2-2=巡り
「ここは・・・どこだろう?天国?それとも地獄?」
どこにでもありそうな公園。
その中心に寝ていた。
「死後の世界っていうには・・・ちょっとイメージと違うけど」
心地よい脱力感。
もう何もしたくない。
グダグダと横になっていると
チリン
鈴の音が聞こえた。
重たい顔を上げて音のする方をみる。
そこに居たのは金色の瞳が印象的な黒い猫だった。
ピッタリと合った目をしばらく話せないでいると
「にゃ~~」
と一鳴き。
踵を返して遠ざかる。
少し遠ざかると振り返ってこちらを見てくる。
(ついてこいってこと?)
猫の意思が分かるわけはないが
何故かそう言われてる気がした。
猫が歩く。止まる。
私が歩く。止まる。
公園の中をグルグルと。
途中、迷路に迷いのんだかと思えるほど大きな薔薇園があったり、温室があったり。
最早、道とは思えないような所を通ったりした。
それでも猫は歩く。止まる。
そして私も歩く。止まる。
道無き道。
猫達だけが知っている秘密の通路だろうか。
人間の私にはちょっとキツい。。
どのくらい追いかけっこをしていただろうか。
全身汗まみれで足も棒のようだ。
「猫くん・・・そろそろ限界・・・」
私が弱音を吐いた瞬間
チリン・・・
一際大きな木を超えたところで猫が止まった気配がした。
なにか近づいては行けないような気もしつつ、
私は抗えようのない意思によってその木を越える。
その先にあったものは色とりどりの綺麗な草花
それと、ハーブを育てているであろう小さめな温室だった。