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薄桜の花籠に言づけを

 母の田舎に帰省した春休み。裏山の桜の木の下で、不思議な男性に出会った。

 歳は二十代後半だろうか。今どき珍しく、和装に身を包んでいた。日本人……にしては、全体的に色素が薄いような気がする。

 彼は私のことを祖母の名で呼んだ。「それは亡くなった祖母の名前です」と告げると、切なそうに微笑んで——消えてしまった。

 ……祖母といえば。祖母は未婚のまま母を産み、女手一つで育てたらしい。

 優しい風が、桜の花弁を舞い上げてゆく。

「ねえ、お母さん。おじいちゃんってどんな人?」

「知らない。会ったことないもの。……でも、すごく素敵な人だったって、母さんはいつも言ってたわ」

「……そっか」

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