7-8=終幕
ケラケラ
ケラケラ
ケラケラ
ケラケラ
女の笑い声は続く。
続く
続く
しかし、ルルとシャルの瞳にはしっかりと映っていた。
笑い狂う女の後ろでぬるりと立ち上がる影が見えることを。
その影は女の落とした剣を手に持ち
ゆっくりと女に近付き
首に狙いを定め
振りかぶり
息を整え
振り下ろす。
剣は女の首を捕え、
胴体と頭は決別を果たした。
ゴロゴロと転がる首。
目はしっかりと開いており切り落とした相手を睨みつけると罵倒を吐く。
所々途切れており聞き取れないが互いに何かを言い合っているらしい。
「人間とは・・・酷く醜い生き物ですわね・・・
汚さだけを見ればあなた方、お似合いよ!
一生一緒に醜く争えばいいわ・・・
もう、彼女のような人を出さないために!」
いつの間にか2人の横に立つシャル。
その手には真っ黒な刀身の鉈が握られていた。
震え上がる2人。
「これで・・・おしまいですわ!
私に切られればあなた方は今度こそ死にますわ!
最後に言い残すことはあります?」
ギャーギャーと叫ぶ2人。
助けてくれとか、ごめんなさいとか言ってるようだがシャルの耳には届かない。
「さようなら・・・」
鉈を振りかぶり何度も何度も切りつける。
分割された首と胴体は更にバラバラになり、
最早、どこがどこの部分なのか分からない。
男も同様に見るも無残な姿になっており、
2人の肉片、血は混ざり合い、元に戻すことなんて誰にも出来ないだろう。
「さ!2人は死に、君は復讐を果たした!
今の気持ちはどんな感じだい?」
黒いゴスロリ服を真っ赤に染めるシャル。
腕や足、顔にも血が飛び散っている。
「なんとも虚しいですわね・・・
あの子を苦しめた2人がこんなにも呆気ないとは・・・」
「人間なんて脆くて、強欲で・・・儚い生き物だよ!
だからこそ一人一人の物語があり、面白い!」
「物語があるのは人間だけではないわ・・・」
「そうだね!
人だけでなく、木や水、物にだって物語はある。
その物語を面白くするもつまらなくするも主人公次第!
君はこの後、どんな物語を紡ぐんだい?」
「私は・・・私の体はもうボロボロです・・・歩くこともままならない・・・そんな私がこの後の物語を紡ぐことは出来るのでしょうか?」
「さっきも言ったじゃない!
物語を面白くするのもつまらなくするのも主人公次第だって!
君が望むなら空を飛ぶことだって出来る!」
「そんなこと・・・私が出来るとは到底・・・」
泣きそうな声になるシャル。
そんなシャルにルルは正面から言い放つ。
「君がそれならそれでいいけどね!
ここからは君の物語だ!
僕らが関与する訳にはいかない!」
「私・・・私は・・・」
言い淀むシャルに更にルルが追い打ちをかける。
「生きるも死ぬも朽ちるも果てるも君の勝手!
僕の知ったこっちゃない!
元から僕は乗る気じゃなかったし!
君を導いたのも八雲が半強制的にお願いしたからだからね!
ここから先に君と僕とが交わる線は書かれてないよ!」
また悪い顔をしているルル。
本心で言っているのか、それともシャルを突き放すために言っているのか・・・底がみえない。
「私は・・・生きていたいわ!!」
「決まりだね!・・・八雲?」
「そうですね」
ニヤリとするルル。
遥か頭上の方から八雲の声がこだまする。




