにょ・・・。』
受付嬢『エルートさん、それはレベル確認のマシーンですよ。1人半年に一度できるように設定されています。そのレバーを引いてみて下さい。』
リール(教えちゃダメーーーー!!!!)
エルートはレバーを引いた!ガッシャン!!!!
マシーンはガチャガチャ動き、電流を帯びた!
エルートは驚き手を離した。
エルート『なんだよこれーーー!?』
受付嬢(あんなに荒ぶることは珍しいわ・・。)
『あいつレベル判定してるぜ!』
数人の男が集まってきた。
マシーンは落ち着くと3つの数字をはじき出した!
辺りは静かになっていた。
エルートはよくわかっていないが、周りの冒険者、受付嬢の顔が青ざめている・・・。
リール『だから言ったのに・・・。』




