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七曜  作者: 酣酔楽
6/8

違和感

騒ぎが大きくなったので、出てみればへらへらと笑う不破家の御曹司様〈色男〉と女性の集団が対峙していた。

とても気軽に話しかけることができる雰囲気ではないため、節はちょっと迂回して外に出る。

後ろをふわふわと音もなくついてくるのは、子夜だ。

外の空気を吸うのでしたらご一緒します、ととろけるような微笑を浮かべて愛らしい少女に言われたらまさか断れるわけがない。

面倒はごめんだと断った朱夏だけが座敷に残った。先ほど七曜であるはずの黒い人とすれ違ったが、もしかしたらその人と話をしているかもしれない。

こちらが挨拶をしても一瞥すらしてくれなかったが…。おそらく聞こえていなかっただけだろう。

とくに当てもなく歩いていると、見かけた顔を見つけた。

あ、と声をあげると、どうしました?といつの間にか隣に並んでいた子夜がふしぎそうに首をかしげた。


「あの子、さっきの子じゃないかな?ほら、あの金色の髪の……」


この閉鎖的な国には基本的に黒髪のものしかいない。

ゆえに、不破家の次男坊太牙の金髪はどれほど距離が離れていても見間違えようもなかった。


「どうなさったのでしょう…?隣にいらっしゃる方は、七曜の方でしょうか?」

「だと思う、けど…。あの白い装束の人って白茅一族のお使いの人だよね。なんで一触即発みたいなことになってるんだろ」

「俊蔭さんのことで、ではないでしょうか」

「かなあ、やっぱり」


答えつつ、子夜の頭の回転の速さに思わず感嘆してしまう。

ふんわりぽわんとしているように見えても、さすがは七曜の末裔、といったところか。具体的に七曜がどういうものなのか節にはまだわかっていないのだが。

――ああ、それよりも。それよりもなんなのであろうこの既視感。

のどまで出かかっているのに思い出せないこの不快感。焦燥感。

そう、見たことあるのは太牙ではなく隣の子供。

男とも女とも取れる可愛らしい顔立ちの子。

王城でも感じた、小さな小さな違和感。


デジャヴ。


たぶん、自分はどこかであの子とあったことがある。


「……行って、みようか」

「はい」


こちらの緊張を読み取ったのか、安心させるようにふんわりと子夜は微笑んだ。


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