4-7=思惑
リナリアに残された1人の男。
デュラは思考を巡らせる。
(なぜ、八雲様はあの二人を組ませるなど無茶な事をいいだしたのか・・・)
「その答え、お話いたしましょうか?」
ヒョイと奥の部屋から顔を出した八雲。
その表情には先程の威圧感はなく、いつものようにニヤニヤと笑っている。
「人の思考を読むのはやめて頂きたい。しかし、私めの考えが至らないのも事実。教えていただいても宜しいか?」
「えぇ、もちろん。まず第1に材料がないのは事実です。いくら私でも材料がなければ薬を作ることは出来ません。私は錬金術師ではないので・・・それとあのふたりを一緒に行かせた理由ですが、前々から思っていたのです。
あのふたりは仲が悪すぎる。
ふたりともわがままで意地っ張り、それに沸点も低い。でも、とてもよく似ている。
お互いがお互いの事を認識出来れば、あのふたり以上のペアはいないと思いましたので」
ふむ・・・一理ある。
しかし、あのふたりが和解することなどあるのだろうか。。
一時的に休戦したとしても、あのふたりが手を取り合って協力する姿をデュラは想像することが出来なかった。
「大丈夫ですよ。ムラサキはともかくアルニカはそう簡単には取れません。それこそ、ふたりが協力しなければ・・・さて、ふたりは無事に帰って来れるのでしょうか」
不穏な言葉を発する八雲。
主に危険が及ぶ可能性を示唆する発言に今にも飛び出していきたい衝動にかられるデュラ。
しかし、アレスの為に意を決してルルと協力することを選んだエリスの気持ちを無下には出来ない。
結局、デュラはふたりの帰りを待つことしか出来ないのだった。
「デュラ様、コーヒーはいかがですか?」
いつも通りの口調で八雲が問う。
デュラはその呑気さから思わずため息を漏らす。
「いただきます・・・」




