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だから戦っています!間宮 美奈兎は!



「…………」

しかし、気が付いた、夏真っ盛りの緑が生い茂る、

昼下がりの公園の芝生の上で雄二は笑うではなく、

蛇に睨まれた蛙のように油汗をかいている事を。




「……おはようございます……」

ポニーテールの美少女はかなり空気が読めていない。

多分、かなりコミュニケーションが苦手なタイプなんだろう、

それとも皮肉か?新手のボケか?



そして、

(こいつ喋れたんだ……)

雄二は雄二で素に驚いてるし。

「よっ、よかったゼ、ハナから三段突きの黙りちゃんじゃ、

甚だ敵わないからな」

しかも無様に伸された事を隠すかのように、

憎まれ口をたたいてサラッと起き上がる。




「……別に、

都立雪沢高校3年3組、間宮 美奈兎、

お喋りぐらい普通に出来ますし」

KY女子美奈兎ちゃんは喋る事なさすぎて素性をバラしてますよ。




「……」

(やっぱりな……)



間宮家、間宮 源次郎を祖とする、退魔道の社会で御三家と称される一族。



「西のハクハが動きました……、

失礼ながら744室の力量を試させていただきます、

当方としては間違っても後ろから刺されたくないというのが本音です」



刺されたくないっスか……

役にたたねば、黙って引っ込んでいろというのが本音らしい、

まったく、耳が痛い。




「まったく、いいな、やっぱり」

というと何故か持つていた愛刀、『彼岸花』を握りしめ、彼は踏み出すのか、



この場で、この場面で子供のような目をした雄二は。





「…………」



(……この人、聴いていたの?ハクハよ、ハクハ……ん?……何ですけど……、

それと私の三段突きにどう対抗するの?

なんで?なんで、この人は?

そんなに楽しそうなのかな……?)




間宮 美奈兎と父 間宮 源十郎には血の繋がりがない。

本当の父は彼女が生まれる前に他界して、身籠っていた母 春野 愛美と源十郎は周囲の反対を押しきり結ばれた。


ゆえに親族とのあつれきで父に厳しく育てられる、

本家本筋でありながら常に最前線に立ち、


どんな汚れ仕事もかって出た、


今日も溢れんばかりの笑顔と優しい心根を押し殺し戦う、

母の為、父の為、強いては間宮の家の為に



誰よりも厳しく、そして強く、何よりも悲しい彼女を称して人は言う、



氷の美奈兎と。




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