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猫カフェ ~ブバルディアの花影~  作者: ことの。
~タイムリープ~
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8-6=発覚

辺り一面が凍りついたように感じる。

いや、実際に強盗にしろお姉さんにしろ動いていない。

言葉通り時間が凍りついたように動かない。


男はニヤニヤした顔で話しかけてくるや俺の顔をジトっとした目で覗き込む。


「あなた・・・人とは少し、違う生き方をしてますね・・・」


な・・・なんのことだか。




違う。


明らかに違う。


こいつはヤバい。


今まで幾度となく起きてないことがあっては殺されてきた俺だから分かる。


こいつは他のやつとは違う。


他のイレギュラーとは訳が違う。



カタカタと震えながら返事をする。

しかし、男は目を一切離そうとせず。


「あなた・・・繰り返してるでしょう?」


淡々とした口調で聞いてきた。


何故わかる?


何故しっている?


今まで誰に言っても信じてもらえなかったその事をなんでこいつは知っているんだ?


嘘をついたら殺されてしまいそうな雰囲気に俺は首を縦に降る。


「ほら、やっぱり」


ニヤニヤとした笑いはねっとりとした笑いに変わり、絶えずに笑顔を見せてくる。


「おや、驚かせ過ぎましたかね?

怖がらなくても大丈夫ですよ。

別にとって食いやしません」


男は背筋を伸ばしてパンと小さく手を打つ。


「あなた、そうなってしまう前に変なナイフで刺されませんでした?」


再び俺を覗き込む怪しい瞳。

その言葉を聞いて、俺は縦に頷く。

確かに覚えがある。

1度目に死んだ時の話だ。


俺は今回と同じようにお姉さんと出かけ、コンビニに寄り、この2人の強盗に遭遇している。

お姉さんに襲いかかったナイフを自ら受けた。


その時に違和感を感じていた。

ドロっとした内臓が溶け落ちるような気持ち悪さ。

形容しがたい心地悪さ。

確かにそれを感じていた。


「それはこんな姿のナイフでは?」


ピラリと小さな写真を見せてくる。

そこに映っていたのは確かに俺を刺したあのナイフ。

ペティナイフのように小さく、刀身から柄まで綺麗に金色の装飾が施されている。


なぜこんな強盗が?と思ったくらいだ。


「やはり・・・このナイフはクロノアといいます。

かつては時間を司る神だったものが武器へと姿を変えたもの・・・と言われていますが、詳細な所は分かりません」


クロ・・・ノア?

それに刺されたからこんなことになってるって?


「わたしは訳があってそれをさがしているのですが・・・どうやら今回はハズレだったみたいですね」


ハズレ?

現に刺された人間がいるっていうのに?


「はい。

もうここにはありません。

彼は気まぐれですから・・・1つの所に長くは留まらないのです」


じゃあ、なんで俺はこのままなんだ?

そのナイフが原因で原因はもういないんだろ?

なら、解放されるんじゃないのか?


「少しだけ違いますが・・・

彼は曲がりなりにも神です。

神とは影響を残して消えるもの。

今も昔もね」


じゃあ、俺はずっとこのままなのか?


「そうなりますね」


そんな・・・


「そう悲観することもありません。

クロノアはきっかけを作ったに過ぎない。

根本的な原因はもう1つあります。

それはあなた自身の問題」


俺の・・・?


「そう、あなた自身の問題。

あなたは運がいい。

わたしと会うことが出来たのですから」


お前が俺になにかしてくれるって?


「えぇ、わたしに出来ることは多くないですが、あなたの問題を解決するきっかけを与えることは出来ると思いますよ」


なら・・・!!


「しかし、タダとは言えません。

わたしにメリットがありません。

曲がりなりにも神。

その力に抗うのですから、それなりの代償が必要になるでしょうねー」


ニヤニヤとした男の顔がますますいやらしく感じてきた。


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