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  作者: りょう
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鎖す世界  2

「どうした!」男が言う

過去の記憶と、あこの事で

パニックになりかけていた

その様子を見て異変に気が付いた典明さん


「あこが、いなくなって茂さんが探しに行った」

「おまえは、ここにいろ見て来るから」

そう言い茂さんが行った方に走って行った


薄暗い中、茂さんが

「あこ!あこ!」大声で叫びながら

茂みの中に入っていく


そこは時々3人で行く、あこのお気に入りの場所だった


「あこ!」と声を張り上げながら必死で探す

視界が悪い中、岩みたいなので出来ている小さな穴倉を覗く

「あこおるか?」もう一度「あこ」と言う

「ぅ~ぅ~」か細い声が茂さんの耳に入る

「あこ!ここまでおいで」と優しく言うと

泥だらけの小さな体がハイハイしながら近寄ってきた

「おぅ!お利口さんやったのぅ!流石わしの孫じゃ!

ようゆう事聞きおったなぁ~えらかぁ~

ほんまに、あこは賢い子じゃ!」と、涙目の、あこの小さな体を抱きしめ頭をさすった

茂さんは、この場所に来る時や他の場所でも必ず、あこが

迷子になった時や困った時に留まる場所と

必ず、じぃが来るまで動かず待つ事を教えていた場所の一つだった


あこを背負い引き返そうとする

強風で立って歩けなくなるほどになっていた

持っていたカッパを、あこに着せ

「あこ、じぃの背中に乗れ」と四つん這いにになる

あこは言われるとうりに乗る

茂さんな必死で茂みを進む


典明さんもまた必死で茂さんを探す

少しして茂さんがいつも首に掛けてるタオルが

括りつけてあるのに気づく

「じぃ!じぃさん!」と叫びながら茂みに入る


苦しそうに四つん這いで這いながら今にも倒れそうな茂さんを見つけた

「じぃ!」

「あこを頼む」

「わかった!直ぐに戻るから待ってろ!しっかりな、じぃ!」


典明さんは、あこをしっかり抱きかかえ家に向かった


「聡!」と叫びながら家に入る

「典明さん」

「あこを頼む、じぃ助けてくるから台車持って行くは」とだけ言い消えていく


あこが今迄に見せたことのない表情と声で泣き続ける

「ごめんな、1人にさせて、ごめんな」と言うと

あこは俺の顔見て首を横に振り抱きついて

「じぃ~じぃ~」と言う

「じぃは大丈夫、直ぐ来るからね」と言った



典明さんは茂さんのもとに辿り着くと

倒れた茂さんを背負い台車に乗せる

茂さんの足から出血してるのに気づき括りつけられていたタオルを引き裂き足を縛った

「すまんの~」

「何言ってるんですか、こんな時ぐらい甘えて下さい」

「あこは?」

「もう大丈夫ですよ」

「そっか~」と小声で言い意識が遠のいて行った


俺は、あこを風呂場で汚れた体を洗ってあげ

あこの好きな甚平を着せてたら

「戻ったで!」と典明さんの声

あこが茂じぃの方に走って行く

「じぃ~じぃ~」と言うが茂さんの反応はない

「大丈夫だよ、今寝てるだけやからな」と男が言う

「聡お湯と酒と布みたいなんあるか?布は沢山、消毒液あったらくれ」

「は、はい」

茂さんは寝かされ下着だけになっていた

それで初めて知った

足から、かなりの量の出血がある事を

「今から病院は無理やから、処置しておく」といい慣れた手つきで

渡した布をお湯につけて体を拭き別の布は引き裂き

傷口に酒をかけた


俺は、あこに見せないよう別の部屋に行った







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